5 / 6
第四幕「本能寺の変」
しおりを挟む○ 丹波国亀山
斉藤「殿!本能寺の信長様が襲われているとの事!」
光秀「何じゃと、一体誰に?」
斉藤「わかりませぬ」
光秀「出陣の準備はできておるか?」
斉藤「はっ。すぐにでも出られます」
光秀「よし。皆の者、行くぞ。敵は本能寺にあり!」
暗転
○ 京 本能寺
信長が寝ている所へ信忠、登場
信忠「父上、敵襲にございます!」
信長「敵襲?何者じゃ?」
信忠「死人の群れが本能寺を囲んでおりまする」
信長「何じゃと?」
信長、舞う。
信長「人間五十年、下天の内を比ぶれば、夢幻の如く成り。
一度生を受け、滅せぬ者のあるべきか」
信忠「父上」
信長、武器を手に取る。
信長「信忠、行くぞ!」
二人、退場。入れ替わりで死人の群れが登場。
客席から本多、半蔵、茶屋、おます、おかめ登場。
舞台上の本能寺の様子を伺う。
おます「死人があんな沢山」
おかめ「どう致しますか?」
半蔵「ただじっと見ておく訳にもいかんであろう」
本多「お主たち覚悟は良いか?」
頷く一同
茶屋「儂も久方ぶりに暴れてやりますぞ」
本多「では、参るぞ」
五人、舞台上へ。立ち回り。
本多「おびただしい数じゃな」
半蔵「斬っても斬ってもきりがない!」
死人の群れから森田が現れる。
森田「ん、何故徳川の者たちがここにおる」
本多「お主、何者じゃ?」
森田「徳川の者に用はない。我らの目的は信長の首よ」
本多「聞く耳持たずか」
本多、槍を構える
森田「誰であろうと我らを阻む者は許さぬぞ」
本多「それは我らとて同じよ」
森田「目には目を、徳川には徳川を」
本多「ん?」
信康、登場
半蔵「の、信康様!」
信康、徳川勢に襲いかかる。
半蔵「くっ」
本多「信康様ご本人なのか?」
半蔵「茶屋殿の話が本当なら」
本多「迂闊に手が出せんな」
森田「我々の邪魔立てをすれば容赦はせんぞ」
森田と信康、退場
半蔵「信康様!」
半蔵、二人を追いかけて行く。
おます「半蔵様!」
あますとおかめも半蔵を追って行く。
本多「待て、お主たち!」
本多も追いかけようとするも死人たちに阻まれる。
本多「くっ」
茶屋「本多殿、ここは一度退却した方がよろしいのでは?」
本多「そのようじゃな。我ら急ぎ家康様にこの事をお伝えしよう」
茶屋「はっ」
本多「半蔵、死ぬでないぞ」
本多、茶屋退場。死人も追いかけて退場。
光秀と斉藤、登場。
光秀「信長様ー!信長様ー!」
斉藤「これだけの炎ではもう・・・」
光秀「信長様・・・」
斉藤「人気がまったく感じられん。一体何があったのだ」
光秀「間に合わなかったか・・・」
暗転
○ 茶屋邸 幕間
茶屋「死人で溢れかえる本能寺。半蔵殿は信康様の姿を追い
本能寺の炎の中に消えて行った。儂と忠勝殿は、事を
伝えるべく急ぎ家康様の元へと向かった」
茶屋の後ろで子供が死人の真似をする。
子供「う、ああ、あ」
茶屋「って、何をしておるのじゃ?」
子供「死人の真似をすれば、仲間だと思って襲われないでしょ」
茶屋「ああ、そうか?」
子供「う、ああ、うう」
無視する茶屋。子供は引き続き死人を続ける。
茶屋「一方、家康様一行は大坂の堺に赴くも、やはり死人の事が
気になり引き返して河内国飯盛山付近まで戻ってきていた」
子供「うう、ああ、あ」
暗転
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
AIシミュレーション歴史小説『瑞華夢幻録』- 華麗なる夢幻の系譜 -
静風
歴史・時代
この物語は、ChatGPTで仮想空間Xを形成し、更にパラレルワールドを形成したAIシミュレーション歴史小説です。
【詳細ページ】
https://note.com/mbbs/n/ncb1a722b27fd
基本的にAIと著者との共創ですが、AIの出力を上手く引出そうと工夫しています。
以下は、AIによる「あらすじ」の出力です。
【あらすじ】
この物語は、戦国時代の日本を舞台に、織田信長と彼に仕えた数々の武将たちの壮大な物語を描いています。信長は野望を胸に秘め、天下統一を目指し勇猛果敢に戦い、国を統一するための道を歩んでいきます。
