私の平穏のために

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王城。

オルフにエスコートしてもらいながら会場に入室する。

私達が現れると皆様が集まってきましたわ。

「モンクローネ様、オルフ様ごきげんよう。」

「ハイリア辺境伯、お久しぶりに会えて嬉しいわ。今度、辺境伯の領地に伺ってもいいかしら?」

「勿論でございます。お2人が訪れることを楽しみにしております。」

「積もるお話はまた後でいたしましょう。アルフレッド王子とエレーナ様にお祝いのお言葉を述べて参りますので。」

「はい、後ほどお会いしましょう。」


『国境を守るハイリア辺境伯が頭を垂れるなんて…あの方々はいったい誰なのですか?』

『ご存知ないのも仕方ないでしょう。あの方達は気が向いた時にしか参加されませんから。モンクローネ様は男爵家の生まれですがなんとあのクロネア商会を生み出した方ですよ。』

『今では王国で最大手でありながら、国外でも名を馳せているあのクロネア商会の…!』

『モンクローネ様は現在クロネア商会の会頭からは退いていますが、影響力は今や王国一の貴族と言わておりますよ。』

『では隣の方がモンクローネ様の旦那様なのですか?』

『いえいえ、彼は…貴族ではなく平民でありながらモンクローネ様の目に留まり今やクロネア商会の会頭をしてらっしゃる方ですよ。』

『まあ、平民が…?どんな手を使って取り入ったのでしょうかね。』

『ご忠告をしときますが彼を平民だからと言って傲慢な態度をとるのはおやめした方がいいですよ。私は彼と話をしたことがあるのですが…油断すれば足元を掬われかねません。』

滅多に現れないからかしら?皆様から注目されていて良い気分ではありませんわ。

___さっさと終わらせてしまいましょう。

中央に進むと煌びやかに着飾った皆様がこれは仲睦まじく談笑なさっていますわ。

ですけれど気にせずご挨拶に伺いましょう。

「あなた方は…クロネア商会のモンクローネ嬢とオルフじゃないか。よく来てくれた!」

私は力を得たとしても所詮肩書きは男爵令嬢で、オルフは平民と言うことは変わりようのない事実。

「この度はエレーナ様とのご婚約おめでとうございます、アルフレッド王子。心から祝福させていただきますわ。」

「クロネア商会から祝ってもらうなんて嬉しいことだ!なあ、エレーナ。」

「ええ、アルフレッド様、私達がこの国を治めるためにも、クロネア商会には期待しておりますわ。」

あら、可愛らしいのに話すとダメね。この子は。

いつの間に貴方達が次期国王と王妃になれると考えているのかしら。やはり、ダメね。

「これはこれはモンクローネ殿お久しぶりですな。」

「ごきげんよう。タピル公爵。」

あらタピル公爵のニヤついた笑顔はいつ見ても良いものではありませんわね。


「アルフレッド様、タピル公爵様、この場にいる皆様にお聞きしていただきたいことがあるのですけどよろしいでしょうか?」

「ああ!構わないよ!」

「まあ、よろしいですよ。」

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