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二学期編
ありがとうも
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3人が集まった俺の部屋
流石に狭いなと考えながらも
俺はベッドに腰掛けふたりを見ていると
神川さんは話しかけてきた。
「ねぇ…秋兎くん」
「何だよ舞?」
「それは誘ってるの?」
「どうゆうことだ?」
「ベッドに腰掛けるなんて…押し倒してって言ってるのと同じじゃない!」
「そんなつもりは無い!」
「生誕祭を性誕祭にするつもりね!」
「分かりにくいわ!」
と、いつもの調子で話していると
冬花が俺を見てきて
「兄ちゃん…床に座りなさい!」
「えぇぇ!?なんで!?」
「兄ちゃんは押し倒されるところを妹に見せたいの!?」
「押し倒されねぇよ!?」
「え…秋兎くんそうゆう性癖が?」
「無いよ!?」
冬花が段々汚染されてる気がする……
「そ、それよりケーキ食べようぜ?」
俺は話をそらすべく机の上に置かれた
ケーキを指さした。
3種類あるな……
モンブラン、ショートケーキ、チョコケーキ
ふむ……迷うな。
「流石冬花……俺の好物を的確に!」
「ふふふ…妹ですから!」ドヤッ
「ぐぬぬ……」
「舞……ぐぬぬが口に出てるぞ?」
ぐぬぬって本当に言う人いるんだな。
「さて、どれにするかジャンケンで決めるか?」
「何言ってるの兄ちゃん?」
「ん?」
「まず兄ちゃんが好きなの選びなよ?」
「いや、不公平だろ?」
「いいの!兄ちゃんの誕生日なんだから!」
と、冬花が言った瞬間思い出した
そうだ…今日は俺の誕生日だ。
「あ、忘れてたわ」
そう言って舞はこちらに顔を向けながら
「誕生日おめでとう」
と、笑顔で言った。
「……あれ?」
気が付いたら俺は泣いていた。
そんな俺を見いる心配そうな舞を見て
さらに涙が溢れてきた…そうだ
俺は…この日いつも…
「悪い……ちょっとトイレ……」
「自家発電ならここで……」
いつもなら突っ込むがそんな余裕は無く
俺は部屋を出た。
【冬花視点】
兄ちゃんは泣いた……
やっぱり今年も泣いてしまった
「あ、あの冬花さん?」
「何でしょうか舞さん?」
「秋兎くんはなんで泣いてたのかしら?」
すごく心配そうにこちらを見る舞さん
平静を装ってしっかりとこちらを見てる。
「嬉しかったんだと……思います。」
「うれしい?……誕生日のお祝いが?」
「毎年泣いちゃうんです……」
「それって何でなのかしら?」
「……正確にはあの人達が日本を離れてから」
「あの人達?」
本当は答えたくない。
だけど、いつかは知られてしまうことだから…
「私達の……両親です。」
「お父さんお母さん?」
「いえ、両親です。」
言い方の違いだけどここは譲れない。
「……御両親は今どこに?」
「今は国外にいます。」
「こ、国外……お仕事かしら?」
「そうです…この家も両親の家です。」
「家族の……では無く?」
「はい。」
そうここはあの人達の家…
「両親は…もう10年帰って来ていません。」
「そんな……」
「兄ちゃんは両親が出て行った日からも泣かずに私を守ってくれました。」
「っ……」
「もう繋がりは…仕送りのお金だけですけどね……」
しかし、それで生きているのだから
文句も言えない……言ってはいけない。
「そう……」
「だから……」
「ん?」
「たくさんお祝いしてあげてください。両親がしてこれなかったお祝いを。そして優しさをあげてください。」
私はそう言いニッコリと笑った。
【秋兎視点】
かっこわりぃ……
誕生日を祝って貰うのって慣れないな…
きっと俺の中で自分の誕生日は特別な日じゃないんだ…
あの人達が出て行く前は
もう少し違った気もするが…
冬花とあの人ぐらいだったもんな…
ちゃんと覚えてる限りお祝いしてくれたの…
祝い方は分かるが…祝われ方が分からない…
でもこれだけは言わなきゃいけないことは
知ってる…なのに!
