何でもします! ~死神少女万事屋物語~

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第一章 初依頼、初仕事 一話六千文字

初仕事 2

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人類種クライネンだったら即死モンだな、この南京錠。道理で門番がいらねぇ訳だ」

 今し方の惨状を目の当たりにして、アレクは納得の表情を以て頷いた。
 先ほどの小突きによって発動した結界が反発性に準じた魔法で構成されていた場合、あの微力で指が溶けるという有様である。巨大な体躯を誇らんとする大男が突進などというものを行なってみよう。反発した結界は大気ごと大男を天に召し、目撃者にこの男が愚者であることを知らしめるだろう。
 不幸中の幸い。接触を図った者が最上位種であっただけ、結果は惨事に至ることはなかった。自業自得――と言うのはやや論点のずれた話であろう。それをさておいて、アレクは彼女の身が無事であることに安堵せずにはいられまい。
 言葉使いこそは絵に描いたかの如くに荒々しい男だが、割とこう見えて心優しき男である。
 子は親に似る――という言葉がある。世間体では母親と表現することは誤謬ではあるが、それはアレクとソフィの関係に近いものがあったのも偽りではない。
 ソフィは寛容で親切である。その証拠として途方に暮れていた紫紺髪の少年を保護してくれたし、再会した紫紺髪の青年に付き添う少女にも誠心誠意のおもてなしをしてくれた。
 アレクは微かだが、ソフィに感化されていたようであった。

「つーか心臓に悪いからやめろよ。確かにお前は最上位種だけどよ、それでも心配すんだわ」

「ご心配ありがとうございます。私も予想以上に強力な魔法が発動したので、少しだけ驚いてしまいました。――それにしてもこの屋敷の持ち主さん、いったい何者なのでしょうかね? これほどまでの結界を編める種族なんて、そうそういるはずがないのですが……」

「そういやお前、上位種か最上位種かもしれないって言ってたな?」

 リアは静かに頷いて、肯定の意を示唆する。

「飽くまでも私の憶測に過ぎないのですが、恐らくは森精種エルフ吸血種ヴァンピール……可能性は低いですが悪魔種デーモンも付け加えます」

「本当にナニモンなんだよあの変態屑野郎は」

 愛しき娘を攫われた家族も抵抗ができない訳である。人類種クライネン如きが歯向かえるような敵ではない。多額の税金搾取も、こうして力をひけらかして行なっているに相違あるまいだろう。
 
「……もしかしたら、私達は厄介な者を敵に回してしまうかもしれませんね」

「ならその敵をぶっ潰す。ぶっ潰すだけでも生温いぐらいのことをしでかしてんだ。……絶対に救い出してやらぁ」

 草木も眠る丑三つ時――月光を浴びる自然は、寝ているかの如くに誠に静かである。
 空虚な世界に、ただ一人取り残されたかのような錯覚すら覚えうる。そのような世界で屋敷に囚われた少女たちは、怯える子犬のように震慄していることだろう。

「……絶対に救い出しましょう。さて、まずは南京錠を破壊して――――」

「んな面倒なことは放って、跳び越えりゃいい話じゃねぇか」

 リアの発言を受け流したアレクは軽快な蹴り出しで跳躍し、四メートル近くある鉄門の高さを優に超えた。
 人の話をよく聞くべきとはまさにこのことである。

「ウボァ!?」

 肉体は囲いを越えることなく、見えざる壁らしき何かに衝突する。
 かわずの如くに張り付いた身体は徐々に落下を始めてゆき、粘着が尽きたのか僅かな感覚を以て地上へ叩き付けられる。
 凄まじい既視感デジャヴだった。風景に関しては昼夜が逆転しているが、上空を見上げているという点に於いては異がない。

「――――どうやら、結界を張られているのは南京錠だけではないようですね。力がこれに集中しすぎた所為で、全く気が付きませんでした」

「……ぐふぅ」

「ほら、手を貸すので起きてください。南京錠を破壊しますよ」

 仰向けで土に埋まったアレクに、華奢で色白な手が緩慢に伸ばされる。アレクはその手を掴んだ。
 実に小柄な体躯だというのに、それに見合わぬ剛力ぶりである。
 アレクの身長は180センチ近く、リアの身長は140センチ近く。
 両者共に筋肉質な身体付きではないが、それでも親子ほどの体格差がある。にも関わらずだ。

「……よいしょ」

 アレクは気怠げに起き上がって、自分が落下した場所を傍と見る。
 身震いをしたくなるほどに悲惨な状態だった。
 ある一点を中心に亀裂が放射状に広がっている。見るに堪えない痛々しさである。此処を通る者がおれば、骸は何処へ? と探す者が現れるだろう。直視はしたくない、無視する。

