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ラブスターミッション13

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 すさまじい破壊音だった。敵の電脳式ロケットランチャーは消し飛んだ。だが、我々、私、ジョー(本名:須久麻ショーン)と、トルコ辺境小村村長の息子オレンジボーイは、しばらく気絶していた。爆音と波動の圧に気を失ったのだ。
 我に返るのに、ふたりとも時間を要したようだ。衝撃で記憶の一部さえ失ってしまった。そのために、この記録『ライヤーズ・ジャーナル』が、このタイトルになってしまったのだ。この記録は、非常に不確かなのだ。ここ迄の記載も、実の処、この時の衝撃ののちにしたためた書であるが故に、多くの数値、日付、時間軸、時間、前後関係、名称、型式番号等に誤差が発生していると思われる。そこはお許し願いたいのだ。その部分はこの書・ジャーナルの読者の想像でもって補って頂きたい。
 我に返ると、川べりで気を失っていたはずが、水が頬の辺り迄来ていた・・・。その水の冷たさで目を覚ましたのだ。同時にオレンジボーイを目覚めたようだ。海抜がこの辺りは相当低いのか、・・・其のせいかは分からないが、水の塩分濃度が非常に高い。まるで海水の様だ・・・。この辺りの水辺は月の引力の影響を受けやすいのだろうか、一日の中で、水面がかなりの差で上昇下降を繰り返すようだ。わたしは、ふと、子供の頃、母と行ったカルバン派の教会で聞いた牧師の話を思い出していた。モーシェの民が海を乗り越える話だ。水が神の力で一定の時間干上がり、そう、海が割れ、モーシェの民と、その民についてきた民が、追っ手の軍隊から逃れる、あの光景だ。神は火も水も、その力で信じられない光景をもって、どう動かすことも可能なのだ、という・・・。

 魔仮面の男の基地へと侵入しようと考えているが、そこへの道は、現地住民の手助けがあってさえ、なかなか厳しい道のりのようだ。もし、オレンジボーイの手助けがなければ、電脳アシストが繋がらなくなった今の我々、国連調査員チームだけでは、現場に到着することも出来なかったかも知れない。

 私とオレンジボーイは、川を遡って行った・・・。さらに・・・。そこは闇の奥なのか・・・。人間の狂気が支配する領域に我々は入り込もうとしているのではないだろうか。

 闇の奥で、『仮面をかぶった独裁者』が、狂気の独裁ミニ国家を作ろうとしているのか? いや、もちろん、国連は承認しないだろうから、そこは独裁ミニ自称国家に過ぎないのだが・・・。 しかし、独裁者と、それに続いていく参謀、そして兵隊、・・・拉致した村民を奴隷労働力として、『国家』建設を企てているのか・・・?


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