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凸凹コンビとミッションインポッシブル
おもちゃ
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『おや?驚かせてすまないね、ボクはジェネスだ、よろしくね』
凄まじく優しい、落ち着く声
安らぎすら感じる…なのに何なんだ?
この、首に手を掛けられてるみたいな圧迫感は
「あぁ、よろしくジェネスさん」
『挨拶が出来る素晴らしい子だ。気に入ったよ』
「それはどうも」
『ふむ…君達の動向はビルの監視カメラや組員のスマホのカメラ、その他諸々から見せてもらったよ』
「すごいですね」
何者だよこの人…その数を1人で
操作して僕たちを監視してたのか?
『君達は能力者だね?』
能力者を知ってる?
「だとしたら?」
『欲しい…実に欲しい』
まるで、子供がゲームをねだるみたいに
心のそこから無邪気な声でそう言った
『ボクにとってはあまりにも魅力的だ』
声だけなのにプレッシャーが伝わる
『スピア君』
「は、はい!」
いきなり呼ばれたスピアは少し声が裏返ったが
何とか返事をした
『金庫を開けてお金を返してあげなさい』
「でも、ジェネス様のお金が減ってしまいますよ?」
『構わないよ。もう十分に資金は得た、しばらく困ることはないだろう』
「わ、分かりました。」
スピアが金庫に向かう間も声は続く
『響君、これはボクから君の勇気に対する報酬のようなものだ…よく、戦ったボクの作品と』
作品?スピアのことだろうか?
『この子はなかなかの傑作だったんだがね…筋力に聴力、視力も向上…そして気がついているかも知れないけど右手の針を飛ばす装置』
まるで、子供がブロックで作ったものを親に見せる
ように嬉しそうに話し始めた
『この装置は特別製でね、針ではなく空気に触れると高硬度に固まる特殊な液体合金を使っていてね、頭で思った大きさの針を掌の穴を開閉させることで再現して打ち出している。』
なるほど?
つまり、撃つときに掌に穴を開いてその細さで
調節した液体合金を絞り出して撃ち出すと…
「天才の考えることは分からん…」
『天才ね…言われなれて嫌みに聞こえるよ』
言ってみたいわ…一回でもいいから
そんなことを考えていると
金庫の前にスピアが着き
『さぁ、これで今回は手打ちにしようじゃないか?スピア君、開けてくれ』
「は、はい!」
スピアは慌てながらも正確にダイヤルを合わせていき
鍵穴に鍵をいれる
「本当に開けますよジェネス様?」
『しつこいよ?』
「す、すみません!」
慌ててスピアは鍵を捻り金庫の扉を開けた
『さようならスピア君』
声が聞こえた瞬間、スピアが何か言う暇もなく
スピアの体は爆散した。
若干の爆風と熱はあったが
僕は軽い火傷で済んだようだ…
よくみると右手が残っている
『おや?あまり威力が出なかったね…やはり体内に隠してバレずに生命活動をさせるサイズじゃ、身体を粉々にするだけで周りにはあまり被害がでないか…改良が必要だね』
淡々と、本当に淡々としゃべる
「なんで…スピアを殺した?」
『愛着が無くなった、カスタムは良かったが初めから懸念していた通り素材が良くなかった…まるで知性を感じない…もう少し上手くやればここまで大事にはなっていない。』
本当に興味がないしゃべり方をする
『でも、君には…いや、君達には興味が湧いた…監視していて良かった…それではボクは疲れたので失礼するよ…また、近いうちに会おう。』
そう言うと右腕から例の液体合金が吹き出し
針のボールのようになった。
「…一応、回収するか」
僕がそんなことを思っていると
ふと、不自然なことに気付いた。
「あれ?そういえば銃声が聞こえない…まさか一発も撃たせることなく制圧したのか?…セツナちゃんもしかして達人?」
僕がそんなことを考えているといきなり騒がしくなり
「な、なんだぁ?」
大柄な男とその仲間達がこちらに
涙流しながら手を振っている…え?こわ…
そして、なぜ魅里とセツナちゃんは僕を
手招きで呼んでるんだ?
