となりの席の変態さん

犬派のノラ猫

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会えなくて言えなくて

進撃の巨漢

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のんびりとした三ヶ日
昨日の初詣からそのまま帰宅し
さて、今日は何をしようかと思っていると
チャイムが鳴った

「…あぁ、冬花は出掛けてるんだっけか。」

今日はどうしても欲しい福袋あるらしく
友達と出掛けてるんだった…

やれやれと玄関を開けると__


「お久しぶりです。アキさん」

巨漢のオカマが話し掛けてきた。

「どちら様ですか!?」

「あら、お忘れですか?」

この巨漢のオカマを忘れることなんかあるか俺!?
…お、思い出せぇ~…何かヒントとか…

『お久しぶりです。アキさん』

アキさん…?
このアダ名で呼ぶ、俺と久しぶりに会う巨漢…って…


「もしかして…玉男たまおさん?」

「覚えててくれて嬉しいです!」

うわ!?巨漢のオカマがクネクネしだした!?
あ、仕草は以外とかわいい…じゃないぞ俺!?


「何がどうなってこうなったんです!?」

「話せば長くなります。…お邪魔しても?」

「は、はい」

俺はめっっっちゃ覚悟を決めて玉男さんを
中に入れた。





この人の名前は竿田 玉男さおた たまお
両親が出て行ってから
すぐ来てくれて俺達の面倒を見てくれた人だ。
流石に二人で暮らすのは法律とか近所の目が危ないからな。
まぁ、俺が高校に上がるまで
親代わりをしてくれてた訳だが…



「玉男さん…変わりましたね!?」

もっと男らしかったじゃん!?
シュワちゃんみたいだったじゃん!?


「そんなに老けたかしら?」

「それどころの変化じゃないですよ!?」

「あぁ~…もしかしてこの見た目ですか?」

あ、気にしてたかな…確かに玉男さんにとっても
一大決心で勇気がいることだったろうに…
配慮が足りなかった。


「あなた達の擬似子育てしてたら、母性が溢れ散らかしまして」


「母性が溢れ散らかした!?」

「そして、気付いたんです」

「な、何にですか?」

「母性が溢れ散らかすなら女性になればいいと!」

「訳が分かりませんよ!?」

「それで、女装してみたら…」

「は、はい…」

「癖になりました。」

「なっちゃいましたか…」

「あ、ちなみに恋愛対象は昔から両方いけます!」

「知りたくなかった!」

「…さて、今日来た訳ですが…」

「い、いきなり落ち着かないでくださいよ」

俺がビックリしていると玉男さんは鞄から手紙を取り出し


「ご両親からの手紙を預かってきました。」

そう言って俺に渡してきた。


「…お墓参り行く気になってくれたみたいだな。」

俺は渡された手紙に目を通しほっと胸を撫で下ろす。

「それで?」

「と、言いますと?」

「これだけなら、手紙を出すかメールでいいでしょ?…わざわざ玉男さんが来た理由は何ですか?」



「あら、そんなの顔を久しぶりに見るt「嘘つきですね」」

俺がそう言うと玉男さんは溜め息をつき

「めんどくさい親子ですね…」

と、言って俺を軽々と持ち上げると玄関を出て…て!?


「ちょいちょい玉男さん!?誘拐ですよ!?」

「そうですよ!」

「そうですよ!?」

俺は清々しいほど堂々と誘拐されたのだった。

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