上 下
40 / 99

結局は裸になるしかありませんでした

しおりを挟む
なんか、メルにもこんな質問されたよな。
けど、どうするか。
味方に取り込むことを考えれば正直に話すべきだろうけど…。
信じるかなぁ。
メルとエルダはあっさり信じたけど、あれは身体を見てたからだろうし。
「話をして深い知識と教養を備えていることはわかりました。着ている服も、珍しい作りですが見たことがないほど美しい生地を使っている。」
それ、シンシアさんも言ってた。
現代の技術ってすごいんだな。
そんなに目立つのか。
服、買わないといけないな。
「それなのに、地名や誰でも知っているようなことを知らない。ギルドから報告があった魔力の異常な動き。まだ一晩ですが不審な動きはないと報告を受けていますが…。」
あ、やっぱ監視がついてたのか。
「フィーオウの治安を預かるものとして、君の素性を知る必要があると判断しました。正直に話してくれますか?」
こんな場を設けてくれたあたり、かなり配慮してくれてるんだろうな。
話すしかないか…。
「わかった。ただ、とても信じられないような話だと思う。」
メローが頷く。
「俺はこの世界とはまったく別の世界。異世界から来たんだ。」
眉をひそめるが口は出してこない。
「この世界よりもずっと技術が発展した世界だ。綺麗な生地だと言ったこの服も…、えっと、まだ貨幣価値がよくわからないんだが、たぶん大銀貨1枚もしない。」
「なっ…!」
流石に驚いたのか声をあげる。
やっぱり服は高価なのか。
「…失礼。続けてください。」
「なぜこの世界に来たのかは分からない。気がつくと国境の森の中にいたんだ。そこでメル…。うん、メルとエルダと出会って、2人を助けてここに辿り着いた。」
反応を待つ。
腕を組み考えていたメローが口を開いた。
「確かに、それなら君の知識のちくはぐさにも説明がつきますね。それが真実なら…ですが。はっきり言ってあまりにも荒唐無稽です。」
正気を疑いますね、と笑顔で言い切られる。
ですよね。
俺だってそんな奴がいたら正気を疑うわ。
「そうだろうと思う。ただ、俺の世界の人間にはひとつ特徴があるんだ。」
「それは、どういった?」
「俺の世界の人間は女と、男。2種類に分かれてる。」
「おとこ?」
再びメローが眉をひそめる。
「俺はその男の方なんだ。男は女とは外見的な違いがいくつかある。」
「違いですか。」
「ああ、まず殆どの場合、女よりも身体が大きく筋肉質だ。」
メローが俺の身体をしげしげと眺める。
「確かに君ほどの逞しい体つきの人はそうはいませんね。でも、それは個人差と言えませんか?」
「そうだな。あとは身体の作りの違いから女よりも声が低い。」
「私も君の声を、低く響くすて…、珍しい声だとは感じていました。ですがそれも体つきと同じことでは?」
そう言われるとなぁ。
「胸、乳房が男には無い。」
「…私からは言いづらいですが、無いと言えるほどの人もいますね。」
腕を組んで強調された胸に目がいきそうになるのを堪える。
今は駄目だ。
しかし、やっぱりこっちの話をしないと駄目かぁ。
「終わりですか?」
心なしか視線に冷たさを感じる。
「いや、次で最後、と言うか決定打なんだが…。」
「聞きましょう。」
そう言って、足を組み座りなおす
言うしかないか。
「…女と男は、性器の形状がまったく違う。」
「せいき?」
「そう。性器。」
「あっ、せっ、性器ですか?」
あからさまに動揺するメロー。
ほんとにそういうの慣れてないんだな、この人。
「でもそれは…、確認しようが…。」
ああもう仕方ない。
見せて興奮するとか俺にはまだレベル高いんだけどなぁ。
靴と靴下を脱いで立ち上がる。
全裸靴下になるのは嫌だからな。
「あっ、クロウ君なにをっ?」
「見てもらった方が早い。正直、恥ずかしいけど…。」
ジャケット、Tシャツを脱いで上半身裸になる。
「あ…。」
メローは口元に手を当て、顔を真っ赤にしている。
が、視線は俺から動いてない。
いわばガン見。
「まず胸の話だ。男は乳房が膨らまないし乳首も大きくならない。実際に見れば形状の違いがわかるだろ。」
「ひゃい…。」
聞いているのかいないのか、わからない返事が返ってくる。
ベルト、ジーンズのホックを外してジッパーを降ろす。
躊躇したら脱げなくなる。
そのまま一気にパンツごとズボンを下ろす。
エッチの時だと恥ずかしくないんだけどなぁ。
「あっ、クロウ君、まっ…。」
メローのほうを向いて真っ直ぐに立つ。
顔は見れない。恥ずかしい。
もちろん、問題の部分は下を向いたままだ。
「あ…、ほんとにちがう…。」
そう呟いたメローが突然立ち上がる。
何事かと視線を上げると、なぜかワンピースを脱ぎ始めていた。
「ええっ!?待って、なんでそっちも脱ぐんだよ!」
「君だけを裸にしておく訳にはいかないでしょう!私も脱ぎます!」
そう言ってワンピースを脱ぎ捨てる。
下着に包まれた規格外の胸がブルンと揺れた。
「だからなんでそうなるんだよ!脱がなくていいだろ!」
「仕方ないとはいえ君に辱めを与えてるんです!私も脱ぐのが当然でしょう!」
意味わかんねえから!
と混乱しつつも、ギルドでナンパされたり、ちゃん付けで呼ばれたことを思い出す。
この状況って俺の世界で言うと、尋問してる女の子を追い詰めて裸に剥くのと同じなんじゃないだろうか。
俺が女の子のほうで。
「待って!脱がなくていい!着るから!服着るから!殺される!殺されるから!」
「黙りなさい!こんなことは私の矜持に関わります!」
「俺の命に関わるんだよ!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】転生?した先は、リアルよりもHな世界でした。

