15 / 17
第十五話
しおりを挟む
妻になる女性と出会ったのは婚約する時だった。
病を患い、領地で療養するからと爵位を譲る手続きと共に、何の知らせもなく引き合わされた。
彼女は成人して間もない十六歳の少女だった。
柔らかな髪色だったことは覚えている。ただ、聞かされた年齢の方に驚いて、魔力がない事以外他の情報が入ってこなかった。
この国の結婚適齢期は十八歳から二十歳ぐらいだ。
彼女では早すぎる。体だって成長しきれていないだろう。
だが、当事者を他所に、この婚姻はすでに両親達の間で成立していた。
彼女の父親が特に彼女を早く嫁がせたかったように思う。まだまだ両親に甘えたい年頃なのに。
しかし、二ヶ月後には婚姻まで済んでいた。
挙式はしなかった。レイモンドの両親はさっさと爵位を譲ると領地へ行ってしまい、彼女の両親も挙式への参列は断ってきた。
結局、二人の婚姻は神父の前で誓いを交わし、名前を書くだけの略式となった。
おかげで、彼女と話し合うこともなく、求婚の証も用意できなかった。
まるで売られてきたようだ、と思った。
物言わぬ少女に同情すら覚えた。そんな彼女を見て、とても「宜しくお願いする」とは言えなかった。
言いたくなかった。
当時、すでに聖女の護衛騎士に選ばれて、自身が聖騎士である事に誇りを持っていた。
その自分が幼さが残る少女と結婚したなど、誰にも知られたくなかった。彼女を大切にしたい思いより、恥じる気持ちの方が勝っていた。
夫婦になっても寝室は別々に用意してもらい、彼女に触れることは一度もなかった。
どうしても妻の同行が必要な有事には一緒に出掛けたが、お互いに話すことはなかった。
その関係は歪だった。
押し付けられるような形で譲られた屋敷は、未だに自分の物という自覚も芽生えず。少女のような妻が帰りを待っているなど、考えたくもなかった。
次第に、屋敷に寄り付かなくなり、聖騎士団の隊舎に戻ることが増えていった。
彼女のことは屋敷の者に任せておけばいいだろう。
立場は伯爵夫人となる。今は距離が出来てしまっているが、いつかは時間が解決してくれると思っていた。
レイモンドは団長に渡された離縁の証明書を握り締めた。
書類には白い結婚であることが書かれていた。確かに結婚してから三年間、夫婦として成り立っていなかった。
年に数回顔を合わせるぐらいの関係だ。それでも彼女が屋敷から出て行くとは思わなかった。言ってくれれば離縁にも同意しただろう。
例え、彼女が聖女候補だったとしても。こんな形を取らなくても方法はあった筈だ。
それより屋敷の者達は何をしていたんだ。彼女が出ていくのを止めなかったのか。
なぜ、自分の元に知らせが入らなかったのだ。
レイモンドは久々に屋敷へと戻ってきた。門番に顔を見せると随分驚かれた。
変わったことはないか、と訊ねれば視線をさ迷わせた。
そのまま門番の答えを待たず屋敷の中へ入ると、使用人達が慌てて集まってきた。
「お、お帰りなさいませ、旦那様」
いつも冷静な家令はどこか焦った様子で、屋敷の主であるレイモンドを出迎えた。以前の家令は両親と一緒に領地へ行ってしまい、息子の彼が跡を継いだ。
「…あの、旦那様…奥様が」
「ああ、分かっている。妻とは正式に離縁した。それよりなぜ妻が出ていった時に連絡を入れなかったんだ?」
頭を下げたままの家令に、レイモンドは溜め息混じりに訊ねた。家令は「それは…」と口を開いたが、そこに甲高い声が重なった。
「あら、お戻りになられたの? 旦那様!」
二階に上がる階段から女の声がした。反射的に視線をやれば、体のラインがはっきりと分かる紫色のドレスを着た女が立っていた。
燃えるような真っ赤な髪に同色の瞳。一度見たら忘れられない女だ。
「…君は」
ゆっくり階段を下りてきた女は、レイモンドの前までやって来た。甘ったるい香水の匂いが鼻を突く。
「あら、お忘れになって? 遠征先でお会いになったじゃありませんか」
「……ああ、覚えている」
男性の腕に手を絡ませて歩く女の姿に、他の騎士が囃し立てていたのを思い出した。
「ええ、そうでしょう。だって貴方も私を遠征先の部屋に呼んで下さったでしょう?」
討伐や巡礼の遠征先で、騎士が花街に繰り出したり、娼婦を買って部屋に呼んだりする事は良くある。
