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これ以上、心を揺さぶられないように
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それから3人で、薫の手料理を思いっきり堪能して、楽しくお酒を飲んだ。
誕生日の記念に写真を撮ろうと梨花が言い出し、3人一緒に撮った後、二人ずつの写真も撮る事にした。
梨花のスマホで写真を撮り、薫と志信にその画像を送ると、志信は薫とのツーショットをしげしげと眺めた。
(二人で写真撮るのなんて初めてだ……。今日はいろいろラッキーな日だなぁ)
しばらくすると、薫と志信のどちらがゲームが強いかと言う話になり、ムキになった二人が格闘ゲームで対決をする事になった。
「負けたら罰ゲームですよね」
梨花が楽しそうに言うと、薫と志信は目を見合わせる。
「どうする?」
「そうだなぁ……」
「じゃあ、私が決めてもいいですか?」
「なんで?」
「誕生日だから、今日の主役は梨花だって」
「あぁ……なるほどね。じゃあ長野さんが女王様って事で」
「お姫様がいいんだけど……まぁいっか。笠松さんのお姫様は梨花じゃないですからねぇ」
「長野さん!!」
志信が梨花に向かって、余計な事は言うなと人指し指を口元に当てると、梨花は笑いを堪えながら肩をすくめた。
「ハイハイ、照れ屋さんですねぇ。じゃあ、どうしようかな。卯月さんが勝ったら……卯月さん何か欲しい物ないですか?」
「ないよ。強いて言えばタバコが欲しい」
「タバコですかぁ……。笠松さんは?」
「オレも同じかなぁ」
「もうっ!!全然面白くないです!!やっぱり私が考えますから!!」
「えぇっ……」
面白い罰ゲームとはなんなのか?
一体何をさせられるのかと、薫と志信は不安そうに顔を見合わせた。
「じゃあ……卯月さんが勝ったら、1週間笠松さんが晩御飯を奢ってあげて下さい」
「よし、わかった」
「笠松さんが勝ったら、卯月さんはあのワンピースを着て笠松さんとデートして下さい」
「えっ?!ちょっと待ってよ……」
途端に薫はうろたえる。
「卯月さんが勝てばいいんですよ。頑張って下さい」
「そうだね……。絶対負けない!!」
二つの罰ゲームは、どちらが負けても自分にはダメージがないどころか、むしろご褒美じゃないかと志信は気付く。
(どっちにしてもオレは美味しいって事?さすが長野さん……)
梨花の考えた罰ゲームとは名ばかりの景品(?)を掛けてゲームはスタートした。
白熱してバトルを繰り広げる二人を、梨花はほろ酔い加減で笑って見ていた。
そして、ゲームが終わった時。
勝者の薫が、安堵の表情を浮かべてガッツポーズをした。
「やった……!!勝った……!!」
「あーあ……負けちゃったよ。卯月さんがあのワンピース着て恥ずかしそうにしてるの、見たかったのに……」
志信の呟きに、薫が横目でジットリと志信を見た。
「笠松くんってホントやらしい……」
「……まぁ、否定はしないけど……」
「えっ?!」
「オレも男ですからね。卯月さんの色っぽい姿見たら、ドキドキしますよ」
志信の発言に、薫は真っ赤になってうつむいた。
(何……?冗談?それともホントにそんな事考えてるの?!)
「笠松さん、残念でしたねぇ」
「ホントにね。でもまぁ、約束は守りますよ。1週間晩御飯を奢るんだよね」
「良かったですね、卯月さん」
「うん……」
(これってつまり……1週間毎日、笠松くんと一緒に晩御飯を食べるって事……?)
薫は志信と二人きりで過ごす時間が長くなることを、少し不安に思った。
しばらく経った頃、梨花のスマホが鳴った。
電話に出た梨花は、電話の相手と話した後、いそいそと帰り支度を始めた。
「今日約束してた友達が、手が空いたから今から会おうって。迎えに来てくれる事になったんで、これから帰りますね」
「えっ?」
梨花がいなくなったら二人きりになってしまう。
心の準備もできていないのに、どうすればいいだろう?
戸惑う二人のそんな気持ちに、梨花は気付いていないようだ。
「笠松さん、卯月さん、ごちそうさまでした!!今日はすっごく楽しかったです」
「あ、うん……。どういたしまして」
「片付け手伝えなくてごめんなさい。笠松さん、卯月さんの手伝いしてあげて下さいね」
「いや、私は大丈夫だよ」
志信と二人きりになるのを避けるために、やんわりと手伝いを断って帰ってもらうつもりだったのに、梨花は大きく首を横に振る。
「ダメですよ。こんなにたくさん、卯月さんだけじゃ大変です。笠松さん、おうちは近いんですよね?」
「近いけど……」
「終電の時間の心配もないし大丈夫ですね」
(終電なくなるほど遅くまで二人っきりにさせて、どうするつもりだ?!)
