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第2章
婚約。
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さて、現在私は宮城にいる。
何故なら、召喚命令が出されたからだ。
私は現在6歳。義弟と幼馴染ができてから早いもので、約半年が経っているのである。
さて、なぜ召喚命令が出されたかというと6歳になったからである。つまり、貴族の子供として正式に国王が認知しますよ、ということが知らされるのだ。つまり、6歳までは貴族籍が与えられておらず、実は平民と変わらないわけだ。実際には、そんなことを無視して貴族としての教育は行われるのだが。
こんな事が行われる理由は、昔は子供が6歳まで生きている確率が少なかったからである。そのため、6歳まで生きていたことの祝福としてこんな行事が毎年行われるわけだ。
そして、乙女ゲームであるこの世界。私の年だけ、そうそうたるメンバーなのである。
まずその1
皇太子殿殿下。
その2
五帝公と呼ばれる公爵家の家のうちの1家を除く公爵家からそれぞれ1人。つまり合計4人。
その3
侯爵家、辺境伯家から5人。
やばいですね。もう10人です。これはこれは、馬鹿らしいほどの皇太子殿下の婚約者争いが激しくなると思いきやそうでもない。なぜなら既に決定しているからだ。
私に。
まあ知っていたとはいえ、微妙な心境ではある。ここはポジティブに、将来安泰だと喜んでおこう。
でも、この認定式が婚約発表会にもなるとは思っていなかった。つらい。
ここで私の顔はほとんどの貴族に覚えられ、社交界で私をこの座から引き落とそうとする輩にいじめられるのだろう。たまったもんじゃない。
そのためにも、これから努力をしなければいけない。
認定式が終わり、子女は宮城の中庭に集められた。これから地獄のお茶会だ。
「さあ、シルティーナ。行っておいで。」
母に背を押され、一歩前へと踏み出る。私の体がステージに近づくたび、視線を集めているのがわかる。
クソったれ。針の筵とはこのことだ。何も悪いことはしていないのに、すぐさま逃げたしたくなる。
「ふふ、あなたがシルティーナね。歓迎するわ、未来の私の娘。」
「光栄の極みでありますわ、皇妃殿下。」
あーーーーー。ふざけるな。たぶん周囲の人間には、慈愛に満ちたほほえみにみえる王妃の顔は、私には悪魔としか思えない。眼だけは器用に冷たいのである。十中八九間違いなく、値踏みされているだろう。帝国にとって利のある存在かどうか。
少々決められた人生というのは面白くないが、精々頑張ってみるとしよう。
何故なら、召喚命令が出されたからだ。
私は現在6歳。義弟と幼馴染ができてから早いもので、約半年が経っているのである。
さて、なぜ召喚命令が出されたかというと6歳になったからである。つまり、貴族の子供として正式に国王が認知しますよ、ということが知らされるのだ。つまり、6歳までは貴族籍が与えられておらず、実は平民と変わらないわけだ。実際には、そんなことを無視して貴族としての教育は行われるのだが。
こんな事が行われる理由は、昔は子供が6歳まで生きている確率が少なかったからである。そのため、6歳まで生きていたことの祝福としてこんな行事が毎年行われるわけだ。
そして、乙女ゲームであるこの世界。私の年だけ、そうそうたるメンバーなのである。
まずその1
皇太子殿殿下。
その2
五帝公と呼ばれる公爵家の家のうちの1家を除く公爵家からそれぞれ1人。つまり合計4人。
その3
侯爵家、辺境伯家から5人。
やばいですね。もう10人です。これはこれは、馬鹿らしいほどの皇太子殿下の婚約者争いが激しくなると思いきやそうでもない。なぜなら既に決定しているからだ。
私に。
まあ知っていたとはいえ、微妙な心境ではある。ここはポジティブに、将来安泰だと喜んでおこう。
でも、この認定式が婚約発表会にもなるとは思っていなかった。つらい。
ここで私の顔はほとんどの貴族に覚えられ、社交界で私をこの座から引き落とそうとする輩にいじめられるのだろう。たまったもんじゃない。
そのためにも、これから努力をしなければいけない。
認定式が終わり、子女は宮城の中庭に集められた。これから地獄のお茶会だ。
「さあ、シルティーナ。行っておいで。」
母に背を押され、一歩前へと踏み出る。私の体がステージに近づくたび、視線を集めているのがわかる。
クソったれ。針の筵とはこのことだ。何も悪いことはしていないのに、すぐさま逃げたしたくなる。
「ふふ、あなたがシルティーナね。歓迎するわ、未来の私の娘。」
「光栄の極みでありますわ、皇妃殿下。」
あーーーーー。ふざけるな。たぶん周囲の人間には、慈愛に満ちたほほえみにみえる王妃の顔は、私には悪魔としか思えない。眼だけは器用に冷たいのである。十中八九間違いなく、値踏みされているだろう。帝国にとって利のある存在かどうか。
少々決められた人生というのは面白くないが、精々頑張ってみるとしよう。
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恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。
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