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社内恋愛終了のお知らせ
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みんなが帰ったあと二人で入浴を済ませ、寝室のベッドに二人して倒れこんだ。
潤さんは私を腕枕して私の頭を優しく撫でる。
「なんか今日はいろいろあったな」
「ホント、今日は一日中驚きっぱなしだった気がする」
「長い一日だったなぁ……」
一日中いろんなことがありすぎて、朝のできごとが二日も三日も前のことのように感じるほど、目まぐるしく長い一日だった。
そして帰ってきてからは衝撃の連続で、入籍した喜びの余韻に浸る暇もなかったけれど、二人きりになってやっと、潤さんと夫婦になった喜びが込み上げてくる。
私の髪を撫でる潤さんの左手には、二人で選んだ結婚指輪が光っている。
私はその手の甲に右手を添えて、大きくてあたたかい潤さんの手のひらに頬をすり寄せた。
「ねぇ潤さん。まだ実感わかないけど、私今日から三島 志織になったんだよね」
「うん。俺たち、夫婦になったんだよなぁ……。これからずっと毎日志織と一緒にいられるって思うと、めちゃくちゃ嬉しい」
「私も嬉しい。潤さん大好き」
潤さんは嬉しそうに笑いながら私の頭を撫で、右の頬に口づけた。
「俺も大好き。これからよろしく、奥さん」
「こちらこそよろしくお願いします、旦那様」
お互いの呼び方に照れくさくなって、二人して笑いながら額をくっつける。
「なんか照れくさいな」
「そうだね」
「好きだって言ってからここまであっという間だったけどさ……これからゆっくり時間かけて、お互いのいいとこも悪いとこも知っていこう」
「うん」
私たちは笑いながら抱きしめ合って、触れるだけの短いキスを何度もくりかえした。
潤さんの唇が私の唇に触れるたびに、嬉しくて愛しくて、心も体ももっともっと触れ合いたくなる。
それは潤さんも同じのようで、触れるだけだった短いキスがだんだん長くなり、私の頬に触れていた手が頬から首へ、首から胸元へと少しずつ下へ下りてゆく。
潤さんは舌を絡めた深いキスをしながら私のパジャマのボタンを外し、大きな手で素肌に触れた。
「……今日も?」
「新婚初夜だしな。志織はいや?いやならやめるけど」
「全然いやじゃないけど……まだ怪我治ってないし、明日は通院日で朝も早いので、無理しない程度にお手柔らかにお願いします」
「善処します」
それから私たちは、お互いの体温を肌で感じながら、抱きしめ合って何度も何度もキスをした。
耳元で私の名前を呼んで「愛してる」と囁く潤さんの優しい声に、胸がキュッと甘い音をたてる。
潤さんの熱に溶かされてしまいそうなほど隅々まで愛され、身も心も潤さんでいっぱいに満たされて、心と体の奥の深いところから愛されていることを実感する。
夫婦になって初めての営みが終わると、まだ愛し合った余韻の残る体を横たえ、見つめ合って優しいキスを交わした。
「さっき『ゆっくり時間かけて』って言ってたけど……私、今まで知らなかった潤さんのこと知るたびに、すごい勢いでどんどん潤さんを好きになってる」
「俺も。これからもっと志織のこと好きになるし、志織を目一杯甘やかして、これでもかってほど愛して、俺以外の男は見えなくなるくらいにめちゃめちゃ惚れさせたい」
「今でもこんなに好きなのに?」
「もっともっと好きになってよ。俺も一生進行形で志織を愛し続けるから」
ほんの数か月前までは、潤さんとこんな風に愛し会う日が来るとは思いもしなかった。
会議室で護の浮気現場を目撃してしまったあの日から、年齢的になんとなく結婚を意識していた私の毎日は目まぐるしく動き始めた。
潤さんとの『婚約者作戦』が始まってからは、それまで知らなかった甘くて優しい素顔を知るほどに潤さんに惹かれ、息をつく暇もないほどの慌ただしさで恋に落ちた。
秘密にしていた護との社内恋愛で裏切られて傷付いたことが、潤さんとの社内恋愛が始まるきっかけになり、後押ししてくれた同僚たちが掛け替えのない大切な仲間になったのだから、社内恋愛も捨てたもんじゃないなと思う。
潤さんと気持ちが通じ合ったあともいろいろあったけれど、今となっては二人で幸せになるための少々手荒い神様の試練だったのかも知れないと思ったりする。
そして今日、私たちは短かった社内恋愛にピリオドを打ち、夫婦となって家庭内恋愛を始めた。
もうすぐそれぞれの道を行く優しく気まぐれな仲間たちとの関係は、きっとこの先もずっと続いていく。
そしてこれからは、何が起こるか先のわからない狂想曲のような日々を、それぞれの大切な人と共に。
潤さんは私を腕枕して私の頭を優しく撫でる。
「なんか今日はいろいろあったな」
「ホント、今日は一日中驚きっぱなしだった気がする」
「長い一日だったなぁ……」
一日中いろんなことがありすぎて、朝のできごとが二日も三日も前のことのように感じるほど、目まぐるしく長い一日だった。
そして帰ってきてからは衝撃の連続で、入籍した喜びの余韻に浸る暇もなかったけれど、二人きりになってやっと、潤さんと夫婦になった喜びが込み上げてくる。
私の髪を撫でる潤さんの左手には、二人で選んだ結婚指輪が光っている。
私はその手の甲に右手を添えて、大きくてあたたかい潤さんの手のひらに頬をすり寄せた。
「ねぇ潤さん。まだ実感わかないけど、私今日から三島 志織になったんだよね」
「うん。俺たち、夫婦になったんだよなぁ……。これからずっと毎日志織と一緒にいられるって思うと、めちゃくちゃ嬉しい」
「私も嬉しい。潤さん大好き」
潤さんは嬉しそうに笑いながら私の頭を撫で、右の頬に口づけた。
「俺も大好き。これからよろしく、奥さん」
「こちらこそよろしくお願いします、旦那様」
お互いの呼び方に照れくさくなって、二人して笑いながら額をくっつける。
「なんか照れくさいな」
「そうだね」
「好きだって言ってからここまであっという間だったけどさ……これからゆっくり時間かけて、お互いのいいとこも悪いとこも知っていこう」
「うん」
私たちは笑いながら抱きしめ合って、触れるだけの短いキスを何度もくりかえした。
潤さんの唇が私の唇に触れるたびに、嬉しくて愛しくて、心も体ももっともっと触れ合いたくなる。
それは潤さんも同じのようで、触れるだけだった短いキスがだんだん長くなり、私の頬に触れていた手が頬から首へ、首から胸元へと少しずつ下へ下りてゆく。
潤さんは舌を絡めた深いキスをしながら私のパジャマのボタンを外し、大きな手で素肌に触れた。
「……今日も?」
「新婚初夜だしな。志織はいや?いやならやめるけど」
「全然いやじゃないけど……まだ怪我治ってないし、明日は通院日で朝も早いので、無理しない程度にお手柔らかにお願いします」
「善処します」
それから私たちは、お互いの体温を肌で感じながら、抱きしめ合って何度も何度もキスをした。
耳元で私の名前を呼んで「愛してる」と囁く潤さんの優しい声に、胸がキュッと甘い音をたてる。
潤さんの熱に溶かされてしまいそうなほど隅々まで愛され、身も心も潤さんでいっぱいに満たされて、心と体の奥の深いところから愛されていることを実感する。
夫婦になって初めての営みが終わると、まだ愛し合った余韻の残る体を横たえ、見つめ合って優しいキスを交わした。
「さっき『ゆっくり時間かけて』って言ってたけど……私、今まで知らなかった潤さんのこと知るたびに、すごい勢いでどんどん潤さんを好きになってる」
「俺も。これからもっと志織のこと好きになるし、志織を目一杯甘やかして、これでもかってほど愛して、俺以外の男は見えなくなるくらいにめちゃめちゃ惚れさせたい」
「今でもこんなに好きなのに?」
「もっともっと好きになってよ。俺も一生進行形で志織を愛し続けるから」
ほんの数か月前までは、潤さんとこんな風に愛し会う日が来るとは思いもしなかった。
会議室で護の浮気現場を目撃してしまったあの日から、年齢的になんとなく結婚を意識していた私の毎日は目まぐるしく動き始めた。
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秘密にしていた護との社内恋愛で裏切られて傷付いたことが、潤さんとの社内恋愛が始まるきっかけになり、後押ししてくれた同僚たちが掛け替えのない大切な仲間になったのだから、社内恋愛も捨てたもんじゃないなと思う。
潤さんと気持ちが通じ合ったあともいろいろあったけれど、今となっては二人で幸せになるための少々手荒い神様の試練だったのかも知れないと思ったりする。
そして今日、私たちは短かった社内恋愛にピリオドを打ち、夫婦となって家庭内恋愛を始めた。
もうすぐそれぞれの道を行く優しく気まぐれな仲間たちとの関係は、きっとこの先もずっと続いていく。
そしてこれからは、何が起こるか先のわからない狂想曲のような日々を、それぞれの大切な人と共に。
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