「……お見苦しい一面をお見せしてしまった。どうぞ、南京錠を破壊してください」

 身体能力が秀でた特殊体質であるアレクには、この南京錠を破壊できる見込みが一切ない。結界を纏ったあれに拳をお見舞いしようものなら、残滓すら残すことなく存在を抹消される未来が待っているであろう。
 ここは、紛うことなき死神の独壇場。微精霊接続神経に多大なる力を秘める、紛うことなき彼女の独壇場。
 相違あれども、塵芥の出番はない。

「……ハァ」

 今し方の出来事で失望したのであろうか。落胆の意を表明するかの如くにリアは肩を落とし、溜息を吐いてみせた。
 彼女は再び南京錠を見つめる。
 死神にあれほどの傷を負わせたというのに、相変わらず気色の悪い結界に覆われている。こつんと小突けば、また痛い目をみるであろう。はたまた痛い目どころか、自覚せぬうちに逝くのであろうか。

「防御術式で奥の手を使うとは、全く予想だにしない展開ですね。正直に言って、このままでは破壊不可能と判断しました」

「いや、考え方を改めて柵部分だけを壊せば……」

「敵は用意周到です。視認不可能な結界が張られている時点で、柵部分も抜かりなく防護術式が編まれているでしょう。でしたら、柵部分を小突いてみます?」

 完全に修復した右手をひけらかし、リアは己の顔面に微笑を刻んで言う。その微笑みは宛ら死神の如く――否、死神であった。

「……やめておけ」

 蝉のように短い寿命をこれ以上縮ませたくない――というのがアレクの本音である。再びあの光景を目視しようものなら、失禁とまではいかずとも猫のようにうずくまってしまう自信ならある。

「じゃあ、やめておきます」

 「やれ」と命令を下せば、彼女はきっと言葉のとおりに従って実行したであろう。ちろりと妖艶に舌を出すあどけなくなくなくない面持ちが、それを物語っていた。
 誤った意味での確信犯である。言葉遣いは荒くあれど、アレクならここまで残酷なことを強いるはずがあるまい――と顔に書いているかの如き表情。己の性格が手に取られているようで癇に障るが、事実このような残酷なことを強いる勇気は持ち合わせていない。

「それでどうすりゃいいんだよ、これ」

「南京錠の破壊に関しては私に任せてください。アレクが下手に手を出すと、ポックリ死に兼ねませんからね」

「ポックリってきょうび聞かねぇな」

 ポックリで逝くなら幾分マシである。下手をすれば、泥の如くドロドロに溶けて死ぬのだし。

「まぁ、見ていてください」

 そう言うや否や、彼女は南京錠から数歩ばかりの距離をとる。すると紫紺の双眸を妖しく発光させ始め、心做しか「邪魔だ、どけ」と表情で囁かれた気がしたので、アレクも南京錠から距離をとる。
 リアは右てのひらを前へ向けた。

「――――――!」

 漆黒色を帯びた霧が、悍まし気に周囲を取り巻いていることにアレクは気付く。
 強大な闇に塗り潰されてゆく弱小な闇。微かな震慄を以て応える周囲の微精霊。
 全てを強引に動かそうと試みる傲岸不遜たる微精霊接続神経は、誤謬あらず彼女の肉体を巡っているものであった。
 黒霧が、磁石に吸い寄せられる砂鉄のように集合体を成してゆく。それは死神少女の右てのひらへと収束してゆき、滑らかに凶器を形成してゆく。
 華奢たる少女の色白な手が掴む細い柄、それは誠な長さを誇っていた。
 長い長い柄の先に生えたるは、美しく弧を描く漆黒の刃。それは真夜中であるというのに、不可思議な黒光りを放っていた。
 ――ありとあらゆるモノを截断せし死神の鎌。
 大戦時の記録でしか語られることのなかった得物だが、目の当たりにするのは人生初である。

「これが全てを截断する最強にして最恐の武器、存在せしモノを死へといざなう最凶の鎌です!」

 最強にして最恐で最凶たる死神の鎌は、妖艶な刃と細い柄から暗澹たる霧を放出させていた。
 死神本人には効力がはたらかないのであろうか。大気中に撒き散らされる黒霧は、無垢なる金属の如くに艶やかな少女の肌を焦がすことなく、鬱蒼と生い茂る草を死へといざなっている。その光景を目の当たりにしたアレクは、彼女が改めて死神であるのだと痛感させられた。悍ましい黒霧を吸い込んだ肉体は疼痛を孕んだ。

「せぃや!」

 愛らしいながらも気合の籠った掛け声を以て、リアは刹那にして南京錠を截断。見事なまでに真っ二つとなった南京錠は、萎れた草の絨毯上に落下する。
 衝撃波が発生したのであろうか。アレクにはよくわからぬ。
 柄を握らぬ左てのひらを強引に開錠した門へ向けたリアは、紫紺の双眸を煌々と光らせて見開かせた。直後、空気が門を開いたかのように、独りでにガシャンと音を立てて門は全開。アレクは、この音で目覚めることがないよう――と心中で祈った。

