侵食

ひでまる

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第10話

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第10話


「じゃあ俺が良いってこと??」

のっぺが上機嫌に背中をポンと叩いてきた。
ビクッと一瞬固まったがそれ以上何もしてこなかった。現場で良かった。

「まぁ、タイプでなかったというか、興味がなかったというか・・・」
「俺の方がカッコいいもんな」

 メガネの奥で目がギラギラしているのっぺを眺めながら、ワタシはもしかして犯されるんじゃないかと直感が働く。
20歳くらい年上で妻子もいるのっぺ。家庭を持っているからセックスと程遠いと思っていたが、男のいや、
日常の慢性に飽きて来ているのだろう。

「明日、・・・いや、今日ご飯食べに行こうか?」
「はい、」

 特に断る理由のないワタシは、網カゴに入った小鳥のように、徐々に自由を奪われていくのであった。

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