男は一晩の夢を買い、女は一晩の夢を見せるのだ。女もその一人だった。
赤い紅のついた唇を持ち上げて、妖しく微笑む。しかし、レイモンドは眉根を寄せて女の存在を否定した。
「ーー私は呼んでない。誰かと間違えているじゃないか?」
「そんなことありませんわ。クロークス伯爵と名乗りましたもの」
「確かに私はクロークスだが、遠征先で女性を部屋に呼ぶような真似はしていない。聖女様の護衛に掛かりきりで、部屋では仮眠を取っただけだ」
「で、でも、そう名乗っておりましたわ」
どこの誰が自分の名を語ったのか。一晩の相手とは言え、男は偽ってまで格好をつけたがる。
爵位を持っていると言えば抱かれる女は悦ぶのだと言う。
そんなところで勝手に家名を使われては、いい迷惑だ。
「それに、子が」
「子供…? 君は身籠っているのか?」
女の手がまだ膨らんでいない腹を擦った。娼婦は妊娠しないために薬を服用している。それなのに、女はレイモンドの子を身籠ったと言ってきた。
「ええ。貴方の子ですわ…」
「待ってくれ。私は君と寝た覚えはない。まさか妻が出て行ったのは君のせいなのか。私の子を身籠ったからと言って」
周りも含めて訊ねたのに、答えは返ってこなかった。ただ、彼らの表情を見れば聞かずとも理解できた。
「何ということを。一体誰に唆された? 子を成せば伯爵の愛人にでもなれると教えられたか?」
「ち、違います。愛人ではなく…」
「妻になれると? 貴族でもない君が?」
仕事なら誰とでも寝る娼婦だ。腹の子もレイモンドの子でないとすれば誰の子供なのか分かったものじゃない。
「君の目的は知らない。だが、私の妻をここから追い出した事に変わりはない」
「私は、貴方のお父様に…っ!」
口が滑ったのだろう、女は慌てて口元を押さえた。だが、もう遅い。
「父上だと? 私の父に、私の跡継ぎを作るように言われたのか」
結婚させただけでは厭き足らず、子供まで押し付けてくるとは。療養先で大人しくしているかと思ったが、爵位を譲っても貴族は貴族だ。
レイモンドは呆れて前髪を掻き上げた。遠征先の娼婦にまで息子の跡継ぎを頼むなんて正気じゃない。
「…フンッ、何よ! 私は悪くないわ! 貴方の子供さえ作って渡せば、一生遊んで暮らせるだけの金を用意してくれるって言ったのよ! それを貴方の妻が勝手に出て行ったんじゃない!」
女はレイモンドの態度に納得いかず、全てを知られたことで開き直った。
「だいたい貴方の妻がここでどんな目に合っていたか知っているの!? あんな物置部屋に追いやられて、何が伯爵夫人よ! 笑わせないで!」
「……どういうことだ?」
周りにいた使用人達がひゅっと息を呑んだのが分かった。人によっては肩が小刻みに震えている。
すると、女はしたり顔でレイモンドに言い放った。
「本当に知らないようね。私は使用人から聞いたわ! 彼女、相当虐められていたそうじゃない! でもまぁ、旦那に愛してももらえない妻なんて、ただのお飾りですもんね」
虐められていた? お飾り? そんな筈はない。
「彼女は伯爵夫人だぞ? この屋敷の女主人なのに、どんな扱いをしたんだ…?」
屋敷に来て当初、彼女に用意された部屋は一等豪華な部屋だった。
彼女は遠慮していたが、伯爵夫人として当然の室内に思えた。
他にも宝石やドレスを用意させた。せめて不自由な思いはさせないように。必要な物は準備させたつもりだ。
説明を求めると家令は顔面を蒼白させて怯えていた。レイモンドが放つ威圧に他の使用人達も立っていられなくなる。
「わ、私は…っ」
「ーー答えろっ!」
激しく怒鳴るとそこにいた使用人は倒れ込み、女は気絶して崩れ落ちた。
レイモンドは悪態ついて、女を部屋に運ぶなどして気持ちを落ち着かせた。
家令から話が聞けたのは、それから一時間経った後のことだった。
屋敷の中で起きていた陰湿な虐めの数々に吐き気がした。
レイモンドに連絡が届かなかったのは、彼女への仕打ちが明るみになってしまうことを恐れてだった。
家令は嫌がらせに加わらなかったものの、見てみぬ振りをしていた。
もし対象の者を処罰するとすれば、明日から使用人の数は半分になると言う。頭の痛くなる話だ。
レイモンドは家令に命じ、彼女が過ごしていた部屋を案内させた。
連れて行かれたのは屋敷の正面入口から程遠く、明かりもろくに射し込まない部屋だった。