「恐ろしや死神……そりゃあ歯向かえる奴も極少数に決まってるわな」

「これが死神の力です! 褒めてもいいんですよ?」

「依頼が終わってからいくらでも褒めてやる! 先を急ぐぞ!」

「え、あ、ちょ」

 人の話はよく聞くべきである。

「しびびびびびびびびぃ!」

 屋敷へ侵入するべくせかせかと庭園に足を踏み込んだアレクの身体は、膨大な電力によって蹂躙された。足元に魔法陣なるものが出現していることに気づくはずもなく、電気魚すら生温い痺れに肉体が悲鳴をあげる。
 肺が焦げて灰になってしまうのではあるまいか――と明瞭になった意識の中で傍と思う。生命の灯火が儚く消え去る――と悟るのはまだ早いが。

「えいっ」

 煌びやかな光を乱射する魔法陣は、死神の鎌で息を吸うように截ち切られ消失した。
 電撃に拘束されていた肉体が、筋肉が霧散したかの如くに大地へへたり込んだ。全身の麻痺が拭えない。未だに痺れが拭えない。

「どうしましょう……私の予言がこうも早く当たってしまうとは、自分でも予想だにしない展開です。この先が思いやられますよ……」

 整った顔立ちに困惑の色を彩り、リアはすべらかな肌を撫でて言った。
 死神の鎌を手にした当初の威風堂々たる面影はない。ビクビクと痙攣する無様なアレクを傍観するのは、小汚い茶色いローブを身に包むただの少女である。気づけば、悪心おしんを誘う靄を放っていた鎌は消失していた。

「あがっ……ぐふっ……ろ、ろれるがまわりゃねぇ……」

 呂律が回らない。今し方の罠で舌が麻痺したらしい。

「……ハァ」

 失望したのであろうか。凄まじい既視感デジャヴである。似たような光景を数分前に見た気がするのである。

「あまり得意ではありませんが、治癒魔法を使いますか……」

「ぉぁ!?」

 そう発言するや否や、四つん這いになっているアレクを小柄な体躯で抱きつくリア。死人の如く冷えた身体がピタリと密着し、アレクの心臓部分にてのひらが当てられる。
 その光景は、宛ら馬の背で俯せになる人間の図のようであった。アレクとリアの身長が相対的である分、なおさらそれに近い。

「――――!」

 全身を駆け巡る痺れが、溶けてゆく氷塊のように霧散してゆくのを実感した。
 己の胸を確認する。リアに当てられた胸部に、小さな魔法陣が張られていた。それは、煌々とした深緑色の光を放っている。アレクの脳内では治癒術式は黄緑色に近いと記憶しているが、死神が編むと色がやや濁るのであろうか――と彼は麻痺が拭われる傍らにそう思う。
 
「……ふぅ」

 胸部に当てられていた華奢な手が離れ、リアの腕がだらりと宙にぶら下がる。慣れぬ魔法に手を出して疲労が溜まったのであろうが、進展がないので早く退いてほしいというのがアレクの本音である。
 
「とりあえずは助かった……どいてくれ」

「少女の身体を堪能したいのであれば、もう少しこのままでも構いませんよ?」

「本末転倒だ。俺はこんなことをしに来たんじゃない。つーかお前、俺が拳を当てたときとまるで態度が違うじゃねぇか」

「急に触れるからですよ。死神というのは時に不便な体質で、弱い衝撃にたいしては非常に敏感なんです。拳を当てられたときは身体が痙攣したんですけど、気づきませんでしたか?」

 死神種リアパ―本人からの重要な情報提供である。曰く――死神は弱い衝撃に対しては敏感な体質らしい。

「気づく暇なんざねぇよ。いーからさっさと降りろ」

「……はーい」

 流石にこれ以上はまずいと判断したリアは、気怠げにアレクの背から降りた。
 治癒魔法のおかげで麻痺が切れた。アレクは身体を緩慢に起こす。

「目を凝らしてようやく見える程度だが、この電撃術式……入口で一列に幾つか設置されているな。俺が引っ掛かった分は中央に張られていた奴だ。逃げるときは中央を通らねぇと、術式で足止めをくらっちまうな」

「破壊なら簡単にできますが、あまり目立つようなことはしないほうがよろしいかと」

「それもそうだな。先を急ごう」

 先ほどは醜態を晒してしまったが、ここからが本番であると真剣味を帯びた表情で、アレクは屋敷を見つめる。
 広大な庭園の先に聳え立つは、悪徳富豪の住まう巨大建造物。そこに少女たちはとらえられている。
 アレクが願うのは、少女の救出と……悪辣なる人間をぶん殴ること。
 紫紺の双眸を妖しく光らせる青年は、フードをより一層深く被り、屋敷を見透かすようにして睥睨する。

「アーベル……その腐った人間性、叩き直してやらぁ」


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作者
「カロリーメイトが大好きな作者です。遅筆が激しいのが悩みどころです。多少は雑になっても、速さを優先すべきかなぁと思ったりします。手抜きする人間が何を言うか、と言われてしまいそうですが」
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