2 / 25
ご来店
しおりを挟む
開店からまもなくして
「おはようございます」
あいさつとともに男性が来店する。
彼はエルフと言われている種族。なぜか日本語がペラペラなので会話には困らないしメニューも読める。彼らが元々読めるのかそれとも読み書きや会話はすべてが自動で翻訳されているのか不明。ただとても助かっている。
彼はいつものようにカウンターに座るとメニューを見ずにコーヒーを注文する。注文票をキッチンに居るジェフさんに渡す。
コーヒーができる前に彼を猫たちの居るエリアへ案内する。先ほどまで日なたでゴロゴロしていた猫たちが一斉に集まる。まるで主人を見つけた子犬のような反応を見せる猫たちを見て彼は優しく微笑む。
「オーナーさん。今日もみんな元気そうですね」
「はい。ティリさんを待っていたようです。コーヒーを置いておきますね」
「ありがとう」
彼が来店するようになってもう一ヵ月になる。猫たちもすっかり彼に懐いている。少しだけ遊んだり猫とお話をしてから仕事に行く。
彼の職業は密猟者を取り締まる警備兵。大変なお仕事をされていると思う。そのため頻繁に通ってくださり猫たちに会いに来てくれている気がする。
「また明日来るよ」
彼は猫たちに別れを告げると早々にお店を出ていった。
「ありがとうございました。お気をつけていってらっしゃいませ」
彼は振り返り大きく手を振って見回りの仕事へと向かった。
次に来店したのはドワーフと呼ばれる種族の方。
彼は工房で働いており、夜勤の帰りに寄ってくれる。
いつもの通りモーニングセットとエールを注文して猫エリアには入らずカフェエリアから猫たちを見ながら時間を過ごす。
猫エリアに入りたいが猫アレルギーがあるみたいなのでここで我慢して眺めることにしている。
「いつもありがとうよ」
「こちらこそいつもありがとうございます。ヤリさんのくしゃみが治まるようにいろいろと調べておきますね」
「おう。助かる。頼むぜ紬ちゃん」
そう言い残しヤリさんはグイッとエールを飲み干すと自宅へと帰っていく。やはりヤリさんとも普通に会話ができる。不思議です。
常連のお客様。新規のお客様。混雑せず程よい感じに席が埋まる。猫たちものんびりできている。お客様の楽しみ方もさまざま。猫じゃらしなどのおもちゃで目一杯遊ぶ方、一緒にゴロゴロと寝る方、おしゃべりする方、なにもせず眺めているだけの方。自由に猫との触れ合いを楽しんでくれている。のんびりその様子を眺めている。幸せなひととき。
★登場人物
保護猫カフェオーナー:紬(つむぎ)。出身は日本。
ジェフ:保護猫カフェのシェフ
ティリ:エルフ。警備兵。
ヤリ:ドワーフ。職人。猫アレルギー。
「おはようございます」
あいさつとともに男性が来店する。
彼はエルフと言われている種族。なぜか日本語がペラペラなので会話には困らないしメニューも読める。彼らが元々読めるのかそれとも読み書きや会話はすべてが自動で翻訳されているのか不明。ただとても助かっている。
彼はいつものようにカウンターに座るとメニューを見ずにコーヒーを注文する。注文票をキッチンに居るジェフさんに渡す。
コーヒーができる前に彼を猫たちの居るエリアへ案内する。先ほどまで日なたでゴロゴロしていた猫たちが一斉に集まる。まるで主人を見つけた子犬のような反応を見せる猫たちを見て彼は優しく微笑む。
「オーナーさん。今日もみんな元気そうですね」
「はい。ティリさんを待っていたようです。コーヒーを置いておきますね」
「ありがとう」
彼が来店するようになってもう一ヵ月になる。猫たちもすっかり彼に懐いている。少しだけ遊んだり猫とお話をしてから仕事に行く。
彼の職業は密猟者を取り締まる警備兵。大変なお仕事をされていると思う。そのため頻繁に通ってくださり猫たちに会いに来てくれている気がする。
「また明日来るよ」
彼は猫たちに別れを告げると早々にお店を出ていった。
「ありがとうございました。お気をつけていってらっしゃいませ」
彼は振り返り大きく手を振って見回りの仕事へと向かった。
次に来店したのはドワーフと呼ばれる種族の方。
彼は工房で働いており、夜勤の帰りに寄ってくれる。
いつもの通りモーニングセットとエールを注文して猫エリアには入らずカフェエリアから猫たちを見ながら時間を過ごす。
猫エリアに入りたいが猫アレルギーがあるみたいなのでここで我慢して眺めることにしている。
「いつもありがとうよ」
「こちらこそいつもありがとうございます。ヤリさんのくしゃみが治まるようにいろいろと調べておきますね」
「おう。助かる。頼むぜ紬ちゃん」
そう言い残しヤリさんはグイッとエールを飲み干すと自宅へと帰っていく。やはりヤリさんとも普通に会話ができる。不思議です。
常連のお客様。新規のお客様。混雑せず程よい感じに席が埋まる。猫たちものんびりできている。お客様の楽しみ方もさまざま。猫じゃらしなどのおもちゃで目一杯遊ぶ方、一緒にゴロゴロと寝る方、おしゃべりする方、なにもせず眺めているだけの方。自由に猫との触れ合いを楽しんでくれている。のんびりその様子を眺めている。幸せなひととき。
★登場人物
保護猫カフェオーナー:紬(つむぎ)。出身は日本。
ジェフ:保護猫カフェのシェフ
ティリ:エルフ。警備兵。
ヤリ:ドワーフ。職人。猫アレルギー。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
やっと買ったマイホームの半分だけ異世界に転移してしまった
ぽてゆき
ファンタジー
涼坂直樹は可愛い妻と2人の子供のため、頑張って働いた結果ついにマイホームを手に入れた。
しかし、まさかその半分が異世界に転移してしまうとは……。
リビングの窓を開けて外に飛び出せば、そこはもう魔法やダンジョンが存在するファンタジーな異世界。
現代のごくありふれた4人(+猫1匹)家族と、異世界の住人との交流を描いたハートフルアドベンチャー物語!
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる