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さっそくの文化の違いに戸惑います
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アグリッサ・メロー。
彼女から紹介してもらった宿は驚くほど高級そうだった。
両開きの扉をくぐると広いロビー。
ロビーにいたメイド達…でいいのかな。
落ち着いた黒いロングスカートに白いエプロンとキャップを被った女が綺麗な姿勢で頭を下げてくる。
すごいな、教育が行き届いてる。
こんな小汚い格好してるのに嫌な顔ひとつしないんだもんな。
…うん。
やばいだろこれ一泊いくらするんだよ払えるのかこれ!
ああああ、風呂がある宿がいいとか言うんじゃなかった。
だって風呂があるなんて思わなかったんだよ!
あるって聞いたらはいりたくなるよ、俺は日本人だもの。
公衆浴場なんて行けないしさ、宿でこっそり入れたらいいなって思っただけなのになんでこんなとこ紹介すんの!?
今の手持ちで一泊くらいならいけるかな、いけるよね。
いまさら引っ込みもつかず、正面にある、上へと続く階段に挟まれた受付に紹介状を差し出す。
精一杯の虚勢をはりながら。
左に続く廊下の先は食堂だろうか。
いい匂いが漂ってくる。
「アグリッサ・メローの紹介で来た。確認してくれ。」
「失礼いたします。」
眼鏡をかけ、黒髪をショートボブにした怜悧な雰囲気の女が、慣れた手付きで紹介状の封を切る。
女教師って感じだ。
てか、眼鏡あるのか。この世界。
「クロウ様ですね。お待ちしておりました。」
女教師が柔らかく微笑み、頭を下げる。
うん、これは英語だな。英語教師だ。
ガーターベルトを愛用してるに違いない。
「どうかなさいましたか?」
不思議そうな女教師の声で現実に引き戻される。
「ああ、よく教育が行き届いてると思ってね。」
と、慣れている男感を出していく。
「ありがとうございます。メロー様からは7日の滞在と伺っておりますが、よろしいでしょうか?」
…は?
はあ!?
なにやってんだよメロー!!
7日?6泊!?バッカじゃねえの!?
払えるわけないだろ!
こんど会ったら腫れあがるまでおっぱい揉んでやるからな!
「日程までは考えてなかったんだが…。宿泊料は先に払えばいいのか?」
平静を装い質問を返す。
だって格好つけたいよ!
「はい。先にお支払いただいております。7日分は既にメロー様の使いの方より頂いておりますので、延長されるのでしたらお支払をお願い致します。」
うわああああ!ありがとうメロー!
こんど会ったら優しくおっぱい揉むから!
「いや、予定通りにしておくよ。」
「かしこまりました。本日はお食事は必要ないと伺っておりますが、こちらもよろしいでしょうか。」
食事か、ちょっと疲れすぎてて食欲ないな。
2人を振り返ると、どうやら同じのようだった。
「あたしはもう食えそうにねぇや。」
「わたしも無理。」
「と、言うことらしい。」
「かしこまりました。」
くすりと女教師が笑う。
すごくいい。やばい。
「お湯をご用意しておりますが、湯女はご利用になりますか?」
ゆな?
意味がわからず、また2人を振り返る。
「あたしは使う。」
「わたしも。浴場は久しぶり。洗ってほしい。」
洗う?
んん?
ああああ!わかった!
銭湯の三助か!
「かしこまりました。クロウ様はどうなさいますか?」
うん、無理。
だってちんちん見せれない。
「いや、残念だけど俺は酷い奇形があってね。とても人には見せられないんだ。やめておくよ。」
「あっ、失礼いたしました。」
気遣わしげに頭を下げる女教師。
ちょっと申し訳ない気がする。
「ですが、この宿は湯女の教育もしっかりと行っています。お客様のことを他言することもございません。私の対応に感心していただけたのなら、かならずご満足いただけると存じます。」
ええー、なんかすごいグイグイくる。
なんか断ったら駄目なのだったんだろうか。
「え、えっと、じゃあお願いします。」
その答えに女教師がにっこりと微笑む。
「はい。お任せください。」
彼女から紹介してもらった宿は驚くほど高級そうだった。
両開きの扉をくぐると広いロビー。
ロビーにいたメイド達…でいいのかな。
落ち着いた黒いロングスカートに白いエプロンとキャップを被った女が綺麗な姿勢で頭を下げてくる。
すごいな、教育が行き届いてる。
こんな小汚い格好してるのに嫌な顔ひとつしないんだもんな。
…うん。
やばいだろこれ一泊いくらするんだよ払えるのかこれ!