そこは床板が剥き出しになり、部屋とは言い難い空間だった。
歪んだベッドに、傾いたテーブル。扉のないクローゼット。
彼女はこんな場所で、少なくとも二年は暮らしていたのか。
なぜ、もっと早く…。
考えれば考えるほど自分の愚かさと悔しさで胸が押し潰されそうになった。
病を患い、領地で療養するからと爵位を譲る手続きと共に、何の知らせもなく引き合わされた。
彼女は成人して間もない十六歳の少女だった。
柔らかな髪色だったことは覚えている。ただ、聞かされた年齢の方に驚いて、魔力がない事以外他の情報が入ってこなかった。
この国の結婚適齢期は十八歳から二十歳ぐらいだ。
彼女では早すぎる。体だって成長しきれていないだろう。
だが、当事者を他所に、この婚姻はすでに両親達の間で成立していた。
彼女の父親が特に彼女を早く嫁がせたかったように思う。まだまだ両親に甘えたい年頃なのに。
しかし、二ヶ月後には婚姻まで済んでいた。
挙式はしなかった。レイモンドの両親はさっさと爵位を譲ると領地へ行ってしまい、彼女の両親も挙式への参列は断ってきた。
結局、二人の婚姻は神父の前で誓いを交わし、名前を書くだけの略式となった。
おかげで、彼女と話し合うこともなく、求婚の証も用意できなかった。
まるで売られてきたようだ、と思った。
物言わぬ少女に同情すら覚えた。そんな彼女を見て、とても「宜しくお願いする」とは言えなかった。
言いたくなかった。
当時、すでに聖女の護衛騎士に選ばれて、自身が聖騎士である事に誇りを持っていた。
その自分が幼さが残る少女と結婚したなど、誰にも知られたくなかった。彼女を大切にしたい思いより、恥じる気持ちの方が勝っていた。
夫婦になっても寝室は別々に用意してもらい、彼女に触れることは一度もなかった。
どうしても妻の同行が必要な有事には一緒に出掛けたが、お互いに話すことはなかった。
その関係は歪だった。
押し付けられるような形で譲られた屋敷は、未だに自分の物という自覚も芽生えず。少女のような妻が帰りを待っているなど、考えたくもなかった。
次第に、屋敷に寄り付かなくなり、聖騎士団の隊舎に戻ることが増えていった。
彼女のことは屋敷の者に任せておけばいいだろう。
立場は伯爵夫人となる。今は距離が出来てしまっているが、いつかは時間が解決してくれると思っていた。
レイモンドは団長に渡された離縁の証明書を握り締めた。
書類には白い結婚であることが書かれていた。確かに結婚してから三年間、夫婦として成り立っていなかった。
年に数回顔を合わせるぐらいの関係だ。それでも彼女が屋敷から出て行くとは思わなかった。言ってくれれば離縁にも同意しただろう。
例え、彼女が聖女候補だったとしても。こんな形を取らなくても方法はあった筈だ。
それより屋敷の者達は何をしていたんだ。彼女が出ていくのを止めなかったのか。
なぜ、自分の元に知らせが入らなかったのだ。
レイモンドは久々に屋敷へと戻ってきた。門番に顔を見せると随分驚かれた。
変わったことはないか、と訊ねれば視線をさ迷わせた。
そのまま門番の答えを待たず屋敷の中へ入ると、使用人達が慌てて集まってきた。
「お、お帰りなさいませ、旦那様」
いつも冷静な家令はどこか焦った様子で、屋敷の主であるレイモンドを出迎えた。以前の家令は両親と一緒に領地へ行ってしまい、息子の彼が跡を継いだ。
「…あの、旦那様…奥様が」
「ああ、分かっている。妻とは正式に離縁した。それよりなぜ妻が出ていった時に連絡を入れなかったんだ?」
頭を下げたままの家令に、レイモンドは溜め息混じりに訊ねた。家令は「それは…」と口を開いたが、そこに甲高い声が重なった。
「あら、お戻りになられたの? 旦那様!」
二階に上がる階段から女の声がした。反射的に視線をやれば、体のラインがはっきりと分かる紫色のドレスを着た女が立っていた。
燃えるような真っ赤な髪に同色の瞳。一度見たら忘れられない女だ。
「…君は」
ゆっくり階段を下りてきた女は、レイモンドの前までやって来た。甘ったるい香水の匂いが鼻を突く。
「あら、お忘れになって? 遠征先でお会いになったじゃありませんか」
「……ああ、覚えている」
男性の腕に手を絡ませて歩く女の姿に、他の騎士が囃し立てていたのを思い出した。
