となりの席の変態さん

犬派のノラ猫

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レンガ

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のんびりとした休み時間……では無い
今日はのんびりとした帰り道
最近一緒に帰っている神川は
今日も今日とて話しかけてきた。



「ねぇ…秋兎くん」

「何だよ神川?」

「レンガって素敵よね」

「いきなりどうした?」

「重なり合うって素敵じゃない?」

「まぁ、確かにな。」

「でしょ?」

「重なり合うことで強度を増すしな」

「秋兎くんも重なり合うことで一部の強度が増すわよね?」


「うるさいわ!そうゆうことか!」

「あら?ナニを想像したのかしら?」

「ナニをカタカナにするな!」

「何がいけないのよ……ん?ナニがイけない!?いやらしい!」


「ふざけんな神川!?何でもかんでもか!」

「これはいいわ!非常に!」

「お前が分からない!」

「あら、付き合って別れる前のやり取りみたいね?」


「まぁ、確かに」

ナニとか言わなきゃな

「方向性の違いね」

「ミュージシャンか!」

「私左曲がりがいいのに……」

「方向ってそこ!?」

「別に反り立つ棒でもいいけど!」

「反り立つ壁みたいに言うな!」

「右上がりでもいいけど」

「それ怖くね!?」

「右下がりがいいの?」

「何か演技悪いわ!」

「それは困るわ!1発当選しなきゃ!」

「嫌な言い方だなおい!?」

「いや…かなり楽しんでからの方が……」

「このエロおやじが!」

「ねぇ……私と楽しいことしない?」

「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………え?」





「えらい長かったわね?」


「……誤解するぞ?」


「いいわよ別に。」

「…………」

「楽しいことって別にそうゆうことするだけじゃないでしょ?2人で季節を感じたり、2人で公園とかに出かけたり、ドキドキしたりワクワクしたりヤキモチ焼いたり喧嘩したり切なくなったり、そうじゃない?」




「そう……だな。」

こいつは……変態だ。
でも誰よりも真っ直ぐで
誰よりも真剣だ
俺は一目惚れだったけど
きっと時間をかけても好きになっただろう。
そう……俺は思う。

「本当は貴方から欲しかったけど……」

本当は俺から言いたかったけど……

「もし良かったら……」

もし良かったら……

「私と」

俺と

「付き合ってくれないか(しら)?」

「あら?同じ気持ちだったのかしら?童貞のくせに?」


「うるせぇよ。」

「まぁ私も処女だし。」

「……ぶっちゃけるな!?」

「あら?嫌だった?」

「いや……まったく?」

「そう。ちなみに」

「ちなみに?」




「初恋よ?」

彼女は最後の言葉だけは少し頬を染めながら
こちらを見て無表情で言った。
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