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「愛美のご両親はどんな人?」
『政弘さん』が尋ねると、愛美は両親の事を話し始めた。
穏やかで物腰の柔らかい父親は高校の社会科教師。
特に日本史が好きで、小さい頃はよく歴史博物館やお城に連れて行ってくれたのだが、幼かった愛美には父親の言っている事はよくわからなかったそうだ。
明るくサバサバした性格の母親は、中学校の国語教師。
とにかく大雑把で、『終わり良ければすべて善し』の性格で、プロセスがどうであれ、なんでも帳尻が合えばいいといつも言うらしい。
ちなみに二人姉弟で、この春社会人になる弟がいる。
弟は小学生の頃からずっとバレーボールをしていて、この春入社する会社の実業団に入る事が決まっているという。
弟の話の後、『政弘さん』は、愛美もスポーツをしていた事があるかと尋ねた。
愛美も小学生の頃はバレーボールをしていたけれど、身長があまり伸びず、同じポジションの背の高いチームメイトにはポジション争いで勝てなかったので、あきらめて中学では陸上部に入部して、短距離走の選手としてそれなりの成績も残した。
高校では運動部には入らず家庭科部に入り、週に二度ほど家庭科室に集まって、料理や手芸をしていた。
「こんな話、面白いですか?」
高校時代の部活の話をした後、愛美は『政弘さん』に尋ねた。
「面白いって言うか……俺と出会う前の愛美の事を知るのは楽しいし、嬉しいよ」
「じゃあ、今日はこれくらいにしておきます。また今度、政弘さんの話も聞かせて下さいね」
愛美は少し眠そうな目をして、『政弘さん』の胸に頬をすり寄せた。
「今日はたくさん歩きましたね」
『政弘さん』は愛美を優しく抱きしめて髪を撫でる。
「そうだね。疲れた?……もう寝ようか」
愛美が『政弘さん』の腕の中で顔を上げた。
「……ベッドの中で、たくさんしてくれるんじゃなかったんですか?」
「ん?何を?」
「……キスの続き」
愛美は少し恥ずかしそうに呟いた。
愛美からこんな事を言うのは珍しい。
『政弘さん』は、ちょっと意地悪をしてみようかと、わざとらしく焦らしてみる。
「愛美が疲れてなければ」
「……じゃあ、寝ます」
愛美にあっさりとそう言われ、そんなはずじゃなかったのにと『政弘さん』はうろたえる。
「えっ、キスの続きは?」
「政弘さんが疲れてなければ」
同じ言葉をそっくりそのまま返されて、『政弘さん』は心の中で白旗をあげた。
(やっぱり愛美には敵わない……)
「全然疲れてません。キスの続き、したいです」
愛美は少し笑って、『政弘さん』の唇に軽くキスをした。
「いっぱい、するんですよね」
「……もちろん」
見つめ合って、微笑んで、優しく唇を重ねた。
愛美のいつになく甘いキスに、『政弘さん』は身体中が熱くなるのを感じた。
「愛美、今日は甘い、ね」
「甘いの、嫌いですか?」
いつもはちょっと辛口な愛美が、少し甘えた声で尋ねた。
愛美も甘えたい時はちゃんと甘えてくれるのだとわかり、『政弘さん』は嬉しくなる。
「ううん、めちゃくちゃ好き。愛美は?」
「政弘さんに限り、大好きです」
「じゃあ、もっと甘くしよ」
抱きしめて、優しく唇を重ねて、柔らかく舌を絡めた。
何度も何度も、飽きることなくキスをした。
頬を撫でる指先や、髪を撫でる大きな手。
時おり小さくもらす吐息混じりの甘い声。
お互いの肌の温もりや体の重みさえ愛しい。
「キスの続き……もっとする?」
愛美は耳元で囁く甘い声にうなずいて、その華奢な腕で『政弘さん』を抱きしめた。
「もちろん」
『政弘さん』が尋ねると、愛美は両親の事を話し始めた。
穏やかで物腰の柔らかい父親は高校の社会科教師。
特に日本史が好きで、小さい頃はよく歴史博物館やお城に連れて行ってくれたのだが、幼かった愛美には父親の言っている事はよくわからなかったそうだ。
明るくサバサバした性格の母親は、中学校の国語教師。
とにかく大雑把で、『終わり良ければすべて善し』の性格で、プロセスがどうであれ、なんでも帳尻が合えばいいといつも言うらしい。
ちなみに二人姉弟で、この春社会人になる弟がいる。
弟は小学生の頃からずっとバレーボールをしていて、この春入社する会社の実業団に入る事が決まっているという。
弟の話の後、『政弘さん』は、愛美もスポーツをしていた事があるかと尋ねた。
愛美も小学生の頃はバレーボールをしていたけれど、身長があまり伸びず、同じポジションの背の高いチームメイトにはポジション争いで勝てなかったので、あきらめて中学では陸上部に入部して、短距離走の選手としてそれなりの成績も残した。
高校では運動部には入らず家庭科部に入り、週に二度ほど家庭科室に集まって、料理や手芸をしていた。
「こんな話、面白いですか?」
高校時代の部活の話をした後、愛美は『政弘さん』に尋ねた。
「面白いって言うか……俺と出会う前の愛美の事を知るのは楽しいし、嬉しいよ」
「じゃあ、今日はこれくらいにしておきます。また今度、政弘さんの話も聞かせて下さいね」
愛美は少し眠そうな目をして、『政弘さん』の胸に頬をすり寄せた。
「今日はたくさん歩きましたね」
『政弘さん』は愛美を優しく抱きしめて髪を撫でる。
「そうだね。疲れた?……もう寝ようか」
愛美が『政弘さん』の腕の中で顔を上げた。
「……ベッドの中で、たくさんしてくれるんじゃなかったんですか?」
「ん?何を?」
「……キスの続き」
愛美は少し恥ずかしそうに呟いた。
愛美からこんな事を言うのは珍しい。
『政弘さん』は、ちょっと意地悪をしてみようかと、わざとらしく焦らしてみる。
「愛美が疲れてなければ」
「……じゃあ、寝ます」
愛美にあっさりとそう言われ、そんなはずじゃなかったのにと『政弘さん』はうろたえる。
「えっ、キスの続きは?」
「政弘さんが疲れてなければ」
同じ言葉をそっくりそのまま返されて、『政弘さん』は心の中で白旗をあげた。
(やっぱり愛美には敵わない……)
「全然疲れてません。キスの続き、したいです」
愛美は少し笑って、『政弘さん』の唇に軽くキスをした。
「いっぱい、するんですよね」
「……もちろん」
見つめ合って、微笑んで、優しく唇を重ねた。
愛美のいつになく甘いキスに、『政弘さん』は身体中が熱くなるのを感じた。
「愛美、今日は甘い、ね」
「甘いの、嫌いですか?」
いつもはちょっと辛口な愛美が、少し甘えた声で尋ねた。
愛美も甘えたい時はちゃんと甘えてくれるのだとわかり、『政弘さん』は嬉しくなる。
「ううん、めちゃくちゃ好き。愛美は?」
「政弘さんに限り、大好きです」
「じゃあ、もっと甘くしよ」
抱きしめて、優しく唇を重ねて、柔らかく舌を絡めた。
何度も何度も、飽きることなくキスをした。
頬を撫でる指先や、髪を撫でる大きな手。
時おり小さくもらす吐息混じりの甘い声。
お互いの肌の温もりや体の重みさえ愛しい。
「キスの続き……もっとする?」
愛美は耳元で囁く甘い声にうなずいて、その華奢な腕で『政弘さん』を抱きしめた。
「もちろん」
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