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宇宙へ

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『大覚醒』の島へ、王立タイ海軍の潜水艦で侵入した片木刑事は、なんとか説得して少年少女
らを家へ帰すが、眠りに入っていた巨獣 GX7 はまだ健在だ。調べていると、少年少女の長は、
謎の仮面(この仮面は宇宙吸血鬼のテクノロジーをも我が物としたスンダランドの技術者が
造ったのだが、これを長期被っていると、自分を失ってしまい、宇宙ビーストと化すのだ)を
被り、『大覚醒』の島の奥の王座に鎮座していた。年齢不詳。正体不明。だが、少年少女らの
怒りと憎しみのパワーを煽り、増大し、怪獣をよみがえらせた張本人はこの『仮面の男』だ。
『仮面』は古代スンダランドで製造された古代テクノロジーの産物だ。それは独裁者の仮面だ。
そして、この仮面は怪獣のマスターとなる力を持つものに与えるのだ。
では、スンダランドは何故滅びたのか? 巨獣を生物兵器とする大規模な内乱で文明そのもの
が吹き飛び、崩壊したという。人はそれを神の怒りにふれたともいう。欲望と欲望のぶつかり
合い。大戦争。人間社会の壊滅。一部のスンダランド人探検者らは、星の世界へまでも行ける
ロケット技術を持ち、宇宙まで探索していたが、そこで出会った宇宙吸血鬼らとも手を結んで
しまったのだ。宇宙吸血鬼らの力を手に入れ人類を支配することを思うばかりに!
『大覚醒』の島からバンコック港へ戻る途中、片木刑事は海上で『仮面の男』に襲われ海底へ
沈む。そこへキムリーが現れ、仮面の男を海溝へ撃退し、片木刑事を助けるが、キムリーはメ
インパワーであるソーラーパワー減少で片木刑事のみ救命艇に乗せると、彼女自身は海に沈ん
でしまう・・・。
片木刑事は海上で収容され助かる。
海底で・・・、もう一度、片木刑事に会いたい、と願うキムリーの体が発光し始める。
船舶からその発光を見て、海洋冒険家マウントサイド船長がキムリーを引き上げる。
キムリーの帰還。
GX7 対策会議。
片木刑事、キムリー、そして倉ホークはこうした出来事から怪獣 GX7 の対策を講じる。
GX7 が次に襲い来るのは、おそらくヤワラートだ。ヤワラートの地下にも巨大エナジー・
ジェネレイターが建造されているからだ。人類の手に負えないとてつもないエナジー発生器だ
が、それはもうすぐ稼働することになっている。未来を選ばねばならない・・・。
ある日、バンコック湾を大型船舶で移動していたマウントサイド船長は、バンコック湾を泳ぐ
GX7 を目撃する。GX7 の頭部に『仮面の男』が乗っていた。このときは攻撃をしてこなかっ
た。どうやら、巨大なエナジーをエサとする巨獣 GX7 はそうした巨大なエナジーの反応がな
いと比較的泳いでいるか眠っているだけのようだ。マウントサイド氏は富豪で国際雑誌を発行
するパブリッシャーでもあったから、倉ホークに取材を行うためにバンコック迄乗り入れてき
たのだった。ヤワラートの未来を設計する倉財団の支部長のこれ迄の経験談をインタビューす
るのだ。
かつて倉ホークは、古代テクノロジーが残した遺跡から巨大ロボットを発見したことがあった。
それはゴーレムと呼ばれる古代のジャイアントロボットだった。ジャイアントロボット=ハイ
パーゴーレム製造の秘密の在処を現代でも知る人物は『水の王国の主』だ。倉ホークはかつて

『水の王国の主』に出会っていた。(彼は幻の島に住んでいるのだ・・・。) その古代文明
のテクノロジーは化石化しつつあったが、それを再度現在の日本企業らの技術で設計しなおせ
ば、対怪獣ロボットになり得る。
倉ホークの声で、日本企業らが結束した。対怪獣巨大ロボット・ジャイアントゴーレム A1 が
完成する。これも古代ゴーレムテクノロジーで動いているので、パイロットは古代の仮面を被
り、ゴーレム内部に乗り込みそれを操縦する必要があるが、この負荷に耐えられる現代人はい
ない、たとえシルベスター・スタローンであっても、だ。
ここでサイボロイドである、キムリーがゴーレムに乗り込み、GX7 と決戦する、という提案
を倉ホークが出す。キムリーがサイボロイドであり、この任務を全う出来る唯一の存在である
ことを周囲に話す。キムリーもはじめて自分がサイボロイドであると知り、そしてキムリーの
能力に驚いていた片木刑事もそれを知ることになる。サイボロイドであっても、これは危険な
任務だ。『マスター・オブ・ゴーレム』となり、巨大怪獣と戦うということは! そして、キ
ムリーがサイボロイドと周囲が知れば、ますます、彼女の人権を脅かす案件に巻き込まれるだ
ろう・・・。片木刑事は、キムリーにこの任務をさせることを反対する。倉ホークもまた妹と
してやってきた年月があった。倉ホークも内心行かせたくないのだ。だが、論理的に判断して、
キムリー以外がこのミッションを全う出来るはずがない。
君も祈るのか?
決戦が近い。
ヤワラート地区から全住民を非難させる警察。
軍が配備される。
GX7 がヤワラートへ来る。
通常兵器は GX7 には全く役に立たない。
ハイパーゴーレムが応戦。
巨大怪獣 GX7 と、ジャイアントロボット・ハイパーゴーレムのパワーマッチ。
地下パワープラントが爆発すればバンコックは吹き飛ぶことになる。
なんとか、ハイパーゴーレムで食い止めなければならない。
力と力が巨大なボクシングのようにぶつかり合う。
埒が明かない。
ハイパーゴーレムは、巨大怪獣を抱きかかえながら、地球圏外へ連れていき、宇宙で凍らせて
凍結することにする。
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