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この世界を作った奴って頭がおかしいと思う
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「神から…」
それ俺の世界でも言うんだけど…。
「比喩表現ではないんだよな?」
「はい、そのままの意味です。神殿でお互いの血を祭壇に捧げることで神から子供が贈られる、そういうものだったそうです」
クローニング?いや、この場合は人口子宮か?この世界の神っていったいなんなんだ。
「過去形だな」
「はい。250年ほど前までの話です。もう神殿で子供を授かった人も、神殿で生まれた人も残っていませんから」
250年か。微妙に昔だな。ただ神話や伝説とするには時代が近すぎる。
「何があったかは記録には…?」
「残っています。当時、大きな戦争があり、ある国が敵国の神殿を破壊しようと軍を差し向けたと。それに怒った神の御使い達は怒り狂い国を滅ぼしたと伝えられています。それ以降、神殿は閉ざされ近づくこともできません」
「ということは神殿自体は残ってるのか?」
「はい。この近くでは国境の森の中に」
国境の森…。俺が最初にいた場所か。偶然か、これは。考えてもどうしようもないな。これは置いとこう。
「それで、神殿が使えなくなってどうなったんだ?」
「はい。神殿が使えなくなり滅びるしかない人間を哀れんだ神が魔法を授けてくだささったと…。多くの不自由と苦痛を引き換えに、一度だけ自らの腹の中で子を育て、産み落とすことができる力です。クロウ君の世界と同じですね」
同じとはいえないけどな。卵子はともかく精子はどうなってんだ。それに一度だけ。人口減るしかなくないか、それだと。
「魔法を授けられたってことは、なにかお告げとかがあった?」
「いえ、ただ自然とできるとわかったそうです。お互いがお互いに子を望み、その思いに魔力を乗せて交わることで子供を作ることができると」
「性器の形状が変わったりは?俺みたいに」
「ない、と思います。私も経験はないですが…」
そうか。こんど出産経験ある人を誘って聞いてみよう。もちろん性的な意味で。
「妊娠、出産の原理はわかってないのか?」
「わかっていません。と言うよりも調べた者がいませんから」
「そうか…」
正直この世界の神、もしかしたら科学者かもしれないけど、世界のデザインにかなり悪意を感じる。そこまでして女だけの世界を作りたかったんだろうか。
「そうだ。動物や虫はどうなんだ?」
「詳しくはわかりません。恐らくは私達と同じように獣にも神殿と同じものがあるのではと言われていますが…。それを見つけることができたものはいないんです」
なるほどなぁ。
「うん。わかった。子供ができるかはいずれ試してみよう。聞く限りできそうだけど」
排卵、造精に魔法を使ってるって考えるのが妥当だよな。それ以上は死体の腹でも割いてみないとわかんねえや。
「ふふっ、そうですね。あと数年でこの街も落ち着くと思いますから。そうしたら…、クロウ君との赤ちゃんが欲しいです」
うん、思いが重いな。
でも、そうか。戦争を考えてんだっけ。この国って。
「数年で戦争を起こして勝利できるってことか?」
「え?」
ん?なにその反応。さんざんメルを煽ってただろ。
「いや、メルのこととか、準備ができてるとか言ってたよね?」
「あ、そのことですね。それは戦争を起こすということではありませんよ」
いやいやいや、殺しておきたいほどの貴族の亡命を受け入れたらまずくないか?
それ俺の世界でも言うんだけど…。
「比喩表現ではないんだよな?」
「はい、そのままの意味です。神殿でお互いの血を祭壇に捧げることで神から子供が贈られる、そういうものだったそうです」
クローニング?いや、この場合は人口子宮か?この世界の神っていったいなんなんだ。
「過去形だな」
「はい。250年ほど前までの話です。もう神殿で子供を授かった人も、神殿で生まれた人も残っていませんから」
250年か。微妙に昔だな。ただ神話や伝説とするには時代が近すぎる。
「何があったかは記録には…?」
「残っています。当時、大きな戦争があり、ある国が敵国の神殿を破壊しようと軍を差し向けたと。それに怒った神の御使い達は怒り狂い国を滅ぼしたと伝えられています。それ以降、神殿は閉ざされ近づくこともできません」
「ということは神殿自体は残ってるのか?」
「はい。この近くでは国境の森の中に」
国境の森…。俺が最初にいた場所か。偶然か、これは。考えてもどうしようもないな。これは置いとこう。
「それで、神殿が使えなくなってどうなったんだ?」
「はい。神殿が使えなくなり滅びるしかない人間を哀れんだ神が魔法を授けてくだささったと…。多くの不自由と苦痛を引き換えに、一度だけ自らの腹の中で子を育て、産み落とすことができる力です。クロウ君の世界と同じですね」
同じとはいえないけどな。卵子はともかく精子はどうなってんだ。それに一度だけ。人口減るしかなくないか、それだと。
「魔法を授けられたってことは、なにかお告げとかがあった?」
「いえ、ただ自然とできるとわかったそうです。お互いがお互いに子を望み、その思いに魔力を乗せて交わることで子供を作ることができると」
「性器の形状が変わったりは?俺みたいに」
「ない、と思います。私も経験はないですが…」
そうか。こんど出産経験ある人を誘って聞いてみよう。もちろん性的な意味で。
「妊娠、出産の原理はわかってないのか?」
「わかっていません。と言うよりも調べた者がいませんから」
「そうか…」
正直この世界の神、もしかしたら科学者かもしれないけど、世界のデザインにかなり悪意を感じる。そこまでして女だけの世界を作りたかったんだろうか。
「そうだ。動物や虫はどうなんだ?」
「詳しくはわかりません。恐らくは私達と同じように獣にも神殿と同じものがあるのではと言われていますが…。それを見つけることができたものはいないんです」
なるほどなぁ。
「うん。わかった。子供ができるかはいずれ試してみよう。聞く限りできそうだけど」
排卵、造精に魔法を使ってるって考えるのが妥当だよな。それ以上は死体の腹でも割いてみないとわかんねえや。
「ふふっ、そうですね。あと数年でこの街も落ち着くと思いますから。そうしたら…、クロウ君との赤ちゃんが欲しいです」
うん、思いが重いな。
でも、そうか。戦争を考えてんだっけ。この国って。
「数年で戦争を起こして勝利できるってことか?」
「え?」
ん?なにその反応。さんざんメルを煽ってただろ。
「いや、メルのこととか、準備ができてるとか言ってたよね?」
「あ、そのことですね。それは戦争を起こすということではありませんよ」
いやいやいや、殺しておきたいほどの貴族の亡命を受け入れたらまずくないか?
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