ヤバい頭痛くなってきた。
そう思いながら僕は足取り重く
二人のもとに向かった
凄まじく優しい、落ち着く声
安らぎすら感じる…なのに何なんだ?
この、首に手を掛けられてるみたいな圧迫感は
「あぁ、よろしくジェネスさん」
『挨拶が出来る素晴らしい子だ。気に入ったよ』
「それはどうも」
『ふむ…君達の動向はビルの監視カメラや組員のスマホのカメラ、その他諸々から見せてもらったよ』
「すごいですね」
何者だよこの人…その数を1人で
操作して僕たちを監視してたのか?
『君達は能力者だね?』
能力者を知ってる?
「だとしたら?」
『欲しい…実に欲しい』
まるで、子供がゲームをねだるみたいに
心のそこから無邪気な声でそう言った
『ボクにとってはあまりにも魅力的だ』
声だけなのにプレッシャーが伝わる
『スピア君』
「は、はい!」
いきなり呼ばれたスピアは少し声が裏返ったが
何とか返事をした
『金庫を開けてお金を返してあげなさい』
「でも、ジェネス様のお金が減ってしまいますよ?」
『構わないよ。もう十分に資金は得た、しばらく困ることはないだろう』
「わ、分かりました。」
スピアが金庫に向かう間も声は続く
『響君、これはボクから君の勇気に対する報酬のようなものだ…よく、戦ったボクの作品と』
作品?スピアのことだろうか?
『この子はなかなかの傑作だったんだがね…筋力に聴力、視力も向上…そして気がついているかも知れないけど右手の針を飛ばす装置』
まるで、子供がブロックで作ったものを親に見せる
ように嬉しそうに話し始めた
『この装置は特別製でね、針ではなく空気に触れると高硬度に固まる特殊な液体合金を使っていてね、頭で思った大きさの針を掌の穴を開閉させることで再現して打ち出している。』
なるほど?
つまり、撃つときに掌に穴を開いてその細さで
調節した液体合金を絞り出して撃ち出すと…
「天才の考えることは分からん…」
『天才ね…言われなれて嫌みに聞こえるよ』
言ってみたいわ…一回でもいいから
そんなことを考えていると
金庫の前にスピアが着き
『さぁ、これで今回は手打ちにしようじゃないか?スピア君、開けてくれ』
「は、はい!」
スピアは慌てながらも正確にダイヤルを合わせていき
鍵穴に鍵をいれる
「本当に開けますよジェネス様?」
『しつこいよ?』
「す、すみません!」
慌ててスピアは鍵を捻り金庫の扉を開けた
『さようならスピア君』
声が聞こえた瞬間、スピアが何か言う暇もなく
スピアの体は爆散した。
若干の爆風と熱はあったが
僕は軽い火傷で済んだようだ…
よくみると右手が残っている
『おや?あまり威力が出なかったね…やはり体内に隠してバレずに生命活動をさせるサイズじゃ、身体を粉々にするだけで周りにはあまり被害がでないか…改良が必要だね』
淡々と、本当に淡々としゃべる
「なんで…スピアを殺した?」
『愛着が無くなった、カスタムは良かったが初めから懸念していた通り素材が良くなかった…まるで知性を感じない…もう少し上手くやればここまで大事にはなっていない。』
本当に興味がないしゃべり方をする
『でも、君には…いや、君達には興味が湧いた…監視していて良かった…それではボクは疲れたので失礼するよ…また、近いうちに会おう。』
そう言うと右腕から例の液体合金が吹き出し
針のボールのようになった。
「…一応、回収するか」
僕がそんなことを思っていると
ふと、不自然なことに気付いた。
「あれ?そういえば銃声が聞こえない…まさか一発も撃たせることなく制圧したのか?…セツナちゃんもしかして達人?」
僕がそんなことを考えているといきなり騒がしくなり
「な、なんだぁ?」
大柄な男とその仲間達がこちらに
涙流しながら手を振っている…え?こわ…
そして、なぜ魅里とセツナちゃんは僕を
手招きで呼んでるんだ?
ヤバい頭痛くなってきた。
そう思いながら僕は足取り重く
二人のもとに向かった
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