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雨降る日
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「お嬢様、雨が降ってまいりましたね」
「えぇ、そうですわね。こんな雨の中帰らなくては行けないなんて憂鬱ですわ」
今日もいつもと同じ学校に行き帰ってくる毎日。
つまらない、何もない日常。
いつか私の人生にも刺激的な何かが降ってこないかしら。
ふと、車の中からミラーを覗くと雨が降るなか傘もささずにコンビニの端に蹲ってる女の子がいた。
(こんな雨の中なんで女の子が1人で?)
疑問はあるものの雨の中蹲ってる女の子を放っておけるほど冷たい人間ではない。
「出屋、止まりなさい」
「はい、お嬢様」
車の中にある傘を引っ張り出して、靴が濡れるのも構わずに少女の元へと向かう。
近づいていくと少女は少女ではなく、私と同じぐらいの歳に見える少し大人びている女の人だった。16~18ぐらいかしらね
「ちょっと貴方、大丈夫?」
傘を彼女の後頭部あたりに持ち上げて雨から濡れないようにする。
雨が当たらない事、そして私の声に気づいた彼女は俯きながらもこちらを見つめあげる。
(綺麗な子ね)
素直に綺麗だなと感じさせる容姿をしていた。
髪は金色のショートカットをしていて、普段関わりを持っては行けないとされてる人種。
でも放っておけるはずない。
「放っておいて、大丈夫だから」
声は意外にも低くハスキーボイスに近い、またしても聞きなれない声をしている。
全てが私達とかけ離れている彼女に興味を持ち始める。
「貴方のこと気になりますの。こんな雨の中だと寒いでしょう、風邪ひきますわよ」
「大丈夫だって、もう慣れたし。それに帰る家ないし」
「え?家ないですの?」
家は一部を除いてみんなが普通にあるものだと思っていたけど、まさかその一部の人が目の前の女の子だとは思わなかった。
「うん、日雇いのバイトクビにされて泊まってたホテルのお金もないし。もう体売って稼ぐしかなさそう」
「ダメですわよ!!そんな貴方みたいな綺麗な女の子が」
「ふぅん?私って綺麗なんだ...ならお姉さんが買ってくれる?お姉さんになら初めてでも大丈夫そうだし」
ニヤリと嬉しそうに彼女は白く綺麗な歯をのぞかせるが、先程から私が生きていた世界てば聞くことがない単語だらけで頭がパンクしていた。
でも、新しい事を学ぶのは楽しく彼女の会話も心が踊る。でも買うとか言ってる意味はわからないけれど。
「貴方を買いますの?初めてってどういう意味ですの。私にもわかるように説明してくださいな」
「は?まじで言ってるの??ぁーじゃあいいわ。住む世界違うだろうし惨めになりそうだから私は私に出来ることで」
彼女は立ち上がり、タバコを吸ってるサラリーマンへと寄ろうとしていた。
彼女が言っていた売るという意味を正しく理解していく。
彼女は私に助けを求めたのではないの?私になら自分を売ってもいいと思ってくれたのかもしれない。
なら私に出来ることは一つしかない。
「待ってくださいな。貴方を買いますわ」
「本気?嘘とか冗談とかなしだからね」
「ええ、女に二言はないですわよ!」
「そう...ならよかった」
安心したように微笑む姿は年相応の笑みに見えた。
こんなにも綺麗に笑う彼女に安心できる場所を提供したい、この笑顔が失われずに住むように手伝いたいと思うこの胸の高鳴りは一目惚れに近いのかもしれない。
どうしても目が離せなかった、彼女の事をもっと知りたいと思った。
「まずは私の家に案内いたしますわ、車にお入りなさい」
「ありがと」
私は名も知らない彼女を連れて車に戻る。
これから名前や好きな食べ物を知っていくだろうと予感する。
彼女との付き合いは長く楽しい日々になるだろうと。
私の今までの日々がガラッと変わる音がした。
ここから彼女と私の生活が始まる。
「えぇ、そうですわね。こんな雨の中帰らなくては行けないなんて憂鬱ですわ」
今日もいつもと同じ学校に行き帰ってくる毎日。
つまらない、何もない日常。
いつか私の人生にも刺激的な何かが降ってこないかしら。
ふと、車の中からミラーを覗くと雨が降るなか傘もささずにコンビニの端に蹲ってる女の子がいた。
(こんな雨の中なんで女の子が1人で?)
疑問はあるものの雨の中蹲ってる女の子を放っておけるほど冷たい人間ではない。
「出屋、止まりなさい」
「はい、お嬢様」
車の中にある傘を引っ張り出して、靴が濡れるのも構わずに少女の元へと向かう。
近づいていくと少女は少女ではなく、私と同じぐらいの歳に見える少し大人びている女の人だった。16~18ぐらいかしらね
「ちょっと貴方、大丈夫?」
傘を彼女の後頭部あたりに持ち上げて雨から濡れないようにする。
雨が当たらない事、そして私の声に気づいた彼女は俯きながらもこちらを見つめあげる。
(綺麗な子ね)
素直に綺麗だなと感じさせる容姿をしていた。
髪は金色のショートカットをしていて、普段関わりを持っては行けないとされてる人種。
でも放っておけるはずない。
「放っておいて、大丈夫だから」
声は意外にも低くハスキーボイスに近い、またしても聞きなれない声をしている。
全てが私達とかけ離れている彼女に興味を持ち始める。
「貴方のこと気になりますの。こんな雨の中だと寒いでしょう、風邪ひきますわよ」
「大丈夫だって、もう慣れたし。それに帰る家ないし」
「え?家ないですの?」
家は一部を除いてみんなが普通にあるものだと思っていたけど、まさかその一部の人が目の前の女の子だとは思わなかった。
「うん、日雇いのバイトクビにされて泊まってたホテルのお金もないし。もう体売って稼ぐしかなさそう」
「ダメですわよ!!そんな貴方みたいな綺麗な女の子が」
「ふぅん?私って綺麗なんだ...ならお姉さんが買ってくれる?お姉さんになら初めてでも大丈夫そうだし」
ニヤリと嬉しそうに彼女は白く綺麗な歯をのぞかせるが、先程から私が生きていた世界てば聞くことがない単語だらけで頭がパンクしていた。
でも、新しい事を学ぶのは楽しく彼女の会話も心が踊る。でも買うとか言ってる意味はわからないけれど。
「貴方を買いますの?初めてってどういう意味ですの。私にもわかるように説明してくださいな」
「は?まじで言ってるの??ぁーじゃあいいわ。住む世界違うだろうし惨めになりそうだから私は私に出来ることで」
彼女は立ち上がり、タバコを吸ってるサラリーマンへと寄ろうとしていた。
彼女が言っていた売るという意味を正しく理解していく。
彼女は私に助けを求めたのではないの?私になら自分を売ってもいいと思ってくれたのかもしれない。
なら私に出来ることは一つしかない。
「待ってくださいな。貴方を買いますわ」
「本気?嘘とか冗談とかなしだからね」
「ええ、女に二言はないですわよ!」
「そう...ならよかった」
安心したように微笑む姿は年相応の笑みに見えた。
こんなにも綺麗に笑う彼女に安心できる場所を提供したい、この笑顔が失われずに住むように手伝いたいと思うこの胸の高鳴りは一目惚れに近いのかもしれない。
どうしても目が離せなかった、彼女の事をもっと知りたいと思った。
「まずは私の家に案内いたしますわ、車にお入りなさい」
「ありがと」
私は名も知らない彼女を連れて車に戻る。
これから名前や好きな食べ物を知っていくだろうと予感する。
彼女との付き合いは長く楽しい日々になるだろうと。
私の今までの日々がガラッと変わる音がした。
ここから彼女と私の生活が始まる。
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