となりの席の変態さん

犬派のノラ猫

文字の大きさ
上 下
292 / 815
二年目夏休み編

冬花のドキドキ!クッキング!

しおりを挟む
のんびりとした夏休み
料理を学びたいらしい冬花とキッチンに
立っていた目玉焼きを焼くことに
緊張を隠せない冬花は話し掛けてきた。



「ねぇ兄ちゃん」

「どうした冬花?」

「目玉焼きってタマゴはフライパンに落とすんだっけ?一回お皿に移すんだっけ?」


「両方あるぞ?一回皿に移せば形は綺麗に焼けるな」

「な、なるほど…」

「でも、直接でいいだろ?」

出来るだけ洗い物を減らすのも
家庭料理では大切なポイントだ

「わ、分かった」

「そんなに緊張するなよ…初めてじゃないだろ?」

「う、うん…でも上手に出来るか心配で…」

「ちゃんと教えてやるから…ほら、力抜け?」

「う、うん…兄ちゃんに任せる…」

『あなた達ワザとなの?』

と、そういえば通話を繋いでいた神川さんは
話し掛けてきた。


「何の話だ舞?」

『…私は禁断の関係になりかけてるのかとヒヤヒヤしながらムラムラして聞いてたわ』


「何を言ってるんですか舞さん?」

『無自覚ってエッチだなって話よ』

意味が分からないことを言い始めた舞は放置プレイして
目玉焼きを焼き始めた


「まずは、油を引こう」

「う、うん…どれくらい?」

「そうだな…あんまり考えたことなかったが…大さじ1くらいじゃないか?」

俺は一応大さじを渡す

「わ、分かった…あ、溢れちゃう」

「おいおい…何してんだ…はいティッシュ」

「うぅ…ヌルヌルする…」

「ティッシュじゃダメだな…」

「ティッシュベタベタになったし、手に引っ付くね」

「普通に手洗え…油は入れとくから」

「ありがとう兄ちゃん」

「まったく…」


『ワザとなの?』

「何が?」 

『……まぁいいわ』

「さて、油を温めよう」

「う、うん…」

ちなみにタマゴは常温に戻してる
戻す理由は知らないが調べたら出たので
興味本位でやってみた


「あつっ!」

「大丈夫か!?」

『冬花ちゃん!?』

「熱いのが顔に…」

「ちょっと待ってろ!」

よりによって顔に飛ぶなよ!
油!仕事してないのに水で流したろか!?

俺は油に激怒しながら氷を袋に入れ
冬花に渡した


「取り敢えず冷やしとけ!」

「あ、ありがとう」

「あとは兄ちゃんがやっとk「ダメだよ兄ちゃん!私がやるの!」」


いつもなら、ここで俺に任せてたのに…

「成長したな…冬花!」

『おっぱいもね!』

「舞…通話切ったろか?」

『ごめんなさい!』

せっかく感動する雰囲気だったのに
この女は…冬花は胸を押さえて生々しい反応をするな!

「じゃ、じゃあもう一度火をつけるか」

「う、うん」

冬花は覚悟を決めて火をつける
パチパチと少し油がはね始める

「よし、ちょっと火を弱くしろ!」

「うん!」

「今だ!出来るだけ低い位置からタマゴを落とせ!」

「うん!!」

俺の指示を聞いて冬花はタマゴを落とした
殻ごと


「バカヤロオオオオオオ!!」

「な、なに!?兄ちゃん!?」

「お前は目玉焼きを見たことがないのか!」

「あるよ!」

「なら、何故そうなる!」

「何かの一手間じゃないの!?」

「ちがわい!普通に割って落とせって事だろうが!あっついな!?」

俺はタマゴを回収して水で冷やして
キッチンペーパーで拭いて渡した

「がんばれ…冬花!」

「うん!」

その後無事?
目玉焼きを完成させた冬花は
フルコースでも作ったんかという疲労感を感じさせ
リビングで力尽きていた。


「なぁ、舞」

『何かしら秋兎くん?』

「料理教えるのっていいな」 

『誰かに何かを教えるのは楽しいわよね!』

「それはもちろんなんだが…」

『ん?』

「何か、子供が出来たら楽しいんだろうなって思った」

『あら…ふふ…そう』

「じゃ、目玉焼き食べるわ…また連絡する」

『うん。待ってるわ』

俺は電話を切り
冬花の焼いた目玉焼きに醤油をかけた

「うん…白身は縁が焦げてガチガチ…黄身は火が通りすぎてボソボソ…俺の教え方が悪かったな」

自分でやるのと勝手が違うから案外難しいなと
思いつつ

「なるほど…確かに教える側も成長するわけだ」

俺はそんなことを思いながらあとで冬花に
アイスでも買ってやろうとそう思うのだった
しおりを挟む
感想 23

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...