誕生日の記念に写真を撮ろうと梨花が言い出し、3人一緒に撮った後、二人ずつの写真も撮る事にした。
梨花のスマホで写真を撮り、薫と志信にその画像を送ると、志信は薫とのツーショットをしげしげと眺めた。
(二人で写真撮るのなんて初めてだ……。今日はいろいろラッキーな日だなぁ)
しばらくすると、薫と志信のどちらがゲームが強いかと言う話になり、ムキになった二人が格闘ゲームで対決をする事になった。
「負けたら罰ゲームですよね」
梨花が楽しそうに言うと、薫と志信は目を見合わせる。
「どうする?」
「そうだなぁ……」
「じゃあ、私が決めてもいいですか?」
「なんで?」
「誕生日だから、今日の主役は梨花だって」
「あぁ……なるほどね。じゃあ長野さんが女王様って事で」
「お姫様がいいんだけど……まぁいっか。笠松さんのお姫様は梨花じゃないですからねぇ」
「長野さん!!」
志信が梨花に向かって、余計な事は言うなと人指し指を口元に当てると、梨花は笑いを堪えながら肩をすくめた。
「ハイハイ、照れ屋さんですねぇ。じゃあ、どうしようかな。卯月さんが勝ったら……卯月さん何か欲しい物ないですか?」
「ないよ。強いて言えばタバコが欲しい」
「タバコですかぁ……。笠松さんは?」
「オレも同じかなぁ」
「もうっ!!全然面白くないです!!やっぱり私が考えますから!!」
「えぇっ……」
面白い罰ゲームとはなんなのか?
一体何をさせられるのかと、薫と志信は不安そうに顔を見合わせた。
「じゃあ……卯月さんが勝ったら、1週間笠松さんが晩御飯を奢ってあげて下さい」
「よし、わかった」
「笠松さんが勝ったら、卯月さんはあのワンピースを着て笠松さんとデートして下さい」
「えっ?!ちょっと待ってよ……」
途端に薫はうろたえる。
「卯月さんが勝てばいいんですよ。頑張って下さい」
「そうだね……。絶対負けない!!」
二つの罰ゲームは、どちらが負けても自分にはダメージがないどころか、むしろご褒美じゃないかと志信は気付く。
(どっちにしてもオレは美味しいって事?さすが長野さん……)
梨花の考えた罰ゲームとは名ばかりの景品(?)を掛けてゲームはスタートした。
白熱してバトルを繰り広げる二人を、梨花はほろ酔い加減で笑って見ていた。
そして、ゲームが終わった時。
勝者の薫が、安堵の表情を浮かべてガッツポーズをした。
「やった……!!勝った……!!」
「あーあ……負けちゃったよ。卯月さんがあのワンピース着て恥ずかしそうにしてるの、見たかったのに……」
志信の呟きに、薫が横目でジットリと志信を見た。
「笠松くんってホントやらしい……」
「……まぁ、否定はしないけど……」
「えっ?!」
「オレも男ですからね。卯月さんの色っぽい姿見たら、ドキドキしますよ」
志信の発言に、薫は真っ赤になってうつむいた。
(何……?冗談?それともホントにそんな事考えてるの?!)
「笠松さん、残念でしたねぇ」
「ホントにね。でもまぁ、約束は守りますよ。1週間晩御飯を奢るんだよね」
「良かったですね、卯月さん」
「うん……」
(これってつまり……1週間毎日、笠松くんと一緒に晩御飯を食べるって事……?)
薫は志信と二人きりで過ごす時間が長くなることを、少し不安に思った。
しばらく経った頃、梨花のスマホが鳴った。
電話に出た梨花は、電話の相手と話した後、いそいそと帰り支度を始めた。
「今日約束してた友達が、手が空いたから今から会おうって。迎えに来てくれる事になったんで、これから帰りますね」
「えっ?」
梨花がいなくなったら二人きりになってしまう。
心の準備もできていないのに、どうすればいいだろう?
戸惑う二人のそんな気持ちに、梨花は気付いていないようだ。
「笠松さん、卯月さん、ごちそうさまでした!!今日はすっごく楽しかったです」
「あ、うん……。どういたしまして」
「片付け手伝えなくてごめんなさい。笠松さん、卯月さんの手伝いしてあげて下さいね」
「いや、私は大丈夫だよ」
志信と二人きりになるのを避けるために、やんわりと手伝いを断って帰ってもらうつもりだったのに、梨花は大きく首を横に振る。
「ダメですよ。こんなにたくさん、卯月さんだけじゃ大変です。笠松さん、おうちは近いんですよね?」
「近いけど……」
「終電の時間の心配もないし大丈夫ですね」
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