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第五章「掛川城攻め」
第二十三話「両半蔵」
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「うおっ!」
拙者は、思わず起き上がる。
「はぁはぁはぁ」
拙者は、息を整えながら自分の胸元を見る。
そこには貫通はしておりませんが、大きな銃弾の痕がありもうした。
「鉄砲で撃たれて気を失っておったか・・・」
拙者はそう思いながらも、まだ自分が生きておる事に安堵を感じもうした。
「後できっちり責任を取ってもらわんとな・・・朝比奈殿」
拙者が周囲を見渡すと、今川の兵たちが続々と掛川城へと退却しておりました。
「いかんな、倒れたままでは終われんぞ」
拙者は急ぎ足を進め、近くにおった甲冑武者一人に槍を突き刺す。
「せいやぁ!」
勢い良く背中から倒れる甲冑武者。拙者が槍を引き抜き、次の相手を探しに行こうとした時、誰かが拙者の名前を呼ぶ。
「おーい、半蔵」
声のする方に振り向くと、そこには拙者の見知った顔がおりました・・・鷹見弥平次。弥平次は、こちらに向かいながら再度、拙者の名前を呼ぶ。
「おーい、半蔵。聞こえとるのか?おーい、半蔵」
弥平次があまりにもうるさいため、拙者は大声で怒鳴りつける。
「「何じゃ!」」
・・・ん?
すぐ近くで誰かが拙者と同じ言葉を放った。
拙者が横を向くと、そこには大きな槍を持った一人の武者がおりました。
拙者は、その者に声をかける。
「誰じゃ、お主は?」
「お主こそ誰ぞ?」
その武者もすかさず聞き返す。
両者は、どちらも身分を明かさないまま黙って睨み合う。
そんな緊迫した状況の中、先ほどの弥平次が呑気な表情で駆けつける。
「おい、半蔵・・・ん?」
弥平次は、拙者ともう一人の武者を交互に見るや、ぽつりと呟く。
「あ~半蔵が二人おったか・・・」
拙者は、弥平次に聞き返す。
「半蔵が二人?」
拙者が首を傾げると、弥平次は拙者に向かってその武者を紹介し始める。
「こちら、『鬼の半蔵』こと服部半蔵正成」
続けて弥平次は、同じように今度は拙者をその武者に紹介する。
「そしてこちら、『槍の半蔵』こと渡辺半蔵守綱」
両者を紹介し終えると、弥平次は再度二人を見返す。
「二人とも名前くらいは聞いた事があるのではないか?」
弥平次の質問に二人は何も答えず、ただただ相手をじっと見据える。
・・・こやつが、『鬼の半蔵』服部半蔵正成。
知らないはずはない。同じ名、そして歳も同じだったはず・・・嫌でも自ずと覚えてしまう。そんな相手が今、目の前におる。おそらく服部の方も似たようなことを考えておるに違いない。
しばしの沈黙の後、拙者は服部から視線を外し弥平次に移す。
「おい、弥平次。ところで何の用じゃ?」
「・・・何の用とは?」
弥平次は、とぼけた表情で聞き返す。
「お主、さっきから散々名前を呼んどったじゃろ」
「あ~」
弥平次は、そこでようやく思い出す。
「いや、今川方はもう退却を始めておるで、あまり深追いせん方がええぞと」
弥平次の忠告に服部が答える。
「余計なお世話じゃ」
服部の意見に拙者も同意する。
「まったくじゃ」
しかし、服部はそこに余計な言葉を付け加える。
「どこぞの半蔵と違い、儂は調子に乗って無謀な深追いなどせんでな」
その言葉に、拙者は眉を吊り上げながら服部を睨みつける。
「どこぞの半蔵とは、どこの半蔵のことかの~?」
拙者の質問に、服部はそっぽを向いて答える。
「儂でないのは確かじゃ」
・・・この野郎。
拙者の眉がさらに吊り上がる。
「伊賀の忍び崩れが調子に乗るなよ」
服部正成の父・半三(はんぞう)保長(やすなが)は伊賀の忍びで、家康公の祖父・清康公に認められ松平家の家臣になったという経緯がございまする。しかし、子の正成は忍びではなく侍として家康公に仕えておりました。
拙者の言葉が逆鱗(げきりん)に触れたのか、服部は声を荒らげる。
「何じゃと!?」
弥平次は、苦笑いを浮かべながら両者の間を取り持とうとする。
「まぁまぁまぁ」
一触即発の状況の中、突如掛川城から大きな鬨の声が聞こえて来ました。
その声に一同、掛川城の方に目を向ける。
また打って出て来るつもりか?
