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風邪と変態と豪華なお見舞い

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のんびりとした放課後の自室
今日も今日とて
俺のとなりにいる神川さんは話しかけてきた。



「ねぇ…秋兎くん」

「何だよ神川?」

「妹さん素敵ね」

「そうか?」

「かわいいし睨んでくるし素敵よね?」

「まぁかわいいな……って睨む!?」

忘れてた…あいつ人見知りするんだった!
すまん妹よ!


「すごく……ゾクゾクしたわ!」

「喜んでる!?」

「秋兎くんと似たような顔立ちで睨まれて興奮しない方が無理よ!何言ってるのよ!」


「ごめん……ってなぜ怒られてるんだ!?」

「気遣いもできる妹さんだしね。」

「まぁ……な。」

二人っきりにしてくれたことは感謝するが
妹よ……兄ちゃんもうだいぶ疲れた。


「さてと…じゃあ脱いで?」

「……………………へ?」

「へ?じゃないわよ。着てたら出来ないでしょ?」


「俺、風邪ひいてんだけど?」

「知ってるわよ?だからここに居るんだし」

「いや……でもお前」

「仕方ないわね……恥ずかしいなら私も脱ぐわ」

「ちょ!?神川!?」

「何かしら?」

そう言って神川は本気で脱ごうとしてる。

「やめろ!色々とまずい!」

「秋兎くんの秋兎くんが100%フルパワー形態になるの?」


「どこの宇宙の帝王!?」

「ならない?」

「…………ゴールデン秋兎くんになるから辞めてください。」


100%何かブッチしてしまうわ!


「仕方ないわね……汗拭こうと思ったのに。」

「あ、そっちね。」

知ってたし!
知ってたし!
知ってたし!!!
期待なんかしてないし!



「秋兎くんがナニを考えてるかは分かるわ。エッチ♡」


「やめて神川!?」

その笑顔は理性がやばい!


「体は後で自分で拭くよ。」

「あら、そう。てっきり妹さんが拭くのかと。」

「そ、そんなわけないだろー」

「見事な棒読みね。ふぅ~ん……へぇ~」

な、何か凄い睨んできてる!?
あ、睨まれるの悪くな……って何考えてるんだ!


「さっきの気配は本当だったみたいね。急いできて正解ね。」


「き、兄妹だから」

「兄妹でも……嫌なのよ。」

「……もしかして妬いてるのか?」

「言わなきゃ分からない?」

そう言って彼女はムスッとした。
何この可愛い生き物!お持ち帰りしたい!
ってここ自室でした!


「神川……お前」

「………………」

「かわいいな。」

「機嫌悪い私でも?」

「もちろん。」

「……そう。」

「でも、笑ったのが一番可愛いよやっぱり」

「……秋兎くんティッシュある?」

「あぁ、あるけどどうした?」

「鼻血が出たわ」

「鼻血!?大丈夫か!?」

「大丈夫……じゃないわ。死にそう」

「おいおい!」

「興奮し過ぎて死にそう……ってかイキそう。」

「あの世に!?」

「天国って意味では同じかも?」

「看病しに来て死ぬなよ頼むから?」

「大丈夫よ。もう止まったわ。」

「それはよかった。」

「秋兎くんの部屋のゴミ箱に私の血が付いたティッシュが……イヤらしいわ!」


「よかった。元気そうで」

「それじゃあ、そろそろ帰るわ。って忘れるところだった」


そう言うと彼女はカバンを開き

「プリントと……それからパパが秋兎くんにって」

「お父さんが?何だろう?」

「さぁ?元気になるものらしいわ。」

「嫌な予感がする!」

「同じく……だから」

そう言うと彼女はお父さんからの
小包を開いた。
そして、固まった。


「あの……パパ野郎め。」

「か、神川?大丈夫か?」

「怒りで鼻血が出そうよ。」

「な、何だったんだ?」

「……見せないわ。」

「いや、せっかくお父さんがくれたヤツだし」

「ぜったい見せません!」

「お、おう」

「ふぅ……そろそろ帰るわ。暗くなる前に。」

「あ、あぁ…ありがとうな神川?」

「いいのよ。だって彼女だもの。」

そう言って神川は照れながら笑った。
彼女……か。そうだよな。
こんなに尽くしてくれたんだ。
お礼がしたい。……お礼?
違うな。それは建前だ
俺は……


「そうだな。ありがとう……舞。」

俺が名前を呼ぶと一瞬目を大きく見開いて固まりこちらを不思議そうに見つめ


「パンツ欲しいの?」

「忘れてた!違う!」

「いらない?」

「いらないことも無いがいらない!」

「素直ね……私はパンツあげてもいいんだけど…流石にノーパンで帰るのはひとりじゃ嫌ね……だから」


彼女がそう言った瞬間
唇に温かく柔らかい感触が広がり
真っ赤な彼女の顔が目の前にあった。


「ファーストキスをあげるわ。」

そう言うと彼女はすごい早さで出て行った。



「……パンツの代わりにしちゃ豪華すぎるな」
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