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オラついてる娘かと思ったら単なるヘタレでした

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「とりあえず乾かすしかないよな。」
「ごめんなさい。」
とりあえず服を着て少し水を飲んだ俺とメルは、かわいそうなことになったジャケットの処遇を話していた。
ちなみに革の水筒に入っていた水は、とてもまずかった。
「俺としては、このまま着て乾かしてもいいんだけどな。」
「それは無理。だめ。乾かしても着てほしくないくらい。」
完全拒否だ。
「わかった。じゃあ、乾くまで我慢するよ。」
「ありがとう。」
そんなに嫌か。
濡れてるのは気持ち悪いだろうけど、メルのおしっこなら飲んでもいいくらいなんだが。
「よし、取り敢えずエルダをなんとかするか。ずっと起きないけど生きてるんだよな。」
立ち上がり、メルへ手を差し出す。
そんな俺をみて、口元を緩めながら手を取りメルも立ち上がる。
「大丈夫。姉さんはイクと寝るタイプだから。それに疲れてるんだと思う。」
「ああ、そうか。」
逃亡中だったな。お前ら。
しかも、俺から逃亡資金を奪うつもりだったよな。
「くろーさん、変なこと考えてる?」
「考えてない。ただ、メルに弓矢で狙われたのを思い出しただけだ。」
「考えてた。ごめんなさい。」
メルの言ったとおり、エルダは見事に熟睡していた。
横を向いてひざを抱えて。
なんと言うか…。
「手足縛られてるのに、ずいぶん綺麗な寝相だな。」
「姉さんは普段はがさつだけど、実はすごく乙女。ロープはもったいないからほどく。くろーさんも手伝って。」
「わかった。」
とは言ったものの、どうやってほどくんだ?
縛ってある腕を見ても、ぐるぐると巻きつけてあるようにしか見えない。
「くろーさん、そこ引っ張って。すぐほどける。」
言われるままに飛び出したロープを引っ張ってみると、簡単に結び目がほどける。
「おお、すごいなこれ!」
「こんなのは基本。仰向けにして。足もほどく。」
そっけなく返されるが、その表情はちょっと得意気だ。
エルダの上半身を抱き上げ仰向けにする。
「う…んん…。」
正面を切り裂いたシャツがはだけ、大きな胸がこぼれる。
当たり前のように手をのばすと、
「くろーさん。後で。」
怒られた。
エルダの股に入り、ロープをほどいて器用に巻き取っていくメルをよそに、寝顔を観察する。
睫毛ながいなぁ。
たしか「てめぇ」とか「しねぇ」とか言ってたけど、こうして眠ってると気品すら感じる。
目付きがキツイから女王様だろうか。
メス堕ち女王だな。
「ん…あ…。」
長い睫毛が震え、うっすらと目が開く。
起きたかな?
抱きかかえている俺と目が合うと、へらぁっと溶けるように笑う。
「くろぉ…。」
甘々の笑顔と甘々の声。
そのまま首筋にしがみついてくる。
うあああ、俺の脳を溶かす気か!
思わず抱きしめて頭を撫でてしまう。
「そう、姉さん。わたしの前で他の人に媚を売るの。」
ロープをまとめてくくる、メルの低い声。
「うぇ?あ…、えっ?ああっ!?」
俺の顔を見て。メルの顔を見て。慌てて飛び起きる。
おっぱいがぷるんぷるんしている。
素晴らしい。
「しかも自分をボコボコに殴って乱暴した相手に。そう。よくわかった。」
じとーっとした目でエルダを睨むメル。
それでも、ロープをまとめる作業の手は止めない。
器用だなぁ。
「やっぱりエルダは淫乱。まんこが気持ちよければ誰でもいい。」
「いやっ、違う!メル、あたしはお前しかっ!」
「そうか。じゃあ俺のものになるってのも違うのか?じゃあ、怖いことはしないってのも無しだな。」
こわばった顔で俺の方を向くエルダ。
じょじょに瞳に涙が溜まり。プルプルと震えだす。
「やだぁぁぁぁ…。」
可愛いな、こいつ。


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