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二年目二学期編

文化祭【これから先も】

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のんびりとした文化祭終盤
ベタベタにキャンプファイアが行われている
でも今時キャンプファイアで
ダンスなんて逆にレアだなと思っていると
真横で珍妙なダンスを始めた神川さんは話し掛けてきた



「ねぇ秋兎くん」

「何だよ舞?」

「うまく踊れないわ…」

「まぁ…うん」

「せ、せめて何か言ってくれないかしら?」

「お、面白いぞ?」

「ウケ狙いじゃないわよ!?」

「…お前、運動神経いいのにたまに運動音痴だよな…」

「…頭のいい人間が全ての教科が完璧じゃないのと同じよ」

「なるほど?」

「私は…決められたことは得意なのよ」

「うん?」

「だけど自分で考えて動くのが少し苦手」


「なるほど…」


「だから、恋愛は苦手だった。」

「そう言えば言ってたな」

「そう…誰も悪くないけど私は終わりを見てしまったから」

お母さんの死…か。

「ずっと怖かったけど…」

そう言いながら舞は相も変わらず面白い踊り方だが
しっかりと踊り

「やっぱり貴方しか居ないわ」

何かを決意した様子の舞は俺の肩をしっかりと掴み
笑顔とも微笑みともどこか違う表情をし


「ねぇ秋兎くん」

「何だよ舞?」

「卒業したら結婚しましょ?」

「なるほど?…ん?ん?ん!?」

「何よ?」

「いや、あまりの出来事に頭が回ってないんだよ!?」

「私は数ヵ月前から頭をフル回転させて考えてたわ!」

「お、おう」

「で、返事は?」

あぁ…そんなの…付き合ってから
答えは決まってる


「俺何かで良かったら…ぜひ」

「秋兎くん?」

「なんだ?」

「秋兎くんでも秋兎くんをバカにしたら私は許さないわよ?」


「?」

「私が好きになって…一生を捧げたいと思った男を″何か″何て言うんじゃないわよ!」


「…そうだな」

「ぶん殴るわよ?」

「おぉ…怖いな」

「当たり前よ…私がこれから愛し抜く男をバカにしたんだから」


「だな…なぁ舞」

「何よ秋兎くん?」

うん。俺は…間違いなく舞が好きだ
もちろん、今までも思ってたし

当たり前になりつつあった感情だが…
改めて自覚した

前も思ったが、いつも突然なんだよ
前も思ったが、俺から言わせろよ…

男の面目がナントヤラだ。

…せっかく、いざって時のために
考えて考え抜いた恥ずかしいセリフを
このタイミングで言いたくなったじゃないか…
おい…神川…舞…!






「これから先もお前のとなりに居させてくれ」


「…料金は高いわよ?」

「一生かけて払うよ」

「当たり前よ…でも、それだけじゃ足りないわ」

「何だ…何か欲しいのか?」

「そうね…結婚指輪と…」

平気そうに踊っている舞の体温の上昇を感じながら
俺は指摘するのは野暮かと笑いながら次の言葉を待った








「あとは赤ちゃんね!」

「ここで叫ぶな!後でこっそり伝えろ!?」





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