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捨てる男在れば拾う神と悪魔のような男在り
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カフェを出たあと、生活に必要な最低限の物だけを買って順平のマンションに戻った。
とてもじゃないけど布団を買う余裕はなかった。
順平にお願いして、しばらくの間貸してもらうしかなさそうだ。
カフェを出る前に派遣会社に電話してみたけれど、私の条件に合う職種の仕事は、今は紹介してあげられる会社がないと言われた。
とりあえず営業の人が仕事を見つけてきて紹介してくれるまで待つしかない。
だけどぼんやり待っているわけにもいかない。
なんでもいいから仕事を探さなくちゃ。
時給の高い仕事を求めて、シャンプーなどを買ったドラッグストアで見つけて持ち帰った無料のアルバイト情報誌のページをめくる。
できれば交通費のかからない近場がいい。
そんな条件を満たした求人は、深夜の飲食店や閉店後の大型スーパーの清掃、早朝のスーパーの品出しなど、時間帯が昼間ではない上に結構な肉体労働ばかりだ。
昼間の事務職ばかりしてきた私が体力的にもつだろうかとも思うけど、働かなければお金は入って来ないのだから、少々きつくてもやるしかない。
どこから電話していこうかとページをめくった時、いつものカフェの名前を見つけた。
カフェだけでなくバーのアルバイトも募集している。
後光が差して見える!!
私は慌ててスマホを手に取り、早速電話を掛けた。
その晩私は、マスターのバーのキッチンに立っていた。
アルバイトの応募の電話をした時はまだカフェの営業時間だったけど、応対したのが運良くマスターだった。
派遣の仕事は当分紹介してもらえなさそうだと事情を説明して、アルバイトさせて下さいと懇願すると、マスターは『最初から朱里ちゃんに頼もうと思ってたんだ』と言って快く雇ってくれた。
早速今夜から出勤することになり、指定された時間にバーに足を運んだ。
仕事の内容や調理器具と食器類の場所、メニューの説明などをしてもらい、マスターに言われた通り実際に料理を作ってみる。
こういう店で働くのは初めてだけど、ずっと家事をしていたから料理も洗い物もまったく苦にはならない。
マスターの弟だというカフェの店長に、私の作ったオムライスを賄いで出した。
店のオーナーでもあるマスターが店長に、私をカフェでも雇うと言ってくれたおかげで、どうにか昼の仕事も確保する事ができた。
カフェのキッチンの人手が足りないそうで、私はキッチンで調理を担当する事になった。
おまけに昼も夜も賄いが付くと言うのだからありがたい。
その賄いは私が作る事になるのだけど、そんなのはお安い御用だ。
料理には少し自信がある。
あっという間に、しかもこんなに条件の良い仕事が決まるなんて、なんだか信じられない。
捨てる神在れば拾う神在りって、この事だ。
とは言え私を捨てたのは神なんかではなく、浮気した挙げ句彼女を孕ませた壮介だったけど。
とてもじゃないけど布団を買う余裕はなかった。
順平にお願いして、しばらくの間貸してもらうしかなさそうだ。
カフェを出る前に派遣会社に電話してみたけれど、私の条件に合う職種の仕事は、今は紹介してあげられる会社がないと言われた。
とりあえず営業の人が仕事を見つけてきて紹介してくれるまで待つしかない。
だけどぼんやり待っているわけにもいかない。
なんでもいいから仕事を探さなくちゃ。
時給の高い仕事を求めて、シャンプーなどを買ったドラッグストアで見つけて持ち帰った無料のアルバイト情報誌のページをめくる。
できれば交通費のかからない近場がいい。
そんな条件を満たした求人は、深夜の飲食店や閉店後の大型スーパーの清掃、早朝のスーパーの品出しなど、時間帯が昼間ではない上に結構な肉体労働ばかりだ。
昼間の事務職ばかりしてきた私が体力的にもつだろうかとも思うけど、働かなければお金は入って来ないのだから、少々きつくてもやるしかない。
どこから電話していこうかとページをめくった時、いつものカフェの名前を見つけた。
カフェだけでなくバーのアルバイトも募集している。
後光が差して見える!!
私は慌ててスマホを手に取り、早速電話を掛けた。
その晩私は、マスターのバーのキッチンに立っていた。
アルバイトの応募の電話をした時はまだカフェの営業時間だったけど、応対したのが運良くマスターだった。
派遣の仕事は当分紹介してもらえなさそうだと事情を説明して、アルバイトさせて下さいと懇願すると、マスターは『最初から朱里ちゃんに頼もうと思ってたんだ』と言って快く雇ってくれた。
早速今夜から出勤することになり、指定された時間にバーに足を運んだ。
仕事の内容や調理器具と食器類の場所、メニューの説明などをしてもらい、マスターに言われた通り実際に料理を作ってみる。
こういう店で働くのは初めてだけど、ずっと家事をしていたから料理も洗い物もまったく苦にはならない。
マスターの弟だというカフェの店長に、私の作ったオムライスを賄いで出した。
店のオーナーでもあるマスターが店長に、私をカフェでも雇うと言ってくれたおかげで、どうにか昼の仕事も確保する事ができた。
カフェのキッチンの人手が足りないそうで、私はキッチンで調理を担当する事になった。
おまけに昼も夜も賄いが付くと言うのだからありがたい。
その賄いは私が作る事になるのだけど、そんなのはお安い御用だ。
料理には少し自信がある。
あっという間に、しかもこんなに条件の良い仕事が決まるなんて、なんだか信じられない。
捨てる神在れば拾う神在りって、この事だ。
とは言え私を捨てたのは神なんかではなく、浮気した挙げ句彼女を孕ませた壮介だったけど。
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