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カノンの悩み(ライア視点)
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「という訳でね、今お母さんに反対されてるの。どうしよう、ライアちゃーん!」
いつもの如く衣装部屋であらましを聞いている私。実際には聞いてたから知っているのだけど、話してくれるまで3日経ってるから、少しは自分で考えてたのかしら。
「もうね、どうしたらいいのか分からなくて、頭ぐちゃぐちゃだし、メイはカッコイイし」
ナチュラル……でもないか。強引に惚気を入れるあたり、そこまでストレスは感じてなさそうに思うけれど、まあストレスの感じ方は人それぞれだから…。
「前はね、行為の時も常に優しいって感じだったんだ。私が慣れてきて少し物足りないの分かってくれてるみたいで、少し強引にしてくれるの。本当優しい!好きー!」
「そう…良かったわねぇ」
「それでね、いつも可愛いって言ってくれるの!」
「良かったねぇ。」
「たまに撫でてくれる時の笑顔が…もうふにゃぁーってしてて私の方が可愛いーって!あー!会いたくなってきた!」
「へぇー。それで、メイ君が独立したらカノンちゃんはどうするの?」
「へ?勿論着いて行くよ?なんかね、今契約しそうな所が隣街なんだって。隣街って馬車で5日はかかるじゃない?だからそれまでに結婚したいんだけどね。」
「一緒に住むだけだったら、婚約者でも良さそうなのに、どうしてそんなに結婚にこだわってるの?」
答えようとしたカノンだったが、昼休憩の声が掛かり、一緒にサンドウィッチをいつもの中庭で食べることにした。
「…私、ずっと付き合ってた彼がいたじゃない?あんなに長い期間一緒に居て、結婚するって話もしてたのに、あっさり心が変わっちゃって…メイはそんな事ないって分かってるけど、不安で不安で仕方がないの。」
カノンは食事に手を付けないようだから、私も手を付けずに話を促した。
「だからかな。結婚願望って言うのか…それがもうギリギリで、溢れそう。それに、1番は子供が欲しいの。」
「子供ね…」
「うん。単純に子供が欲しいって言うのもあんるだけど、メイの子供が欲しいの。当然だけど、メイの子供時代を知ってるわけじゃないじゃない?だけど、子供が出来たら、接し方とか教育の仕方とかで、メイの子供の頃をもっと知れると思うんだ。」
「そう…」
「その為には、メイのことは何でもしてあげたいの。きっと、隣街に行ったら仕事の事だけでもすごく大変だと思う。だから、私が少しでも家の事をしたり、金銭面でも支えられたらなって思ってたんだけど…お母さんには伝わらなかったみたい。」
「価値観って同じ家族でも全然違うから難しいところではあるよね。」
「うん…駆け落ちも出来るし、メイも最悪駆け落ちしようって言ってくれてるんだけど、私は家族に祝福されて結婚がしたいな…。」
「…そうだね」
「あ!ごめんね!まずはご飯食べよう!腹が減っては戦は出来ないから!」
その後は午後の仕事の事を話したり、期間限定のカフェのケーキの話をしたりと、取り留めのない話しで昼休みが終わった。
「真っ直ぐ過ぎるのも考えものよね。」
あれから数日が過ぎたけれど、特になにも進展はなく、カノンもあまりお母さんと話をしていないようだ。
今日は珍しく裏口で洗濯物業務だ。カノンは2階廊下の掃除のため、1日時間が合わないだろう。ここ最近少しでも被ることが多かったので、こういった日は新鮮だ。
「すみません、ちょっといいかしら?」
「はい?」
「突然ごめんなさいね。私、こちらで働いているカノンの母でして、いつもお世話になっております。今娘は居るかしら?」
「こちらこそ、いつもお世話になっておりす。カノンさんは今廊下掃除をしておりますので、あと30分程で休憩に入ると思いますよ。良ければ、従業員休憩室で待たれては如何でしょうか。」
「ご親切にありがとう。お言葉に甘えさせていただくわ。お仕事頑張ってね。」
「ありがとうございます。」
やっぱり、常識的な人だと感じる。お互いに遠慮して中途半端にしか離さないで拗れるのは勿体ない。
「ライアさん、お疲れ様です!」
「メイ君、お疲れ様です。休憩?」
「はい!今日は早めに仕込みが終わりそうなので、こらからお昼を取ろうかと!」
「俺も一緒に行っていい?」
「!マーロンさん…!」
「と……いうより、何日か考えてみてさ、俺、2人にすごい嫌な事言ってたって気がついて…最近の二人の幸せそうな感じを見てたら、謝らなきゃいけないって思って……本当ごめん。どうかしてた。」
「…マーロンさんはカノンの事、好きですか?」
「好き…だけど、妹とか従姉妹みたいな好き、かな。だから、ちょっとした嫉妬もあったんだ。」
「そう……なんですね。でも、俺マーロンさんの事好きですから、これからも仲良くしたいです!」
「ああ、ありがとう!」
「こちらこそありがとうございます!休憩時間無くなっちゃいますし、ご飯食べましょう!」
男性って結構こういうさっぱりした所がある人多いよね。そういう所は好感持てるなぁ。
いつもの如く衣装部屋であらましを聞いている私。実際には聞いてたから知っているのだけど、話してくれるまで3日経ってるから、少しは自分で考えてたのかしら。
「もうね、どうしたらいいのか分からなくて、頭ぐちゃぐちゃだし、メイはカッコイイし」
ナチュラル……でもないか。強引に惚気を入れるあたり、そこまでストレスは感じてなさそうに思うけれど、まあストレスの感じ方は人それぞれだから…。
「前はね、行為の時も常に優しいって感じだったんだ。私が慣れてきて少し物足りないの分かってくれてるみたいで、少し強引にしてくれるの。本当優しい!好きー!」
「そう…良かったわねぇ」
「それでね、いつも可愛いって言ってくれるの!」
「良かったねぇ。」
「たまに撫でてくれる時の笑顔が…もうふにゃぁーってしてて私の方が可愛いーって!あー!会いたくなってきた!」
「へぇー。それで、メイ君が独立したらカノンちゃんはどうするの?」
「へ?勿論着いて行くよ?なんかね、今契約しそうな所が隣街なんだって。隣街って馬車で5日はかかるじゃない?だからそれまでに結婚したいんだけどね。」
「一緒に住むだけだったら、婚約者でも良さそうなのに、どうしてそんなに結婚にこだわってるの?」
答えようとしたカノンだったが、昼休憩の声が掛かり、一緒にサンドウィッチをいつもの中庭で食べることにした。
「…私、ずっと付き合ってた彼がいたじゃない?あんなに長い期間一緒に居て、結婚するって話もしてたのに、あっさり心が変わっちゃって…メイはそんな事ないって分かってるけど、不安で不安で仕方がないの。」
カノンは食事に手を付けないようだから、私も手を付けずに話を促した。
「だからかな。結婚願望って言うのか…それがもうギリギリで、溢れそう。それに、1番は子供が欲しいの。」
「子供ね…」
「うん。単純に子供が欲しいって言うのもあんるだけど、メイの子供が欲しいの。当然だけど、メイの子供時代を知ってるわけじゃないじゃない?だけど、子供が出来たら、接し方とか教育の仕方とかで、メイの子供の頃をもっと知れると思うんだ。」
「そう…」
「その為には、メイのことは何でもしてあげたいの。きっと、隣街に行ったら仕事の事だけでもすごく大変だと思う。だから、私が少しでも家の事をしたり、金銭面でも支えられたらなって思ってたんだけど…お母さんには伝わらなかったみたい。」
「価値観って同じ家族でも全然違うから難しいところではあるよね。」
「うん…駆け落ちも出来るし、メイも最悪駆け落ちしようって言ってくれてるんだけど、私は家族に祝福されて結婚がしたいな…。」
「…そうだね」
「あ!ごめんね!まずはご飯食べよう!腹が減っては戦は出来ないから!」
その後は午後の仕事の事を話したり、期間限定のカフェのケーキの話をしたりと、取り留めのない話しで昼休みが終わった。
「真っ直ぐ過ぎるのも考えものよね。」
あれから数日が過ぎたけれど、特になにも進展はなく、カノンもあまりお母さんと話をしていないようだ。
今日は珍しく裏口で洗濯物業務だ。カノンは2階廊下の掃除のため、1日時間が合わないだろう。ここ最近少しでも被ることが多かったので、こういった日は新鮮だ。
「すみません、ちょっといいかしら?」
「はい?」
「突然ごめんなさいね。私、こちらで働いているカノンの母でして、いつもお世話になっております。今娘は居るかしら?」
「こちらこそ、いつもお世話になっておりす。カノンさんは今廊下掃除をしておりますので、あと30分程で休憩に入ると思いますよ。良ければ、従業員休憩室で待たれては如何でしょうか。」
「ご親切にありがとう。お言葉に甘えさせていただくわ。お仕事頑張ってね。」
「ありがとうございます。」
やっぱり、常識的な人だと感じる。お互いに遠慮して中途半端にしか離さないで拗れるのは勿体ない。
「ライアさん、お疲れ様です!」
「メイ君、お疲れ様です。休憩?」
「はい!今日は早めに仕込みが終わりそうなので、こらからお昼を取ろうかと!」
「俺も一緒に行っていい?」
「!マーロンさん…!」
「と……いうより、何日か考えてみてさ、俺、2人にすごい嫌な事言ってたって気がついて…最近の二人の幸せそうな感じを見てたら、謝らなきゃいけないって思って……本当ごめん。どうかしてた。」
「…マーロンさんはカノンの事、好きですか?」
「好き…だけど、妹とか従姉妹みたいな好き、かな。だから、ちょっとした嫉妬もあったんだ。」
「そう……なんですね。でも、俺マーロンさんの事好きですから、これからも仲良くしたいです!」
「ああ、ありがとう!」
「こちらこそありがとうございます!休憩時間無くなっちゃいますし、ご飯食べましょう!」
男性って結構こういうさっぱりした所がある人多いよね。そういう所は好感持てるなぁ。
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