となりの席の変態さん

犬派のノラ猫

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二年目夏休み編

冬花のドキドキ!クッキング!

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のんびりとした夏休み
料理を学びたいらしい冬花とキッチンに
立っていた目玉焼きを焼くことに
緊張を隠せない冬花は話し掛けてきた。



「ねぇ兄ちゃん」

「どうした冬花?」

「目玉焼きってタマゴはフライパンに落とすんだっけ?一回お皿に移すんだっけ?」


「両方あるぞ?一回皿に移せば形は綺麗に焼けるな」

「な、なるほど…」

「でも、直接でいいだろ?」

出来るだけ洗い物を減らすのも
家庭料理では大切なポイントだ

「わ、分かった」

「そんなに緊張するなよ…初めてじゃないだろ?」

「う、うん…でも上手に出来るか心配で…」

「ちゃんと教えてやるから…ほら、力抜け?」

「う、うん…兄ちゃんに任せる…」

『あなた達ワザとなの?』

と、そういえば通話を繋いでいた神川さんは
話し掛けてきた。


「何の話だ舞?」

『…私は禁断の関係になりかけてるのかとヒヤヒヤしながらムラムラして聞いてたわ』


「何を言ってるんですか舞さん?」

『無自覚ってエッチだなって話よ』

意味が分からないことを言い始めた舞は放置プレイして
目玉焼きを焼き始めた


「まずは、油を引こう」

「う、うん…どれくらい?」

「そうだな…あんまり考えたことなかったが…大さじ1くらいじゃないか?」

俺は一応大さじを渡す

「わ、分かった…あ、溢れちゃう」

「おいおい…何してんだ…はいティッシュ」

「うぅ…ヌルヌルする…」

「ティッシュじゃダメだな…」

「ティッシュベタベタになったし、手に引っ付くね」

「普通に手洗え…油は入れとくから」

「ありがとう兄ちゃん」

「まったく…」


『ワザとなの?』

「何が?」 

『……まぁいいわ』

「さて、油を温めよう」

「う、うん…」

ちなみにタマゴは常温に戻してる
戻す理由は知らないが調べたら出たので
興味本位でやってみた


「あつっ!」

「大丈夫か!?」

『冬花ちゃん!?』

「熱いのが顔に…」

「ちょっと待ってろ!」

よりによって顔に飛ぶなよ!
油!仕事してないのに水で流したろか!?

俺は油に激怒しながら氷を袋に入れ
冬花に渡した


「取り敢えず冷やしとけ!」

「あ、ありがとう」

「あとは兄ちゃんがやっとk「ダメだよ兄ちゃん!私がやるの!」」


いつもなら、ここで俺に任せてたのに…

「成長したな…冬花!」

『おっぱいもね!』

「舞…通話切ったろか?」

『ごめんなさい!』

せっかく感動する雰囲気だったのに
この女は…冬花は胸を押さえて生々しい反応をするな!

「じゃ、じゃあもう一度火をつけるか」

「う、うん」

冬花は覚悟を決めて火をつける
パチパチと少し油がはね始める

「よし、ちょっと火を弱くしろ!」

「うん!」

「今だ!出来るだけ低い位置からタマゴを落とせ!」

「うん!!」

俺の指示を聞いて冬花はタマゴを落とした
殻ごと


「バカヤロオオオオオオ!!」

「な、なに!?兄ちゃん!?」

「お前は目玉焼きを見たことがないのか!」

「あるよ!」

「なら、何故そうなる!」

「何かの一手間じゃないの!?」

「ちがわい!普通に割って落とせって事だろうが!あっついな!?」

俺はタマゴを回収して水で冷やして
キッチンペーパーで拭いて渡した

「がんばれ…冬花!」

「うん!」

その後無事?
目玉焼きを完成させた冬花は
フルコースでも作ったんかという疲労感を感じさせ
リビングで力尽きていた。


「なぁ、舞」

『何かしら秋兎くん?』

「料理教えるのっていいな」 

『誰かに何かを教えるのは楽しいわよね!』

「それはもちろんなんだが…」

『ん?』

「何か、子供が出来たら楽しいんだろうなって思った」

『あら…ふふ…そう』

「じゃ、目玉焼き食べるわ…また連絡する」

『うん。待ってるわ』

俺は電話を切り
冬花の焼いた目玉焼きに醤油をかけた

「うん…白身は縁が焦げてガチガチ…黄身は火が通りすぎてボソボソ…俺の教え方が悪かったな」

自分でやるのと勝手が違うから案外難しいなと
思いつつ

「なるほど…確かに教える側も成長するわけだ」

俺はそんなことを思いながらあとで冬花に
アイスでも買ってやろうとそう思うのだった
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