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秋兎と打ち解けろ!
カレー
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「良かったね…カレーの材料見つかって」
どうやらタクシーに忘れていたのを
運転手さんが会社の冷蔵庫に入れてくれてたみたい
いい人も居るのね…さっきまでのこと
思い出したら運転手さんが仏様に見えるわ
「冷蔵庫に入ってたから痛んでないしな!…でも」
秋兎がそう言って空を見上げたので
私達もつられて空を見上げ
「「「今からカレーか~…」」」
すっかり暗くなった空を見て
私達はため息を付きながら事務所に戻った
「お帰り…随分とゆっくりだったねクソガキ共?」
もちろん私と秋兎のことである…響さんは
罵倒のとばっちりである。
そんな響さんは疲れた様子でソファに座ると
当たり前のように待っていた
魅里ちゃんは響さんの膝の上に座った
「どうした魅里?」
「……バカ響が動けないようにしてるのよ。」
「心配しなくてももうキッチンか部屋かトイレか風呂にしか行かないよ?」
「ダメ候補が多い、居なくなったとき探せない」
「探せるわ!」
響さん成分が足りなくなったのだろう魅里ちゃんは
非常にワガママだった…大丈夫あれ
一緒にお風呂入るとか言い出さない?
「…セツナ、いい度胸ね?」
しまった…お説教中によそ見してしまった
「…早くご飯作ってくれない?みんなお腹ペコペコ何だけど?」
ため息を付いて取り合えずご飯をご所望のナナシさん
「ちょっと時間かかるぞ?」
「……まだ、待てと?」
「カレーやめるか」
「カレーなの?」
「カレーだぞ?」
「2時間までなら待ってあげる」
「どんだけカレー食べたいんだよ!?」
「返事は?」
「「はい!」」
私と秋兎は急いでキッチンに向かった
1時間後__
「みんなお待たせ~」
「思ったより早かったね…手は抜いてないよね?」
「時短の裏技は使ったけど手は抜いてません」
「よろしい…じゃあ、みんな食べようか?」
お腹を空かせながらも響さんを動かさなかった
魅里ちゃんも空腹には勝てず置かれたカレーの前に座る
「やっと解放された…魅里、成長したな!」
「重くなったってこと!?」
絶妙にデリカシーが無い響さんは
軽く屈伸して再び席に着く
「あれ?お帰りセツナちゃん…遅かっふぁ~…ね?」
深花ちゃん熟睡だったもんね
アイマスク着けて…
「お、カレーの匂い…しかもカツカレー!」
すごい嗅覚だ…カレーはともかく
寝たままカツまで当てるとは…
ちなみにタマさんにもお裾分けした
キッチン借りたしね
「それじゃ…みんな」
ナナシさんがそう言うとみんなで
手を合わせて
「いただきます。」
「「「「「いただきます!」」」」」
みんな笑顔だった美味しかったみたい
空腹だったのもあるんだろうけど…それでも
「うれしい」
初めて自分の料理で笑顔を見た…あれ?
今一瞬何か…何かしら?
「どうした、セツナ?」
「秋兎食べながら話し掛けないで。…ねぇ」
私は不思議な気持ちをゆっくり噛み締めたあと
秋兎に向かって口を開いた
「私の得意料理、カレーだわ」
「そうか…ならまた頼むよ」
私は得意なカレーを再び口に運んだ
どうやらタクシーに忘れていたのを
運転手さんが会社の冷蔵庫に入れてくれてたみたい
いい人も居るのね…さっきまでのこと
思い出したら運転手さんが仏様に見えるわ
「冷蔵庫に入ってたから痛んでないしな!…でも」
秋兎がそう言って空を見上げたので
私達もつられて空を見上げ
「「「今からカレーか~…」」」
すっかり暗くなった空を見て
私達はため息を付きながら事務所に戻った
「お帰り…随分とゆっくりだったねクソガキ共?」
もちろん私と秋兎のことである…響さんは
罵倒のとばっちりである。
そんな響さんは疲れた様子でソファに座ると
当たり前のように待っていた
魅里ちゃんは響さんの膝の上に座った
「どうした魅里?」
「……バカ響が動けないようにしてるのよ。」
「心配しなくてももうキッチンか部屋かトイレか風呂にしか行かないよ?」
「ダメ候補が多い、居なくなったとき探せない」
「探せるわ!」
響さん成分が足りなくなったのだろう魅里ちゃんは
非常にワガママだった…大丈夫あれ
一緒にお風呂入るとか言い出さない?
「…セツナ、いい度胸ね?」
しまった…お説教中によそ見してしまった
「…早くご飯作ってくれない?みんなお腹ペコペコ何だけど?」
ため息を付いて取り合えずご飯をご所望のナナシさん
「ちょっと時間かかるぞ?」
「……まだ、待てと?」
「カレーやめるか」
「カレーなの?」
「カレーだぞ?」
「2時間までなら待ってあげる」
「どんだけカレー食べたいんだよ!?」
「返事は?」
「「はい!」」
私と秋兎は急いでキッチンに向かった
1時間後__
「みんなお待たせ~」
「思ったより早かったね…手は抜いてないよね?」
「時短の裏技は使ったけど手は抜いてません」
「よろしい…じゃあ、みんな食べようか?」
お腹を空かせながらも響さんを動かさなかった
魅里ちゃんも空腹には勝てず置かれたカレーの前に座る
「やっと解放された…魅里、成長したな!」
「重くなったってこと!?」
絶妙にデリカシーが無い響さんは
軽く屈伸して再び席に着く
「あれ?お帰りセツナちゃん…遅かっふぁ~…ね?」
深花ちゃん熟睡だったもんね
アイマスク着けて…
「お、カレーの匂い…しかもカツカレー!」
すごい嗅覚だ…カレーはともかく
寝たままカツまで当てるとは…
ちなみにタマさんにもお裾分けした
キッチン借りたしね
「それじゃ…みんな」
ナナシさんがそう言うとみんなで
手を合わせて
「いただきます。」
「「「「「いただきます!」」」」」
みんな笑顔だった美味しかったみたい
空腹だったのもあるんだろうけど…それでも
「うれしい」
初めて自分の料理で笑顔を見た…あれ?
今一瞬何か…何かしら?
「どうした、セツナ?」
「秋兎食べながら話し掛けないで。…ねぇ」
私は不思議な気持ちをゆっくり噛み締めたあと
秋兎に向かって口を開いた
「私の得意料理、カレーだわ」
「そうか…ならまた頼むよ」
私は得意なカレーを再び口に運んだ
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