「【ありがとう】も言えないのかよダメ兄貴が!」
俺は恥ずかしいが普通にトイレから帰ってきた
雰囲気で自室に入った。
すると2人は何も無かったようにこちらを見て
「あら秋兎くん…ずいぶんと長い自家発電だったわね?」
「え…兄ちゃんトイレ共同なんだから換気しといてね?」
「おいこら変態共!そんなことしてねぇわ
!!」
「何なら私が発電機になるわよ?」
「や、やめてください舞さん……その手の動き。」
「あら、冬花さん変な妄想でもしたのかしら?」
「し、してないですから!?」
「あら、そう……って秋兎くん主役がいつまで立ってるつもり?」
「あ、あぁ……悪い。」
「まったく……立つのは修正ペンだけで十分よ」
「やめい!」
「修正ペン?」
「聞かなくていいぞ冬花!」
まったく……何かおかげで涙は引っ込んだが
別の意味で悲しくなったな。
と、思いながら俺はベッドに腰を下ろした
……瞬間だった。
「とりゃ!」
と、言いながら舞が飛び込んで来た……
ふむ……妹の前で押し倒された。
…………不覚!
「って降りろ舞!いろんな意味でやば……」
俺が舞を怒ろうとした瞬間柔らかな
感触で口を塞がれた……って
「妹の前で何してんだ!?」
妹の前で押し倒された挙句キスされたぞ!?
もう無理!気まずい雰囲気が家庭に流れる!
っと思い冬花の方を見ると……
「あれ?冬花どこいった?」
「ここだよ兄ちゃん?」
なぁんだ!柔らかいと思ったら
冬花の膝枕か!…って!?
「何お前まで参加してるの!?」
「いや、あのまま倒れたら兄ちゃん頭痛いと思って……」
「あ、ありがとう?」
悪気は無いみたいだな……膝枕はともかく。
「しかし兄ちゃん……私の膝の上で彼女からキスされるなんてすごい状態だね?」
「オーマイゴッド!」
「ふふふ……兄貴の変態!」
「俺のせいじゃないだろ!?」
「そうね私のせいね…だから妹さん私を罵倒して!」
「舞さんには罵倒が御褒美なのでしません!」
「そんな~」
「それに今日御褒美を貰うべきは兄ちゃんですから。」
「いや…もう色々と充分です。」
御褒美って言い方は気になるが……まぁ
嬉しかったし楽しかった。
「舞……冬花……」
「「何かな(しら))?」」
「今日は……ありがとう。」
言いたかった言葉を俺は遅れて
ようやく口に出来た。
「ちょっと……トイレ借りるわ」
「何だよ舞……お前も泣くのか?」
「いえ、ちょっと自家発電しに……」
「やめい!?」
流石に狭いなと考えながらも
俺はベッドに腰掛けふたりを見ていると
神川さんは話しかけてきた。
「ねぇ…秋兎くん」
「何だよ舞?」
「それは誘ってるの?」
「どうゆうことだ?」
「ベッドに腰掛けるなんて…押し倒してって言ってるのと同じじゃない!」
「そんなつもりは無い!」
「生誕祭を性誕祭にするつもりね!」
「分かりにくいわ!」
と、いつもの調子で話していると
冬花が俺を見てきて
「兄ちゃん…床に座りなさい!」
「えぇぇ!?なんで!?」
「兄ちゃんは押し倒されるところを妹に見せたいの!?」
「押し倒されねぇよ!?」
「え…秋兎くんそうゆう性癖が?」
「無いよ!?」
冬花が段々汚染されてる気がする……
「そ、それよりケーキ食べようぜ?」
俺は話をそらすべく机の上に置かれた
ケーキを指さした。
3種類あるな……
モンブラン、ショートケーキ、チョコケーキ
ふむ……迷うな。
「流石冬花……俺の好物を的確に!」
「ふふふ…妹ですから!」ドヤッ
「ぐぬぬ……」
「舞……ぐぬぬが口に出てるぞ?」
ぐぬぬって本当に言う人いるんだな。
「さて、どれにするかジャンケンで決めるか?」
「何言ってるの兄ちゃん?」
「ん?」
「まず兄ちゃんが好きなの選びなよ?」
「いや、不公平だろ?」
「いいの!兄ちゃんの誕生日なんだから!」
と、冬花が言った瞬間思い出した
そうだ…今日は俺の誕生日だ。
「あ、忘れてたわ」
そう言って舞はこちらに顔を向けながら
「誕生日おめでとう」
と、笑顔で言った。
「……あれ?」
気が付いたら俺は泣いていた。
そんな俺を見いる心配そうな舞を見て
さらに涙が溢れてきた…そうだ
俺は…この日いつも…
「悪い……ちょっとトイレ……」
「自家発電ならここで……」
いつもなら突っ込むがそんな余裕は無く
俺は部屋を出た。
【冬花視点】
兄ちゃんは泣いた……
やっぱり今年も泣いてしまった