ああああ、風呂がある宿がいいとか言うんじゃなかった。
だって風呂があるなんて思わなかったんだよ!
あるって聞いたらはいりたくなるよ、俺は日本人だもの。
公衆浴場なんて行けないしさ、宿でこっそり入れたらいいなって思っただけなのになんでこんなとこ紹介すんの!?
今の手持ちで一泊くらいならいけるかな、いけるよね。
いまさら引っ込みもつかず、正面にある、上へと続く階段に挟まれた受付に紹介状を差し出す。
精一杯の虚勢をはりながら。
左に続く廊下の先は食堂だろうか。
いい匂いが漂ってくる。
「アグリッサ・メローの紹介で来た。確認してくれ。」
「失礼いたします。」
眼鏡をかけ、黒髪をショートボブにした怜悧な雰囲気の女が、慣れた手付きで紹介状の封を切る。
女教師って感じだ。
てか、眼鏡あるのか。この世界。
「クロウ様ですね。お待ちしておりました。」
女教師が柔らかく微笑み、頭を下げる。
うん、これは英語だな。英語教師だ。
ガーターベルトを愛用してるに違いない。
「どうかなさいましたか?」
不思議そうな女教師の声で現実に引き戻される。
「ああ、よく教育が行き届いてると思ってね。」
と、慣れている男感を出していく。
「ありがとうございます。メロー様からは7日の滞在と伺っておりますが、よろしいでしょうか?」
…は?
はあ!?
なにやってんだよメロー!!
7日?6泊!?バッカじゃねえの!?
払えるわけないだろ!
こんど会ったら腫れあがるまでおっぱい揉んでやるからな!
「日程までは考えてなかったんだが…。宿泊料は先に払えばいいのか?」
平静を装い質問を返す。
だって格好つけたいよ!
「はい。先にお支払いただいております。7日分は既にメロー様の使いの方より頂いておりますので、延長されるのでしたらお支払をお願い致します。」
うわああああ!ありがとうメロー!
こんど会ったら優しくおっぱい揉むから!
「いや、予定通りにしておくよ。」
「かしこまりました。本日はお食事は必要ないと伺っておりますが、こちらもよろしいでしょうか。」
食事か、ちょっと疲れすぎてて食欲ないな。
2人を振り返ると、どうやら同じのようだった。
「あたしはもう食えそうにねぇや。」
「わたしも無理。」
「と、言うことらしい。」
「かしこまりました。」
くすりと女教師が笑う。
すごくいい。やばい。
「お湯をご用意しておりますが、湯女はご利用になりますか?」
ゆな?
意味がわからず、また2人を振り返る。
「あたしは使う。」
「わたしも。浴場は久しぶり。洗ってほしい。」
洗う?
んん?
ああああ!わかった!
銭湯の三助か!
「かしこまりました。クロウ様はどうなさいますか?」
うん、無理。
だってちんちん見せれない。
「いや、残念だけど俺は酷い奇形があってね。とても人には見せられないんだ。やめておくよ。」
「あっ、失礼いたしました。」
気遣わしげに頭を下げる女教師。
ちょっと申し訳ない気がする。
「ですが、この宿は湯女の教育もしっかりと行っています。お客様のことを他言することもございません。私の対応に感心していただけたのなら、かならずご満足いただけると存じます。」
ええー、なんかすごいグイグイくる。
なんか断ったら駄目なのだったんだろうか。
「え、えっと、じゃあお願いします。」
その答えに女教師がにっこりと微笑む。
「はい。お任せください。」
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