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コンフィデンシャル V1

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 そして、我々は帰ってきた、上海へと・・・・・・・・・・。

 すべては、ここでは、何も無かったかのようだ。
 私は、緑あふれる共同庭園の傍らにある、私のアパルトマンに帰った。

 あと数週間はここに居るだろう。

 今は休暇だ。
 今回の事件は、国連軍のハイパーストレジに記録された。私は中東の或る村の村民を解放した、そこまでが私へのオーダーであった。

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 休暇のあと、それは、わたしの意志というわけでもなかったが、極東へと期間限定で移動。

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 コンフィデンシャル報告だ。
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 *事*後*報*告*Z*
 *** *** ***
 (アフタルポ・ゼットスター)
 九月一日。国連軍から『アフタルポ・ゼットスター』と名付けられたファイルが送られて来た。あの事件に関しての最終報告だ。私はこれについて関係するのはココ迄だ。この報告書もギャルソンが書いたのだ、主にはね。 だが、ギャルソンは事実を単に伝えたに過ぎない。それは、我々が体験した事実だ。その後に、・・・つまり、あの遺跡が、・・・ああいう形で特殊フェノミナンを発動した後、その後を検証したのは、国連職員スーパーチームだった。あの光景を実際には彼らは目の当たりにしたわけじゃない、だが、検証のプロだ。
 とにかく、私は、人々を脱出させることに心血を注いだ。それが、私の使命だったからだ。独裁者が立ってはならぬ、神の冒涜の場所に立ったならば、・・・山へ逃げろ、そう聖書記者は神の霊感を得て伝えた。そういえば、モーシェの時代からそうだった。モーシェは、人々を連れて逃れた。神はその逃れの道を守った。

12:37 イスラエルの人々はラメセスからスコトに向けて出発した。一行は、妻子を別にして、壮年男子だけでおよそ六十万人であった。
12:38 そのほか、種々雑多な人々もこれに加わった。羊、牛など、家畜もおびただしい数であった。
12:39 彼らはエジプトから持ち出した練り粉で、酵母を入れないパン菓子を焼いた。練り粉には酵母が入っていなかった。彼らがエジプトから追放されたとき、ぐずぐずしていることはできなかったし、道中の食糧を用意するいとまもなかったからである。
12:40 イスラエルの人々が、エジプトに住んでいた期間は四百三十年であった。 
旧約聖書 EXODUS より

Many other people went up with them,  ... ... ...
そのほか、種々雑多な人々もこれに加わった。

 ここは、ポイントだと、わたしがしばらく行っていたアメリカン・バプティスト教会の牧師が語ったことがある。つまり、モーシェについていった者らは、民族の別なく、エクソダスに成功し、モーシェの民は、多民族の共同体であった、ということだ。

 私たちもエクソダスに成功した。

 我々は、逃げた山から、遺跡周辺の火の手が収まるのを眺めた・・・。
 それは、丸一日近くかかったかもしれない。
 私の通信がやっと届いたのだろう、国連軍のジェットヘリが十機ほど遠くからやって来るのが見えた。彼らは、現場検証、確認、仮面の男の収容、データ作成、現場写真撮影、可能なら魔仮面の捕獲、そしてわれわれ山の短期キャンプにWFPからの食料を届けに来たのだ。

 現場検証に関しては、この送付されたレポートから知るしかない。
 仮面の男は、あの猛烈な炎によって、灰になっていたという。
 だが、不思議なことは、その灰が人間のものではなかったのではないか、といった噂だ。
 灰は、横向きに倒れた男の形を留めていたが、その臀部から六十センチほどの、黒い先が矢のような形状の尻尾がのびていたというのだ・・・。

 デモンズ・・・?!

 わたしは、そんなイメージをふと想像してしまった・・・、が、詳しい事は分からない、私にはノータッチの世界だ。ここに、このようなレポートを留めておくしか出来ない。私のような存在が語ることは出来ない世界だろう。
 だが、独裁者とは、そういう者かもしれない・・・。
 狂気、暴力、支配、・・・。それが独裁だ。かつて、ドイツも日本も陥った。
 むかし、あるレポートを読んだことがある。実際にヒトラーをその目で執務室で見た、という男の話だ。その独裁者の中にデモンが入っていくのを見たというのだ・・・。

 この話はここまでにしよう。

 とにかく、独裁者は灰になった。

 山に逃げた村人は、しばしキャンプをした。それは、モーシェの民が砂漠でキャンプをしたことを彷彿させるものだったかもしれない。

 魔仮面はどこへ?

 国連軍は魔仮面の回収が出来なかったことを記載していた。
 それは、分子パーティクル化して、空中に消えた、という。

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 私は、この九月から、日本・大阪・太子町にいる。
 ここで国連調査員として、研究分析作業をすることになったのだ。
 とりええず、近くに温泉もある。
 トゥトゥベが、その母と、この太子町へ引っ越してきた。トゥトゥベの母は、いたく私を気に入り、トゥトゥベの教育を私に任せたいと言うのだ。まあ、それはそれでよいが、ここでの研究生活は期間限定でもある。とりあえず、リチャードも連れてきた。この辺の川はリチャードが泳ぐのには、ちょうどよいからだ。
 日本、という場所は世界の中では独自色が非常に強いカルチャーを持っているところ、として知られているエリアでもある。私は小学生をそこで過ごした。
 太子町は田舎町だ。古いカルチャーがいまでも存在している。国連の秘密のオフィスは意外な場所に置かれているのだ・・・。

 一九五五年。日本。太子町。

 三年前に日本はサンフランシスコ平和条約によって、主権を回復し、国際社会への仲間入りを再度認めてもらえたばかりだった・・・。

 
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