「あ、あの冬花さん?」
「何でしょうか舞さん?」
「秋兎くんはなんで泣いてたのかしら?」
すごく心配そうにこちらを見る舞さん
平静を装ってしっかりとこちらを見てる。
「嬉しかったんだと……思います。」
「うれしい?……誕生日のお祝いが?」
「毎年泣いちゃうんです……」
「それって何でなのかしら?」
「……正確にはあの人達が日本を離れてから」
「あの人達?」
本当は答えたくない。
だけど、いつかは知られてしまうことだから…
「私達の……両親です。」
「お父さんお母さん?」
「いえ、両親です。」
言い方の違いだけどここは譲れない。
「……御両親は今どこに?」
「今は国外にいます。」
「こ、国外……お仕事かしら?」
「そうです…この家も両親の家です。」
「家族の……では無く?」
「はい。」
そうここはあの人達の家…
「両親は…もう10年帰って来ていません。」
「そんな……」
「兄ちゃんは両親が出て行った日からも泣かずに私を守ってくれました。」
「っ……」
「もう繋がりは…仕送りのお金だけですけどね……」
しかし、それで生きているのだから
文句も言えない……言ってはいけない。
「そう……」
「だから……」
「ん?」
「たくさんお祝いしてあげてください。両親がしてこれなかったお祝いを。そして優しさをあげてください。」
私はそう言いニッコリと笑った。
【秋兎視点】
かっこわりぃ……
誕生日を祝って貰うのって慣れないな…
きっと俺の中で自分の誕生日は特別な日じゃないんだ…
あの人達が出て行く前は
もう少し違った気もするが…
冬花とあの人ぐらいだったもんな…
ちゃんと覚えてる限りお祝いしてくれたの…
祝い方は分かるが…祝われ方が分からない…
でもこれだけは言わなきゃいけないことは
知ってる…なのに!
「【ありがとう】も言えないのかよダメ兄貴が!」
俺は恥ずかしいが普通にトイレから帰ってきた
雰囲気で自室に入った。
すると2人は何も無かったようにこちらを見て
「あら秋兎くん…ずいぶんと長い自家発電だったわね?」
「え…兄ちゃんトイレ共同なんだから換気しといてね?」
「おいこら変態共!そんなことしてねぇわ
!!」
「何なら私が発電機になるわよ?」
「や、やめてください舞さん……その手の動き。」
「あら、冬花さん変な妄想でもしたのかしら?」
「し、してないですから!?」
「あら、そう……って秋兎くん主役がいつまで立ってるつもり?」
「あ、あぁ……悪い。」
「まったく……立つのは修正ペンだけで十分よ」
「やめい!」
「修正ペン?」
「聞かなくていいぞ冬花!」
まったく……何かおかげで涙は引っ込んだが
別の意味で悲しくなったな。
と、思いながら俺はベッドに腰を下ろした
……瞬間だった。
「とりゃ!」
と、言いながら舞が飛び込んで来た……
ふむ……妹の前で押し倒された。
…………不覚!
「って降りろ舞!いろんな意味でやば……」
俺が舞を怒ろうとした瞬間柔らかな
感触で口を塞がれた……って
「妹の前で何してんだ!?」
妹の前で押し倒された挙句キスされたぞ!?
もう無理!気まずい雰囲気が家庭に流れる!
っと思い冬花の方を見ると……
「あれ?冬花どこいった?」
「ここだよ兄ちゃん?」
なぁんだ!柔らかいと思ったら
冬花の膝枕か!…って!?
「何お前まで参加してるの!?」
「いや、あのまま倒れたら兄ちゃん頭痛いと思って……」
「あ、ありがとう?」
悪気は無いみたいだな……膝枕はともかく。
「しかし兄ちゃん……私の膝の上で彼女からキスされるなんてすごい状態だね?」
「オーマイゴッド!」
「ふふふ……兄貴の変態!」
「俺のせいじゃないだろ!?」
「そうね私のせいね…だから妹さん私を罵倒して!」
「舞さんには罵倒が御褒美なのでしません!」
「そんな~」
「それに今日御褒美を貰うべきは兄ちゃんですから。」
「いや…もう色々と充分です。」
御褒美って言い方は気になるが……まぁ
嬉しかったし楽しかった。
「舞……冬花……」
「「何かな(しら))?」」
「今日は……ありがとう。」
言いたかった言葉を俺は遅れて
ようやく口に出来た。
「ちょっと……トイレ借りるわ」
「何だよ舞……お前も泣くのか?」
「いえ、ちょっと自家発電しに……」
「やめい!?」
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