N.M.V
ファンタジー
注)本小説は、1話毎にエロシーンが御座います。嫌悪感を抱かれる方、苦手な方は閲覧をお控えください。 ……そこはダンジョン奥深く、戦闘の狭間で休憩していたワタシは、パーティーメンバーの1人、後衛の魔法士にいきなり弱の麻痺魔法をかけられ、押し倒された。 「なに考えれんろのよ!!、やめれぇ!!」 麻痺のせいでろれつが回らない。 「テメェが、素直にヤラせてくれねーからだろ?」 他のメンバーに助けを求め視線を向けた。だけど、全員が下卑た笑いをしてる。コイツら全員最初からワタシを犯す気なんだ。 最悪だわ。 魔法士は、ワタシの装備を剥がし、その下の服を引き裂いて、下半身の下着を引きちぎった。 「ペナルティ食らうわよ……」 「そんなもん怖くねーよ、気持ち良けりゃイイんだよ」 魔法士はそう言ってズボンを下ろした。ギンギンに張ったサオを握りしめ、ワタシの股を割って腰を入れて来る。 「や、やめてぇ、いやぁん」 「好き者のくせに、カマトトぶるんじゃねーよ、最初に誘ったのはオメエじゃねーか」 強引なのは嫌なのよ! 魔法士のサオがワタシのアソコに当てがわれ、先っちょが入って来る。太くて硬い、リアルとは異なるモノが…… 「や、いやっ、あっ、ああっ」 ……… ワタシの名前は、「エム」 人類は平和だろうが戦争中だろうが、心に余裕があろうがなかろうが、生きるも死ぬも関係なしに、とにかく欲望のままにHをしたがる。 ワタシがプレイしていたゲームは、そんな人類の中で、人より頭がちょっと賢くてオカシなゲームマスターが 「とにかくHがしたい」 なーんて感じで娯楽を創造したんだと思う。 類い稀なるフルダイブ型エロゲー。世界設定は、剣と魔法のファンタジー、エロゲーだけあり、Hもできちゃう。 でも内容は本格的、一切の妥協はなし。 生と死の間、命のやりとり、バトルオブサスペンス!、世界も広い!、未踏の大地、拡張されるストーリー!、無限に広がるナントやら。 因みに、H出来るのは倫理上、人同士のみ。 ゴブリンに攫われてヤラレちゃうとかナンセンス。そんなのは他所でヤレ、です。 …そんなゲーム世界から、いきなり異世界に飛ばされてしまった不幸なワタシの物語です。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

18禁NTR鬱ゲーの裏ボス最強悪役貴族に転生したのでスローライフを楽しんでいたら、ヒロイン達が奴隷としてやって来たので幸せにすることにした

田中又雄
ファンタジー
『異世界少女を歪ませたい』はエロゲー+MMORPGの要素も入った神ゲーであった。 しかし、NTR鬱ゲーであるためENDはいつも目を覆いたくなるものばかりであった。 そんなある日、裏ボスの悪役貴族として転生したわけだが...俺は悪役貴族として動く気はない。 そう思っていたのに、そこに奴隷として現れたのは今作のヒロイン達。 なので、酷い目にあってきた彼女達を精一杯愛し、幸せなトゥルーエンドに導くことに決めた。 あらすじを読んでいただきありがとうございます。 併せて、本作品についてはYouTubeで動画を投稿しております。 より、作品に没入できるようつくっているものですので、よければ見ていただければ幸いです!

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

凌辱系エロゲの世界に転生〜そんな世界に転生したからには俺はヒロイン達を救いたい〜

美鈴
ファンタジー
※ホットランキング6位本当にありがとうございます! 凌辱系エロゲーム『凌辱地獄』。 人気絵師がキャラクター原案、エロシーンの全てを描き、複数の人気声優がそのエロボイスを務めたという事で、異例の大ヒットを飛ばしたパソコンアダルトゲーム。 そんなエロゲームを完全に網羅してクリアした主人公豊和はその瞬間…意識がなくなり、気が付いた時にはゲーム世界へと転生していた。そして豊和にとって現実となった世界でヒロイン達にそんな悲惨な目にあって欲しくないと思った主人公がその為に奔走していくお話…。 ※カクヨム様にも投稿しております。

俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした

宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。 聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。 「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」 イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。 「……どうしたんだ、イリス?」 アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。 だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。 そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。 「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」 女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。

死んだら男女比1:99の異世界に来ていた。SSスキル持ちの僕を冒険者や王女、騎士が奪い合おうとして困っているんですけど!?

わんた
ファンタジー
DVの父から母を守って死ぬと、異世界の住民であるイオディプスの体に乗り移って目覚めた。 ここは、男女比率が1対99に偏っている世界だ。 しかもスキルという特殊能力も存在し、イオディプスは最高ランクSSのスキルブースターをもっている。 他人が持っているスキルの効果を上昇させる効果があり、ブースト対象との仲が良ければ上昇率は高まるうえに、スキルが別物に進化することもある。 本来であれば上位貴族の夫(種馬)として過ごせるほどの能力を持っているのだが、当の本人は自らの価値に気づいていない。 贅沢な暮らしなんてどうでもよく、近くにいる女性を幸せにしたいと願っているのだ。 そんな隙だらけの男を、知り合った女性は見逃さない。 家で監禁しようとする危険な女性や子作りにしか興味のない女性などと、表面上は穏やかな生活をしつつ、一緒に冒険者として活躍する日々が始まった。

処理中です...