「ええ、そうでしょう。だって貴方も私を遠征先の部屋に呼んで下さったでしょう?」
討伐や巡礼の遠征先で、騎士が花街に繰り出したり、娼婦を買って部屋に呼んだりする事は良くある。
男は一晩の夢を買い、女は一晩の夢を見せるのだ。女もその一人だった。
赤い紅のついた唇を持ち上げて、妖しく微笑む。しかし、レイモンドは眉根を寄せて女の存在を否定した。
「ーー私は呼んでない。誰かと間違えているじゃないか?」
「そんなことありませんわ。クロークス伯爵と名乗りましたもの」
「確かに私はクロークスだが、遠征先で女性を部屋に呼ぶような真似はしていない。聖女様の護衛に掛かりきりで、部屋では仮眠を取っただけだ」
「で、でも、そう名乗っておりましたわ」
どこの誰が自分の名を語ったのか。一晩の相手とは言え、男は偽ってまで格好をつけたがる。
爵位を持っていると言えば抱かれる女は悦ぶのだと言う。
そんなところで勝手に家名を使われては、いい迷惑だ。
「それに、子が」
「子供…? 君は身籠っているのか?」
女の手がまだ膨らんでいない腹を擦った。娼婦は妊娠しないために薬を服用している。それなのに、女はレイモンドの子を身籠ったと言ってきた。
「ええ。貴方の子ですわ…」
「待ってくれ。私は君と寝た覚えはない。まさか妻が出て行ったのは君のせいなのか。私の子を身籠ったからと言って」
周りも含めて訊ねたのに、答えは返ってこなかった。ただ、彼らの表情を見れば聞かずとも理解できた。
「何ということを。一体誰に唆された? 子を成せば伯爵の愛人にでもなれると教えられたか?」
「ち、違います。愛人ではなく…」
「妻になれると? 貴族でもない君が?」
仕事なら誰とでも寝る娼婦だ。腹の子もレイモンドの子でないとすれば誰の子供なのか分かったものじゃない。
「君の目的は知らない。だが、私の妻をここから追い出した事に変わりはない」
「私は、貴方のお父様に…っ!」
口が滑ったのだろう、女は慌てて口元を押さえた。だが、もう遅い。
「父上だと? 私の父に、私の跡継ぎを作るように言われたのか」
結婚させただけでは厭き足らず、子供まで押し付けてくるとは。療養先で大人しくしているかと思ったが、爵位を譲っても貴族は貴族だ。
レイモンドは呆れて前髪を掻き上げた。遠征先の娼婦にまで息子の跡継ぎを頼むなんて正気じゃない。
「…フンッ、何よ! 私は悪くないわ! 貴方の子供さえ作って渡せば、一生遊んで暮らせるだけの金を用意してくれるって言ったのよ! それを貴方の妻が勝手に出て行ったんじゃない!」
女はレイモンドの態度に納得いかず、全てを知られたことで開き直った。
「だいたい貴方の妻がここでどんな目に合っていたか知っているの!? あんな物置部屋に追いやられて、何が伯爵夫人よ! 笑わせないで!」
「……どういうことだ?」
周りにいた使用人達がひゅっと息を呑んだのが分かった。人によっては肩が小刻みに震えている。
すると、女はしたり顔でレイモンドに言い放った。
「本当に知らないようね。私は使用人から聞いたわ! 彼女、相当虐められていたそうじゃない! でもまぁ、旦那に愛してももらえない妻なんて、ただのお飾りですもんね」
虐められていた? お飾り? そんな筈はない。
「彼女は伯爵夫人だぞ? この屋敷の女主人なのに、どんな扱いをしたんだ…?」
屋敷に来て当初、彼女に用意された部屋は一等豪華な部屋だった。
彼女は遠慮していたが、伯爵夫人として当然の室内に思えた。
他にも宝石やドレスを用意させた。せめて不自由な思いはさせないように。必要な物は準備させたつもりだ。
説明を求めると家令は顔面を蒼白させて怯えていた。レイモンドが放つ威圧に他の使用人達も立っていられなくなる。
「わ、私は…っ」
「ーー答えろっ!」
激しく怒鳴るとそこにいた使用人は倒れ込み、女は気絶して崩れ落ちた。
レイモンドは悪態ついて、女を部屋に運ぶなどして気持ちを落ち着かせた。
家令から話が聞けたのは、それから一時間経った後のことだった。
屋敷の中で起きていた陰湿な虐めの数々に吐き気がした。
レイモンドに連絡が届かなかったのは、彼女への仕打ちが明るみになってしまうことを恐れてだった。
家令は嫌がらせに加わらなかったものの、見てみぬ振りをしていた。
もし対象の者を処罰するとすれば、明日から使用人の数は半分になると言う。頭の痛くなる話だ。
