とある場末のカウンター

アンダーカレント

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雑居ビルの4F

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雑居ビルの4Fの扉を開けると、誰もいない店内でマスターが手持ち無沙汰にグラスを磨いている。

壁にはマンハッタンの夜景のジグソーパズルが、店の奥には使われていないであろうドラムセット。

メロウでアーバンなNick DeCaroが心地よく、他の客もいないのに思いのほかマスターは上機嫌だ。

アグリコールラムをロックでもらおう。
さとうきびの強い香りが異国情緒を誘う。そうここは雑居ビルの中にあるマンハッタン、喉の奥で感じる強いアルコール感。

ここは嘘だらけだ

ほんとの事を話す意味はないし

ほんとも嘘になれば

嘘もほんとになる

大人っぽいねという会話が
カウンターに転がっている
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