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略奪で得た幸せは格別に甘い蜜の味?
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それから少しして、ケーキの美味しい店に行こうと志穂が言い出し、その店に移動してケーキセットをオーダーした。
志穂は最近、この店のニューヨークチーズケーキが大のお気に入りなんだそうだ。
志穂がそこまで言うならと、私も同じものを頼んだ。
濃厚なチーズの風味が口いっぱいに広がる。
甘くて美味しいものを食べると、ほんの少し幸せな気分になれるから不思議だ。
夢中になってケーキを食べた後、コーヒーを飲みながら、気になっていた事を志穂に聞いてみた。
「最近、紗耶香と連絡取れてる?」
「たまにね。そう言えば少し前にも電話で話したな」
私がいくら電話やメールをしても無反応だったのに、志穂とは連絡を取っているってどういうこと?
紗耶香が私からの連絡を無視し続ける理由がまったくわからない。
「それにしても結婚して子供ができたってのには驚いたね」
「えっ、ホント?!」
寝耳に水とはこの事を言うのだろう。
そんな大事な事も教えてくれないなんて、紗耶香が意図的に私を避けているとしか思えない。
「あれ?朱里は聞いてなかったの?」
「なんにも聞いてないよ……。って言うか、最近ずっと電話しても繋がらないし、メールしても返信ないし、全然連絡取れなかった。もしかして志穂は、紗耶香から恋人がいるとか聞いてたの?」
「うん、朱里が会社辞めて少ししてからかなぁ。たまに紗耶香の恋愛相談に乗ったりしてたんだ」
なんとも言いがたい疎外感だ。
志穂には話せても私には話したくなかったのか。
確かに私は一番先に会社を辞めて離れたけれど、そこまでのけ者にしなくてもいいのに。
私はヘコみながらコーヒーをすする。
「ここだけの話、紗耶香ってね……大人しそうに見えて、結構怖いよ」
志穂は小声でそう言った。
結婚して子供ができることなんて珍しくもないのに、一体それのどこが怖いのか。
「怖いって……どういう事?」
「略奪だよ。友達の彼氏奪ったんだってさ」
「略奪……?紗耶香が?」
「彼氏は友達とも紗耶香とも……まぁ、二股ってやつ?紗耶香、彼氏の子を妊娠しても彼氏にはすぐに言わないで、中絶できない時期になってから言ったらしいよ」
おっとりしていて、いつも穏やかに笑っていた紗耶香にそんな恐ろしい一面があったとは思いもしなかった。
人間って見掛けじゃわからないもんだな。
紗耶香に恋人を奪われた友達があまりにも気の毒過ぎる。
似たような話ってあるもんだと、その友達に変な親近感を覚えた。
「なんか……紗耶香のイメージ変わったよ……」
「だよね。さすがの私もドン引きした。女の執念って言うか……。その友達が彼氏と付き合う前から、紗耶香は彼のことがずっと好きだったらしいから」
「ふーん……」
志穂は最近、この店のニューヨークチーズケーキが大のお気に入りなんだそうだ。
志穂がそこまで言うならと、私も同じものを頼んだ。
濃厚なチーズの風味が口いっぱいに広がる。
甘くて美味しいものを食べると、ほんの少し幸せな気分になれるから不思議だ。
夢中になってケーキを食べた後、コーヒーを飲みながら、気になっていた事を志穂に聞いてみた。
「最近、紗耶香と連絡取れてる?」
「たまにね。そう言えば少し前にも電話で話したな」
私がいくら電話やメールをしても無反応だったのに、志穂とは連絡を取っているってどういうこと?
紗耶香が私からの連絡を無視し続ける理由がまったくわからない。
「それにしても結婚して子供ができたってのには驚いたね」
「えっ、ホント?!」
寝耳に水とはこの事を言うのだろう。
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「なんにも聞いてないよ……。って言うか、最近ずっと電話しても繋がらないし、メールしても返信ないし、全然連絡取れなかった。もしかして志穂は、紗耶香から恋人がいるとか聞いてたの?」
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私はヘコみながらコーヒーをすする。
「ここだけの話、紗耶香ってね……大人しそうに見えて、結構怖いよ」
志穂は小声でそう言った。
結婚して子供ができることなんて珍しくもないのに、一体それのどこが怖いのか。
「怖いって……どういう事?」
「略奪だよ。友達の彼氏奪ったんだってさ」
「略奪……?紗耶香が?」
「彼氏は友達とも紗耶香とも……まぁ、二股ってやつ?紗耶香、彼氏の子を妊娠しても彼氏にはすぐに言わないで、中絶できない時期になってから言ったらしいよ」
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人間って見掛けじゃわからないもんだな。
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似たような話ってあるもんだと、その友達に変な親近感を覚えた。
「なんか……紗耶香のイメージ変わったよ……」
「だよね。さすがの私もドン引きした。女の執念って言うか……。その友達が彼氏と付き合う前から、紗耶香は彼のことがずっと好きだったらしいから」
「ふーん……」
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