レイモンドは家令に命じ、彼女が過ごしていた部屋を案内させた。
連れて行かれたのは屋敷の正面入口から程遠く、明かりもろくに射し込まない部屋だった。
そこは床板が剥き出しになり、部屋とは言い難い空間だった。
歪んだベッドに、傾いたテーブル。扉のないクローゼット。
彼女はこんな場所で、少なくとも二年は暮らしていたのか。
なぜ、もっと早く…。
考えれば考えるほど自分の愚かさと悔しさで胸が押し潰されそうになった。
381
お気に入りに追加
6,030
あなたにおすすめの小説

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。

あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
修道女エンドの悪役令嬢が実は聖女だったわけですが今更助けてなんて言わないですよね
星里有乃
恋愛
『お久しぶりですわ、バッカス王太子。ルイーゼの名は捨てて今は洗礼名のセシリアで暮らしております。そちらには聖女ミカエラさんがいるのだから、私がいなくても安心ね。ご機嫌よう……』
悪役令嬢ルイーゼは聖女ミカエラへの嫌がらせという濡れ衣を着せられて、辺境の修道院へ追放されてしまう。2年後、魔族の襲撃により王都はピンチに陥り、真の聖女はミカエラではなくルイーゼだったことが判明する。
地母神との誓いにより祖国の土地だけは踏めないルイーゼに、今更助けを求めることは不可能。さらに、ルイーゼには別の国の王子から求婚話が来ていて……?
* この作品は、アルファポリスさんと小説家になろうさんに投稿しています。
* 2025年2月1日、本編完結しました。予定より少し文字数多めです。番外編や後日談など、また改めて投稿出来たらと思います。ご覧いただきありがとうございました!

【完結】内緒で死ぬことにした〜いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を、なぜわたしは生まれ変わったの?〜
たろ
恋愛
この話は
『内緒で死ぬことにした 〜いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を〜』
の続編です。
アイシャが亡くなった後、リサはルビラ王国の公爵の息子であるハイド・レオンバルドと結婚した。
そして、アイシャを産んだ。
父であるカイザも、リサとハイドも、アイシャが前世のそのままの姿で転生して、自分たちの娘として生まれてきたことを知っていた。
ただアイシャには昔の記憶がない。
だからそのことは触れず、新しいアイシャとして慈しみ愛情を与えて育ててきた。
アイシャが家族に似ていない、自分は一体誰の子供なのだろうと悩んでいることも知らない。
親戚にあたる王子や妹に、意地悪を言われていることも両親は気が付いていない。
アイシャの心は、少しずつ壊れていくことに……
明るく振る舞っているとは知らずに可愛いアイシャを心から愛している両親と祖父。
アイシャを助け出して心を救ってくれるのは誰?
◆ ◆ ◆
今回もまた辛く悲しい話しが出てきます。
無理!またなんで!
と思われるかもしれませんが、アイシャは必ず幸せになります。
もし読んでもいいなと思う方のみ、読んで頂けたら嬉しいです。
多分かなりイライラします。
すみません、よろしくお願いします
★内緒で死ぬことにした の最終話
キリアン君15歳から14歳
アイシャ11歳から10歳
に変更しました。
申し訳ありません。

【完結】徒花の王妃
つくも茄子
ファンタジー
その日、王妃は王都を去った。
何故か勝手についてきた宰相と共に。今は亡き、王国の最後の王女。そして今また滅びゆく国の最後の王妃となった彼女の胸の内は誰にも分からない。亡命した先で名前と身分を変えたテレジア王女。テレサとなった彼女を知る数少ない宰相。国のために生きた王妃の物語が今始まる。
「婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?」の王妃の物語。単体で読めます。

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる