上 下
23 / 162
深花ちゃんと一緒

とんかつ

しおりを挟む
翌朝、私達は軽く朝御飯を済ませると
ナナシさんに軽く挨拶をし
タマさんからの投げキッスを弾いて
外に出た。


「さて…どこを探そうか?」

ここら辺の地理はいまいちよく分からないから
深花ちゃんを頼りたいけど…大丈夫かな?


「深花に任せて!猫は深花が見つける!」

「…き、期待してる」

すごく笑顔の深花ちゃんに私は
何も言えずに作り笑顔で返す。
ちなみに昨日秋兎に一緒に行かないか
と聞いたのだが


『胡散臭いからパス』

だ、そうだ。
猫探しのどこが胡散臭いのだろう?

「よっしゃ!見つけるよ!」

そう言って深花ちゃんは
依頼書と一緒にもらった写真とにらめっこ
している。

「首に大きなリボン…すごくメルヘン!」

あなたが言うの?と突っ込みを入れそうに
なったが長くなりそうなのでスルー

「でも、猫なんてどこを探せば…」

「そうだよね…ん~…仕方ないあの子に聞いてみよう!」


「当てでもあるの?」

「まっかせて!」

「……………………………わかった!」

「凄く溜めたね?」

「凄く気のせいだよ?」

「ならば良し!」

騙せた。チョロい、かわいい

って訳で当てがあるらしい深花ちゃんに
ついていくことにした。
すこし心配だけど何だかんだ先輩だし…
大丈夫でしょ!

決して、あれ?ここ、昨日のラブホに向かって
ない?
とか、またメリーさんだよりなの?
とか思ってないよ?
でも、深花ちゃん?明らかに見たことある
ルートだよ?知ってる外壁だよ?
大丈夫?もう他の人頼るの?
まず、頑張らないの?

「ね、ねぇ、深花ちゃん?」

「どうしたのセツナちゃん?」

「メリーさんとこ行くの?」

「よく分かったね!」

合ってた…

「いきなり、人に頼るのはどうかと…」

「でもね、セツナちゃん、飼い主さんはすごく心配してるはずだよ?だったらプライドとか色々捨てて頼れるものは頼るのが一番なんだよ?」


「な、なるほど」

すごくまともに返された…


「さてと…」

なんやかんや着いてしまった昨日のドアの前
コンコンと可愛らしいノックのあとに
ジョッシュ君の声が聞こえ

「はいはい、開けますよ…あら、深花さんどうしました?」


「えっとね」

相変わらずかわ…カッコいいジョッシュ君
が不思議そうに深花ちゃんを見ている
…私も見てほしい
そんな邪なことを考えてる私の横で
すこし考えた深花ちゃんが口を開く

「えっとね、とんかついる?」

…なに?ジョッシュ君食事に誘いに来たの?
狙ってるの?


「いますよ?」

…はぁ~…そうですかジョッシュ君
着いていくんですか。
食べ盛りですもんね!深花ちゃんかわいいもんね!
…危ない危ない…何か出そうだった

私が殺意の波動を抑えていると
ジョッシュ君は一回中へ戻り
何かをつれて…ん?



「ジョッシュ君…その子は?」

「はい!ミニブタの【とんかつ】君です!」

ジョッシュ君はキメ顔でそう言った
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

後悔と快感の中で

なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私 快感に溺れてしまってる私 なつきの体験談かも知れないです もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう もっと後悔して もっと溺れてしまうかも ※感想を聞かせてもらえたらうれしいです

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

『別れても好きな人』 

設樂理沙
ライト文芸
 大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。  夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。  ほんとうは別れたくなどなかった。  この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には  どうしようもないことがあるのだ。  自分で選択できないことがある。  悲しいけれど……。   ―――――――――――――――――――――――――――――――――  登場人物紹介 戸田貴理子   40才 戸田正義    44才 青木誠二    28才 嘉島優子    33才  小田聖也    35才 2024.4.11 ―― プロット作成日 💛イラストはAI生成自作画像

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

日給二万円の週末魔法少女 ~夏木聖那と三人の少女~

海獺屋ぼの
ライト文芸
ある日、女子校に通う夏木聖那は『魔法少女募集』という奇妙な求人広告を見つけた。 そして彼女はその求人の日当二万円という金額に目がくらんで週末限定の『魔法少女』をすることを決意する。 そんな普通の女子高生が魔法少女のアルバイトを通して大人へと成長していく物語。

獣人の里の仕置き小屋

真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。 獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。 今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。 仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。

処理中です...