拒絶少女は世界を拒絶する

犬派のノラ猫

文字の大きさ
上 下
38 / 162
凸凹コンビとミッションインポッシブル

ジェネス

しおりを挟む
「は?何言ってるの?バカ響?」 

突然出た言葉に魅里ちゃんは
声を低くして威嚇するように問い詰める


「……今回の依頼はあまりにも危険だ…だから」

「そんなの、受けたときに分かってたことでしょ!?」

魅里ちゃんの言う通りだ…
それなのに何で今さら

「…理由を聞いてもいいかな響?」

「……今回の件、ある人物が裏にいるらしいんです」

「…ある人物?」

誰だろう…そんなドラマみたいな展開なの?
例のあの人的な?

「…知ってるさ響」 

「ナナシさん…知ってたんですか?なら、分かるでしょ?」

「だからこそ何だ響…1人では動いちゃダメ…お願い」

「なら、せめて秋兎さんと行かせてください!」

「ダメだ。」

「何でですか!?」

「…あいつが関わってる件でアー君は使えない。必ず暴走する」


「それって、どうゆう…」

話しに付いていけていない私の横で魅里ちゃんが
ワナワナし始め


「いい加減にしなさい響!何をふざけたこと言ってるのよ!当事者のアタシ達置いてけぼりじゃない!」


「あ、すまん…つい」

「ついじゃないわよバカ!珍しくしんどくなるまで飲んでるから変だな?とは思ったわよ!そう!そんなことウジウジ悩んでた訳ね!情けない!」


「ぼ、僕は二人が心配で」

「心配はありがたいけど、信用してよ!一緒に危ない依頼も頑張ったじゃない!アタシのこともっと信用しなさいよ!バカ!」


「…だ、そうだよ響?お姫様をもっと信頼してもいいんじゃないかな?」

「………分かりました。」

響さんは渋々納得したようだ。

「それはそうと良く知ってたねアイツのこと」

「…昨日メリーさんに名前を聞いて…飲んでる時に秋兎さんに質問しました。」


昨日?いつの間にメリーさんと…あぁ洋服見てる時か

「なるほど…私とお出掛けしてたのに嘘付いて女と密会してたわけね…」

魅里ちゃん?
私もいたよ?そして、好意の殺意が表に出てるよ?

「それは、悪かった…どうも引っ掛かるところがあってな…調べてもらったんだよ」


「なるほど…アー君に聞いちゃったわけだ…何か言ってた?」


「いえ…軽い説明をしてくれたあとに」

『いいか?…響、そいつの気配を感じたら逃げろ…何があろうと逃げろ関わるな?ん?気配何か分かるのか?あぁ、分かるさ誰でもな』



「と、そんなことは言ってましたが…」

「なるほど…まぁ、分かるだろうねアイツが居れば」

「ナナシさんは…詳しいんですか?アイツのこと」

「裏では有名人だからね…ジェネスは」

あ、言っちゃうんだ名前…
せっかく響さん簿かしてくれてたのに


「言っちゃうんですね」

「言うだけなら…名前を知るだけなら何の問題もないからね…関わらなければ」


「そんなにヤバイの?ジェネスってやつ」

私が質問するとため息を付いて
ナナシさんは口を開いた


「ジェネスは裏社会の科学者でね…所有してる研究所で…公にできない実験を自分の好奇心のために行い副産物で生まれた売れそうな研究結果や発明は政府や企業に売り込み莫大な金を動かしてる…まぁ技術力で国を裏から牛耳るイカれ野郎だよ」



「公にできない実験…」

「急に生き物関係で突拍子の無い発表があった時はジェネスの存在を疑った方がいいレベル」


「マジですか…」

「国なんてそんなものよ…大きな得のためなら少しの犠牲はカウントしない…いつものことじゃない。」


魅里ちゃん本当に14歳?

「ねぇ響、気持ちは痛いほど分かるけどワタシの事をもう少し信用して?ワタシにだって考えはあるんだからさ」


「すみません…こんなの初めてで1人で怖じけてしまってました…」


「情けないわね響?…アタシは大丈夫よ、もっと信頼してよね…バカ」


この子は将来有望だなと魅里ちゃんを
見ながら思いつつ

「そうですよ、信用してください」

私も乗っかった

「二人とも…ありがとう」

響さんまだ、少し不安そうだが
先程より吹っ切れた笑顔になり

「んじゃ準備するか。作戦は決まってるから説明するな?」

こちらを笑顔で見た
やっぱり…


「あんたは笑顔が一番よ響」

優しい笑顔で響さんを見る魅里ちゃんを
見て私も満足していた


「おはよ~…深花起床」ネムネム

所に猫背で髪ボサボサの深花ちゃんが
ログインしてきた 

「おそようございます!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

柊のプロ野球人生

taku
ライト文芸
ドラフトで入った柊はプロ野球の世界に入り込む 果たして柊のプロ野球人生はどうなる。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...