【R18】抑圧された真面目男が異世界でハメを外してハメまくる話

黒丸

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知らないところで話がついてると気持ち悪い

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ファーレンギルド庁舎。
中央広場の北側に位置する4階建ての建物は、まるでヨーロッパの歌劇場のような壮麗な建物だった。
正面は階段になっていて、たくさんの人達が出入りしている。
少し気後れしながらも中に入れば、広いロビーは人でごった返していた。
1階部分は各業種ごとの窓口になっているせいか外観に比べて装飾は少ない。
まぁ、人の出入りが多い場所だから当然なんだろう。
そしてやっぱり女の匂いが凄い。
「うう、匂いに酔いそう。」
「昨日も言ってたよな、それ。」
言ったな、門の順番待ちで。
「なんの匂いを言ってるのかが分からない。くろーさんは鼻がいいの?」
「そういう訳じゃないんだけどな。俺とは匂いの質が違うから。人が集まると気になるんだよ。」
「わたしや姉さんも臭い?」
ごめん、こんなこと言うと気になるよな。
「臭くない。実は初めて会った日の体臭も好きだった。」
「くろー、それ喜んでいいのか分かんねぇ…。」
散々なじったもんな。ごめんな。
そんなことを話しながら左手側を奥に進んでいくと、だんだんと人がまばらになってくる。
そして、完全に人が途切れた一番奥。
まるで追いやられたような場所に民兵の受付窓口はあった。
「なあ、民兵って扱い悪いのか?」
「そんなこたねぇだろ。他と違って内向きの窓口だからこんなもんじゃねぇか?」
思わず、答えたエルダの顔をまじまじと見てしまう。
「なんだよ?」
「たぶん予想外にまともな答えが返ってきたから驚いてる。良かったね、姉さん。」
「いや、そりゃひでぇよくろー!」
俺達の会話が聞こえたのか、受付に座る女がくすくすと笑う。
「あ、すいません。話が聞こえてしまって。」
ポニーテールにした赤い髪に赤い瞳。
いかにも快活といった雰囲気の美少女が頭を下げてくる。
緑と白を基調にした制服が良く似合ってるが、胸のサイズは普通だ。
「いや、こっちこそ騒いですまなかった。民兵の登録にきたんだけど、紹介状があるから確認してもらえるか?」
と、メローから貰った紹介状を差し出す。
お預かりしますと紹介状を受け取り、封を開けて確認するポニーテール。
「うわぁ、ほんとにメロー隊長の紹介状だ。凄いですね。」
メローの名前が出た瞬間、職員達の視線が一斉にこちらへ集まる。
「では手続きに入りましょう。あ、すいません、どうぞそちらにお掛けください。」
ポニーテールは、それに気づいてない様子で話を進めていく。
すっごい居心地悪いんだけど。
仕方なく勧められるままに椅子へと腰掛ける。
「私は兵事専任職員のカミラ・ローレンです。皆さんのお名前をお伺いできますか?」
「あー、矢島…じゃないな。クロウ・ヤジマだ。」
「はい。クロウ・ヤジマさんですね。」
後から清書するのか、手元のボードにサラサラと書き込んで…はあ!?
「カタカナ!?」
「うわぁ!どうかしました?」
やば、声が出た。
「いや、なんでもない。続けてくれ。」
お約束だと思って気にもしてなかったけど、普通に日本語で話してたってことか?
「では、そちらの御二人もお名前をお願いします。」
たしかに髪色は滅茶苦茶だけど、洋物が苦手な俺にも馴染みやすい顔立ちだよな。
エッチの時もシーハーシーハーオーイェスって感じじゃないし。
「わたしは…。」
もしかして、どこかにスカイタワーの残骸とかあるのか?
なんなんだ、この世界…。
「メルフィリア・オーデール。」
「エルシーダ・カラントだ。」
いやいやいやいや。
「まて、いいのか…?それ…。」
「いいの。昨日、姉さんと話して決めてた。」
意図がわからない。
考えることが多すぎて混乱しそうだ。
「そ…そっちで名乗っちゃうんですか。」
と、驚きを口にするカミラ。
けど、本名を名乗ったってことに驚いてるな。
「その反応だとやっぱり…。」
「はい、もちろん通達がありました。極力、普通に対応するように、と。」
フィーオウ側も機密にするつもりはないってことか。
「でも、本当にいいんですか?」
「お願い。」
「もう隠す意味ねぇからな。」
そう判断したわけか。
そろそろ、ちゃんと話を聞かないとまずいな。
昨日、話ができなかったのが痛い。
「わかりました。それではこれで登録しますね。クロエ先輩、お願いしまーす。」
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