明智光秀や羽柴秀吉、黒田官兵衛など、信長に協力する強力な部下たちとの絆や葛藤、そして敵対する勢力との戦いが繰り広げられます。彼らはそれぞれの個性や戦略を持ち、信長の野望を支えながら自身の野心や信念を追い求めます。
また、物語は細川忠興や小早川隆景、真田昌幸や伊達政宗、徳川家康など、他の武将たちの活躍も描かれます。彼らの命運や人間関係、武勇と政略の交錯が繊細に描かれ、時には血なまぐさい戦いや感動的な友情、家族の絆などが描かれます。
信長の野望の果てには、国を統一するという大きな目標がありますが、その道のりには数々の試練や困難が待ち受けています。戦いの中で織り成される絆や裏切り、政治や外交の駆け引き、そして歴史の流れに乗る個々の運命が交錯しながら、物語は進んでいきます。
瑞華夢幻録は、戦国時代のダイナミックな舞台と、豪華なキャストが織り成すドラマチックな物語であり、武将たちの魂の闘いと成長、そして人間の尊厳と栄光が描かれています。一つの時代の終わりと新たな時代の始まりを背景に、信長と彼を取り巻く人々の情熱と野心、そして絆の物語が紡がれていきます。
つわもの -長連龍-
夢酔藤山
歴史・時代
能登の戦国時代は遅くに訪れた。守護大名・畠山氏が最後まで踏み止まり、戦国大名を生まぬ独特の風土が、遅まきの戦乱に晒された。古くから能登に根を張る長一族にとって、この戦乱は幸でもあり不幸でもあった。
裏切り、また裏切り。
大国である越後上杉謙信が迫る。長続連は織田信長の可能性に早くから着目していた。出家させていた次男・孝恩寺宗顒に、急ぎ信長へ救援を求めるよう諭す。
それが、修羅となる孝恩寺宗顒の第一歩だった。
空蝉
横山美香
歴史・時代
薩摩藩島津家の分家の娘として生まれながら、将軍家御台所となった天璋院篤姫。孝明天皇の妹という高貴な生まれから、第十四代将軍・徳川家定の妻となった和宮親子内親王。
二人の女性と二組の夫婦の恋と人生の物語です。
前夜 ~敵は本能寺にあり~
四谷軒
歴史・時代
【あらすじ】
織田信忠は、本能寺の変の前夜、父・信長を訪れていた。そして信長から、織田家の――信忠の今後と、明智光秀の今後についての考えを聞く。それを知った光秀は……。
【表紙画像・挿絵画像】
「きまぐれアフター」様より
白蝶
白頭
歴史・時代
日本最大の湖・琵琶湖を有する近江。その北東に小さな村があった。村長の跡継ぎとして生まれた大谷平馬(後の吉継)は、村長として順風満帆の日々を送ると思っていたが、戦で父を失くし、さらに幼なじみをも失くしてしまう。そんな平馬を救ったのは、生涯の友・石田佐吉(後の三成)や、運命の主君・羽柴(豊臣)秀吉であった。平馬はやがて秀吉に「100万の軍勢の指揮を執らせてみたい」と言わしめ、徳川家康からも一目置かれる武将となる。これは、失意のどん底にあった一人の少年が、現代にも語り継がれる名将・大谷吉継へと成長を遂げる再生の物語。
※この物語は史実をもとにしたフィクションです。物語の都合上、史実を改変している箇所があります。
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。

徳川家康。一向宗に認められていた不入の権を侵害し紛争に発展。家中が二分する中、岡崎に身を寄せていた戸田忠次が採った行動。それは……。
俣彦
歴史・時代
1563年。徳川家康が三河国内の一向宗が持つ「不入の権」を侵害。
両者の対立はエスカレートし紛争に発展。双方共に関係を持つ徳川の家臣は分裂。
そんな中、岡崎に身を寄せていた戸田忠次は……。

竹束(1575年、長篠の戦い)
銅大
歴史・時代
竹束とは、切った竹をつなげた盾のことです。室町時代。日本に鉄砲が入ってくると同時に、竹束が作られるようになります。では、この竹束は誰が持ち、どのように使われたのでしょう。1575年の長篠の戦いに参加した伊勢の鉄砲足軽とその家人の視点で、竹束とその使い方を描いてみました。

本能のままに
揚羽
歴史・時代
1582年本能寺にて織田信長は明智光秀の謀反により亡くなる…はずだった
もし信長が生きていたらどうなっていたのだろうか…というifストーリーです!もしよかったら見ていってください!
※更新は不定期になると思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる