となりの席の変態さん

最後の冬休み編

秋兎は探りを入れたい

のんびりとした冬休み
プレゼント選びに悩んでいた俺は
さりげなく探りを入れるため
舞に話し掛けた。


「なぁ舞」

『何かしら秋兎くん？』

「最近、寒いよな？」

『…そうね？この前も雪降ったしね？』

「風邪引かないようにしなきゃな？」

『確かにこの時期は気を付けなきゃね？』

「…」

…おや？探りってどう入れるんだ？

『…ねぇ秋兎くん？』

「何だよ舞？」

『いつになったら素敵ワードを出してくれるの？』


「何の話だ！？」

『いやいや…私達はそうやって会話してきたじゃない？』


「舞発信の時はな！？」

『いつまでも受け身じゃダメよ秋兎くん？』

「謎の悔しさ！」

欲しいものを探りたいだけなのに！

『…なるほどプレゼント選びに難航してるのね？』


「電話越しに心を読むな！？」

『秋兎くんに探りとかは向いてないと思うわよ？』


「うぐっ」

『な、泣かないでよ…素直だからっていい意味よ？』


「プレゼント何がいい？」

もうバレたのである意味無敵な俺は
素直に聞くことにした。

『そうね…』

舞は少し考え…

『秋兎くんとの時間かしらね？』

「現物は！？」

『プレゼントを現物って言い方にするの何か嫌ね？』


「俺も言って思った！」

何か夢的なものがない！

『ふふ…ねぇ秋兎くん？』

「何だよ舞？」

『私からの答えはひとつよ？』

「ん？」

『当日、楽しみにしてるわね？』

電話越しに楽しげで少し意地悪な声が
聞こえてきた…そうだよな。


「あぁ楽しみにしててくれ！」

俺はそう言って電話を切った。

「…何が欲しいかじゃなくて何を渡したいかだよなプレゼントって」


俺はそう思いながらデパートに向かった。