拒絶少女は世界を拒絶する

秋兎と打ち解けろ！

好きじゃない

私は支度を終えリビングに向かうと
ナナシさんと話していた秋兎はこちらに気が付き

「遅かったな？」

「女の子は準備に時間がかかるのよ。」

まぁ、本当は…

「男の子と一緒に行くの恥ずかしいなとか思ってたんでしょ？」


「ち、ちがいますよ？」

何でいっつも分かるのよ…
やっぱり心を読む能力なのかな？

「…まぁ、いいや早く行こうぜ？」

そう言って秋兎は立ち上がり
軽く背伸びをしたあとリビングを出ていった

「待たせたから…怒ったのかな？」

「違うわよ」

私がすこし申し訳ない気持ちになっていると
溜め息をついたナナシさんは
すこし優しい声で

「ただ、早く行きたくて仕方ないのよ」

「そうなんですか？」

「そうよ。ワガママなのよあの人」

ナナシさんは秋兎の話をするときいつも
優しそうに話す


「…」

「また、好きなんですか？とか考えてるでしょ？」

「か、考えてませんよ？」

「好きじゃないわよ」

「そうなんですか？」

なんか、照れ隠しじゃない気がする…
なんだ、違うのか


私はちょっと残念な気持ちになりながら
リビングのドアに手を掛けた

「愛してるのよ」

ナナシさんはそう言った

私は何故か顔を真っ赤にしてリビングを出た