となりの席の変態さん

犬派のノラ猫

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三年生一学期編2

男の夜釣り

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のんびりとした休日
パジャマパーティーをするのに
邪魔になりそうだなと思ってた俺を
夜釣りに誘ってくれた凛さんと
釣糸を垂らしていると
凛さんは話し掛けてきた。


「なぁ秋兎」

「何ですか凛さん?」

「釣れないな…」

「釣れないですね。」

糸を垂らして早2時間…

「…プカプカと浮きの上の光が浮かんでるのを見てるだけだったな。」


「そうですね。」

「一回くらい…沈まないだろうか?」

「…沈んで欲しいですね」

「これが真夏の海岸ならな…」

「キスでも釣るんですか?」

「キスをする相手を釣る」

「奥さんに伝えておきますね」


「もはや定番になったな秋兎よ」

「そうですね…」

「そしてその必要は今回ない」

「なぜ?」

「母さんの前でナンパしたからな!」

「なんで!?」

「いや…ナンパと言うか…昔海に行った時に少し喧嘩してな…そんな時優しく声をかけてくれたお姉さま方に少し心が揺らいで…」 


「揺らいで?」

「次の瞬間、俺の息子が下から蹴り揺らされた。」

……

「「……」」

圧倒的無言と無音…いや波音。

「あ、そう言えば昔…」

「まだ何かあるんですか?」

「水着(上)を釣りあげたことがある。」

「マジですか…」

「全然引かないし何だろうとあげてみたら、大きな二つのクラゲが引っ掛かっていたんだ。」


「表現がなんか嫌ですね?」

「母さんにもそう言われた。」

「それも見られたんですね…」

「『あなたは竿までそんななのね』と言われて少し興奮した。」


「ぶっちゃけないでください!?」

「ちなみに母さんは釣糸を垂らせばほぼ100%釣れてたな。」


「マジですか。」

「何故か変なのばっかり釣れてたがな?」

「だから凛さんも釣られたんですね」

「遠回しにディスったな!?」

結局釣果は0!
まぁ何だかんだ楽しい時間は過ごせたかな?
そんなことを考えていると…


「なぁ秋兎」

「何ですか凛さん?」

「今年の夏は2人で海に行くか!」

「随時、舞に報告していいなら。」

「…みんなで行こうか!」

何かを誤魔化した凛さんは笑顔でそう言った。
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