となりの席の変態さん

犬派のノラ猫

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三年生一学期編

神川 凛は絆を深めたい。

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のんびりとは一応している休日
凛さんが突然家を訪ねてきた。
冬花は舞とウォーキングに行って不在なので
おそらく暇で訪ねて来た凛さんは話し掛けてきた。



「なぁ秋兎」

「何ですか凛さん?」

「男の友情を深めるにはどうしたらいいと思う?」

「…ちなみに誰と誰の話ですか?」

「私と秋兎のだ」

「それを本人に聞いちゃうんですね?」

「聞いちゃうくらい思い付かないんだ!」

「そんなに俺って接しにくいですか?」

「いやいや、そんなことは無い!むしろ祖母のような安心感を感じるときもある!」


「それはそれで複雑な心境です!」

「秋兎が女の子ならなぁ~…」

「口説いてましたか?」

「口説きはしないが友達になれただろうな!」

「逆に男だと無理なんですか?」

「だって娘の彼氏だろ?」

「ま、まぁ…確かに」

「愛娘をNTRされた訳じゃないか?」

「何か違くないですか!?」

「使い方が違ったか…若者言葉は難しいな」

「それ別に若者言葉じゃ無いですけどね!?」

「まぁ雑談はこれくらいにして…」

そう言うと凛さんは真剣な顔でこちらを
見つめてきた。


「君…まだ舞を愛しているかね?」

「…何ですかいきなり?」

「いいから。」

「…もちろん愛してますよ?」

「棚橋の観客愛より愛してると言えるか?」

「例えが少し伝わりにくいですね!?」

まぁ俺もリング上で愛を叫べるくらいには
愛してますけど!

「ふむ…そうか…なら、伊◯誠より愛してるか?」

「それは比べる対象にすらなりません。」

あれは人間の悪い部分を煮込んで出たアクを
すくって濃縮したなにかです。


「…ショートケーキより愛してるか?」

「それは愛してますけど、好きの種類が違いませんか!?」


「俺より愛しているか?」

「愛してます。」

「そこは突っ込みを入れないんだね秋兎!?」

「凛さんも別ジャンルですから…」

「それはそれでオジサン、ドキドキしちゃう」

《カタンッ…》

「何かゆっくりコップが倒れましたけど?」

「気にしないでくれ、最近心霊現象が頻発してるだけだから。」


「気にしましょうよ!?」

「いや…まぁ…いいんだ。」

何か複雑そうな顔をした
凛さんにそれ以上何も言わずにタオルを渡した。


「ありがとう…まぁあれだ。」

「?」

「舞を愛してるならよかった。」

そう言って安心したように凛さんは笑った

「しかし何でまたいきなりそんなことを?」

「いや、ちゃんと愛してるか心配になって…」

「遠距離恋愛中の彼女みたいな理由だった!?」

その後、あれやこれやテレビを見ながら話したり
ボーイズトークをしたりして盛り上がった。

帰り際に凛さんが
『好感度が上がる音がしたからそろそろ帰るよ』
と言ったのが少し気になったが…まぁ良しとしよう

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