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聞き込み調査
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「うっ……?!」
ビールを飲んでいた三島課長は私の言葉に驚き、激しくむせてしまった。
隣に座っていた瀧内くんが黙って三島課長の背中をさする。
通りかかった店員を呼び止め、新しいおしぼりをもらって差し出すと、三島課長はそれを受け取り口元を拭った。
「三島課長、大丈夫ですか?」
「いきなりなんてこと聞くんだよ」
「ごめんなさい、実は……」
自分の都合に合わせて急遽必死で考えた嘘の言い訳を絞り出す。
「私の友達が婚約中の彼氏に浮気されたらしくて、彼と今後どうするべきなのか悩んでるって相談されたんですけど、結婚を約束した相手がいるのにどうして浮気なんかするのか、その友人の彼氏の気持ちがわからなくて。私たちもまだ独身なので、これから結婚を考えるにあたって他人事ではないというか」
いつもより明らかに饒舌になっているのが自分でもわかる。
自分のことを友達に置き換えて話すなんてベタすぎて、話す相手が勘のいい人なら、きっとすぐにこの話は嘘だとバレてしまうだろう。
「男の人って長く付き合ってる彼女とか婚約者がいても、平気で浮気できるものなんですか?」
「俺は浮気したことも浮気したいと思ったこともないけど……」
三島課長が助けを求めるように瀧内くんの方をチラッと見ると、瀧内くんは相変わらず興味なさげな顔で小さなため息をついた。
「僕はまだ結婚を考えたことはないので婚約者がいる人の気持ちはわかりません。ちなみに浮気したことはないし、絶対しません」
「あー……そうなんだね」
当然と言えば当然だけれど、結婚するならやっぱり浮気しない人がいいに決まってる。
なんとなく想像していた通り、二人とも付き合っている女性に対しては誠実なようだ。
しかしこれではなんの参考にもならない。
「だったら……友達とか身近な人の話でもいいです」
「うーん……俺のまわりの既婚者は夫婦円満なヤツばっかりだしなぁ……。結婚を考えてるようなヤツっていえば……あ、そうだ」
誰のことを思い出したのか、うつむき加減で考えていた三島課長が顔を上げた。
「橋口がよくのろけてるな」
「えっ?!」
まさかの護本人の話が三島課長の口から飛び出し、私はうろたえてあやうく大声を上げそうになるのをグッとこらえた。
「あいつ、早く結婚したいとか言ってたぞ。彼女は優しくてよく気が利くし、料理がうまくてしっかり者だからいい奥さんになりそうだってさ」
若い子と浮気してるのに、私のことを上司にのろけて早く結婚したいって、なんだそれ?
言っていることとやっていることがあまりにも違いすぎて、余計にわけがわからない。
「確かにそう言うてるのよく聞きますけど……橋口くんの理想の奥さんは彼女ってことですかね?」
ビールを飲みながら怪訝な顔をして聞いていた葉月が尋ねた。
「そうかもな。橋口にとって彼女は幸せな結婚生活が思い描ける相手なんじゃないか」
三島課長の話を踏まえた上で、護が私に理想の奥さん像を求めているとして。
私には求められないもの……それは主に肉体的な快楽を奥田さんに求めているって、そういうこと?
「奥さんと彼女では求めるものが違うんでしょうか?」
「ん?どういう意味だ?」
「例えば……奥さんにするのは堅実で家庭的な人がいいけど、彼女にするなら若くて可愛くて……体の相性がいい人がいいとか」
私の言葉に相当驚いたらしく、三島課長がまたビールを吹き出しそうになった。
おしぼりで慌てて口元を拭いながら私の方を見る。
ビールを飲んでいた三島課長は私の言葉に驚き、激しくむせてしまった。
隣に座っていた瀧内くんが黙って三島課長の背中をさする。
通りかかった店員を呼び止め、新しいおしぼりをもらって差し出すと、三島課長はそれを受け取り口元を拭った。
「三島課長、大丈夫ですか?」
「いきなりなんてこと聞くんだよ」
「ごめんなさい、実は……」
自分の都合に合わせて急遽必死で考えた嘘の言い訳を絞り出す。
「私の友達が婚約中の彼氏に浮気されたらしくて、彼と今後どうするべきなのか悩んでるって相談されたんですけど、結婚を約束した相手がいるのにどうして浮気なんかするのか、その友人の彼氏の気持ちがわからなくて。私たちもまだ独身なので、これから結婚を考えるにあたって他人事ではないというか」
いつもより明らかに饒舌になっているのが自分でもわかる。
自分のことを友達に置き換えて話すなんてベタすぎて、話す相手が勘のいい人なら、きっとすぐにこの話は嘘だとバレてしまうだろう。
「男の人って長く付き合ってる彼女とか婚約者がいても、平気で浮気できるものなんですか?」
「俺は浮気したことも浮気したいと思ったこともないけど……」
三島課長が助けを求めるように瀧内くんの方をチラッと見ると、瀧内くんは相変わらず興味なさげな顔で小さなため息をついた。
「僕はまだ結婚を考えたことはないので婚約者がいる人の気持ちはわかりません。ちなみに浮気したことはないし、絶対しません」
「あー……そうなんだね」
当然と言えば当然だけれど、結婚するならやっぱり浮気しない人がいいに決まってる。
なんとなく想像していた通り、二人とも付き合っている女性に対しては誠実なようだ。
しかしこれではなんの参考にもならない。
「だったら……友達とか身近な人の話でもいいです」
「うーん……俺のまわりの既婚者は夫婦円満なヤツばっかりだしなぁ……。結婚を考えてるようなヤツっていえば……あ、そうだ」
誰のことを思い出したのか、うつむき加減で考えていた三島課長が顔を上げた。
「橋口がよくのろけてるな」
「えっ?!」
まさかの護本人の話が三島課長の口から飛び出し、私はうろたえてあやうく大声を上げそうになるのをグッとこらえた。
「あいつ、早く結婚したいとか言ってたぞ。彼女は優しくてよく気が利くし、料理がうまくてしっかり者だからいい奥さんになりそうだってさ」
若い子と浮気してるのに、私のことを上司にのろけて早く結婚したいって、なんだそれ?
言っていることとやっていることがあまりにも違いすぎて、余計にわけがわからない。
「確かにそう言うてるのよく聞きますけど……橋口くんの理想の奥さんは彼女ってことですかね?」
ビールを飲みながら怪訝な顔をして聞いていた葉月が尋ねた。
「そうかもな。橋口にとって彼女は幸せな結婚生活が思い描ける相手なんじゃないか」
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「奥さんと彼女では求めるものが違うんでしょうか?」
「ん?どういう意味だ?」
「例えば……奥さんにするのは堅実で家庭的な人がいいけど、彼女にするなら若くて可愛くて……体の相性がいい人がいいとか」
私の言葉に相当驚いたらしく、三島課長がまたビールを吹き出しそうになった。
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