今川方の思いも寄らぬ行動に味方の兵たちも慌てふためく。
そんな中、一人の武将が大声を上げた。
「何か策があるのやもしれぬ。ここは深追いせず、一度退却じゃ!」
本多作左衛門重次殿。作左殿の言葉に、味方の兵たちも退却を開始する。
拙者たちの横を味方の兵が通り過ぎて行く中、拙者はある妙案を思いつく。
「・・・どうじゃ鬼半蔵。ここは一つ、ちょいと勝負をしてみんか?」
「勝負?」
鬼半蔵・服部正成は首を傾げる。
「そうじゃ、ちょっとした我慢比べじゃ」
服部は怪訝(けげん)な表情でこちらを見詰める。
「おそらくこれから、掛川城から今川勢がどっと打って出て来るはずじゃ。それまでの間、どちらが最後までこの場におれるか、勝負じゃ」
拙者の提案に服部はにやりと笑う。
「・・・おもしろい」
一方、二人のやり取りを聞いておった弥平次は不安そうな表情を浮かべる。
「おい、そんな危ない事止めえや。二人とも・・・」
拙者たちは、弥平次の忠告を無視し城門の方に目を向ける。
掛川城からは、今もなお鬨の声が上がっている。
「逃げるなら今のうちじゃぞ?」
拙者の言葉に服部は笑みを浮かべる。
「ふっ、戯(たわ)けが」
「ほだら・・・」
拙者は二、三間ほど前に進み後ろを振り向く。
「これならどうじゃ?」
拙者の行動に服部もすぐさま足を進め、拙者の前に躍り出る。
「それがどうした?」
「おい、二人ともよさんか・・・」
弥平次は、うんざりした表情を浮かべながらも渋々と一緒について来る。
そのようなやり取りを繰り返しておる内に、拙者たちはいつの間にか城門の目の前にまで来ておりました。
「・・・にしても」
拙者は開け放たれた城門を見詰める。
「さっきから鬨の声はするが、一向に出て来んな~」
「まったくじゃ」
拙者と服部が訝(いぶか)しげに城門を見詰めておると、そこへ弥平次が恐る恐る声をかけてくる。
「なあ、もういい加減戻らんか?」
弱音を吐く弥平次に対し拙者は冷たく言い放つ。
「なら一人で戻ればええじゃろ」
「う、うぅ」
今にも泣きそうな表情で肩を落とす弥平次。
そんな弥平次のことは気にもせず、拙者は掛川城の方を向いて大きく息を吸う。そして・・・。
「出て来るならさっさと出て来んかぁ!」
拙者の雄叫(おたけ)びに一瞬、城内の鬨の声が止むが・・・。
「出て来んな・・・これはもしや、はったりではないか?」
服部の呟きに、拙者は振り返る。
「何?」
「何か策があると見せかけて、攻めて来た敵を追い返す。よくある手じゃ」
「ほだら、儂らここにおってもしょうがないではないか」
拙者の言葉に服部は頷く。
「・・・勝負は、お預けって訳か」
肩を落とす拙者に対し、服部は苦笑いを浮かべる。
「ま、そういうことじゃな」
「な~んか納得がいかんが、仕方ないか~」
拙者が残念がっておると、弥平次が嬉しそうに声をかけてくる。
「そんなら、早う戻ろまい」
拙者は弥平次の頭を槍の柄で叩く。
「痛った!何するんじゃ!?」
頭を抑える弥平次に拙者はしれっと答える。
「八つ当たり」
「や、八つ当たりって、ちょい・・・」
拙者は、弥平次の言葉を聞きもせず掛川城に向かって再度大声を上げる。
「掛川城、絶対落としてやるで、よう覚えとけぇ!」
そして、拙者が掛川城に背を向けた直後、城の方から声が聞こえて来る。
「決意はできたのか、童(わっぱ)!?」
拙者は直ぐさま振り返る。
声の主はすぐに見つかりました。城門近くの物見櫓(やぐら)、立派な甲冑を身に纏(まと)い、相手を見下したような態度でこちらを見詰める武将。
「・・・朝比奈泰朝」
拙者は、にやりと笑い大声で答える。
「当然じゃ!」
そして、拙者たちは自陣へと戻って行きました。
拙者は、思わず起き上がる。
「はぁはぁはぁ」
拙者は、息を整えながら自分の胸元を見る。
そこには貫通はしておりませんが、大きな銃弾の痕がありもうした。
「鉄砲で撃たれて気を失っておったか・・・」
拙者はそう思いながらも、まだ自分が生きておる事に安堵を感じもうした。
「後できっちり責任を取ってもらわんとな・・・朝比奈殿」
拙者が周囲を見渡すと、今川の兵たちが続々と掛川城へと退却しておりました。
「いかんな、倒れたままでは終われんぞ」
拙者は急ぎ足を進め、近くにおった甲冑武者一人に槍を突き刺す。
「せいやぁ!」
勢い良く背中から倒れる甲冑武者。拙者が槍を引き抜き、次の相手を探しに行こうとした時、誰かが拙者の名前を呼ぶ。
「おーい、半蔵」
声のする方に振り向くと、そこには拙者の見知った顔がおりました・・・鷹見弥平次。弥平次は、こちらに向かいながら再度、拙者の名前を呼ぶ。
「おーい、半蔵。聞こえとるのか?おーい、半蔵」
弥平次があまりにもうるさいため、拙者は大声で怒鳴りつける。
「「何じゃ!」」
・・・ん?
すぐ近くで誰かが拙者と同じ言葉を放った。
拙者が横を向くと、そこには大きな槍を持った一人の武者がおりました。
拙者は、その者に声をかける。
「誰じゃ、お主は?」
「お主こそ誰ぞ?」
その武者もすかさず聞き返す。
両者は、どちらも身分を明かさないまま黙って睨み合う。
そんな緊迫した状況の中、先ほどの弥平次が呑気な表情で駆けつける。
「おい、半蔵・・・ん?」
弥平次は、拙者ともう一人の武者を交互に見るや、ぽつりと呟く。
「あ~半蔵が二人おったか・・・」
拙者は、弥平次に聞き返す。
「半蔵が二人?」
拙者が首を傾げると、弥平次は拙者に向かってその武者を紹介し始める。
「こちら、『鬼の半蔵』こと服部半蔵正成」
続けて弥平次は、同じように今度は拙者をその武者に紹介する。
「そしてこちら、『槍の半蔵』こと渡辺半蔵守綱」
両者を紹介し終えると、弥平次は再度二人を見返す。
「二人とも名前くらいは聞いた事があるのではないか?」
弥平次の質問に二人は何も答えず、ただただ相手をじっと見据える。
・・・こやつが、『鬼の半蔵』服部半蔵正成。
知らないはずはない。同じ名、そして歳も同じだったはず・・・嫌でも自ずと覚えてしまう。そんな相手が今、目の前におる。おそらく服部の方も似たようなことを考えておるに違いない。
しばしの沈黙の後、拙者は服部から視線を外し弥平次に移す。
「おい、弥平次。ところで何の用じゃ?」
「・・・何の用とは?」
弥平次は、とぼけた表情で聞き返す。
「お主、さっきから散々名前を呼んどったじゃろ」
「あ~」
弥平次は、そこでようやく思い出す。
「いや、今川方はもう退却を始めておるで、あまり深追いせん方がええぞと」
弥平次の忠告に服部が答える。
「余計なお世話じゃ」
服部の意見に拙者も同意する。
「まったくじゃ」
しかし、服部はそこに余計な言葉を付け加える。
「どこぞの半蔵と違い、儂は調子に乗って無謀な深追いなどせんでな」
その言葉に、拙者は眉を吊り上げながら服部を睨みつける。
「どこぞの半蔵とは、どこの半蔵のことかの~?」
拙者の質問に、服部はそっぽを向いて答える。
「儂でないのは確かじゃ」
・・・この野郎。
拙者の眉がさらに吊り上がる。
「伊賀の忍び崩れが調子に乗るなよ」
服部正成の父・半三(はんぞう)保長(やすなが)は伊賀の忍びで、家康公の祖父・清康公に認められ松平家の家臣になったという経緯がございまする。しかし、子の正成は忍びではなく侍として家康公に仕えておりました。
拙者の言葉が逆鱗(げきりん)に触れたのか、服部は声を荒らげる。
「何じゃと!?」
弥平次は、苦笑いを浮かべながら両者の間を取り持とうとする。
「まぁまぁまぁ」
一触即発の状況の中、突如掛川城から大きな鬨の声が聞こえて来ました。
その声に一同、掛川城の方に目を向ける。
また打って出て来るつもりか?
今川方の思いも寄らぬ行動に味方の兵たちも慌てふためく。
そんな中、一人の武将が大声を上げた。
「何か策があるのやもしれぬ。ここは深追いせず、一度退却じゃ!」
本多作左衛門重次殿。作左殿の言葉に、味方の兵たちも退却を開始する。
拙者たちの横を味方の兵が通り過ぎて行く中、拙者はある妙案を思いつく。
「・・・どうじゃ鬼半蔵。ここは一つ、ちょいと勝負をしてみんか?」
「勝負?」
鬼半蔵・服部正成は首を傾げる。
「そうじゃ、ちょっとした我慢比べじゃ」
服部は怪訝(けげん)な表情でこちらを見詰める。
「おそらくこれから、掛川城から今川勢がどっと打って出て来るはずじゃ。それまでの間、どちらが最後までこの場におれるか、勝負じゃ」
拙者の提案に服部はにやりと笑う。
「・・・おもしろい」
一方、二人のやり取りを聞いておった弥平次は不安そうな表情を浮かべる。
「おい、そんな危ない事止めえや。二人とも・・・」
拙者たちは、弥平次の忠告を無視し城門の方に目を向ける。
掛川城からは、今もなお鬨の声が上がっている。
「逃げるなら今のうちじゃぞ?」
拙者の言葉に服部は笑みを浮かべる。
「ふっ、戯(たわ)けが」
「ほだら・・・」
拙者は二、三間ほど前に進み後ろを振り向く。
「これならどうじゃ?」
拙者の行動に服部もすぐさま足を進め、拙者の前に躍り出る。
「それがどうした?」
「おい、二人ともよさんか・・・」
弥平次は、うんざりした表情を浮かべながらも渋々と一緒について来る。
そのようなやり取りを繰り返しておる内に、拙者たちはいつの間にか城門の目の前にまで来ておりました。
「・・・にしても」
拙者は開け放たれた城門を見詰める。
「さっきから鬨の声はするが、一向に出て来んな~」
「まったくじゃ」
拙者と服部が訝(いぶか)しげに城門を見詰めておると、そこへ弥平次が恐る恐る声をかけてくる。
「なあ、もういい加減戻らんか?」
弱音を吐く弥平次に対し拙者は冷たく言い放つ。
「なら一人で戻ればええじゃろ」
「う、うぅ」
今にも泣きそうな表情で肩を落とす弥平次。
そんな弥平次のことは気にもせず、拙者は掛川城の方を向いて大きく息を吸う。そして・・・。
「出て来るならさっさと出て来んかぁ!」
拙者の雄叫(おたけ)びに一瞬、城内の鬨の声が止むが・・・。
「出て来んな・・・これはもしや、はったりではないか?」
服部の呟きに、拙者は振り返る。
「何?」
「何か策があると見せかけて、攻めて来た敵を追い返す。よくある手じゃ」
「ほだら、儂らここにおってもしょうがないではないか」
拙者の言葉に服部は頷く。
「・・・勝負は、お預けって訳か」
肩を落とす拙者に対し、服部は苦笑いを浮かべる。
「ま、そういうことじゃな」
「な~んか納得がいかんが、仕方ないか~」
拙者が残念がっておると、弥平次が嬉しそうに声をかけてくる。
「そんなら、早う戻ろまい」
拙者は弥平次の頭を槍の柄で叩く。
「痛った!何するんじゃ!?」
頭を抑える弥平次に拙者はしれっと答える。
「八つ当たり」
「や、八つ当たりって、ちょい・・・」
拙者は、弥平次の言葉を聞きもせず掛川城に向かって再度大声を上げる。
「掛川城、絶対落としてやるで、よう覚えとけぇ!」
そして、拙者が掛川城に背を向けた直後、城の方から声が聞こえて来る。
「決意はできたのか、童(わっぱ)!?」
拙者は直ぐさま振り返る。
声の主はすぐに見つかりました。城門近くの物見櫓(やぐら)、立派な甲冑を身に纏(まと)い、相手を見下したような態度でこちらを見詰める武将。
「・・・朝比奈泰朝」
拙者は、にやりと笑い大声で答える。
「当然じゃ!」
そして、拙者たちは自陣へと戻って行きました。
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