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カノンと私と新しい恋
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「ライア」
「あらクリス、おはよう。どうしたの?」
「お昼一緒に食べられる?」
「いいけど…」
今までご飯になんぞ誘われた事のないクリスからの誘いに、若干の不信感を抱きながら頷いた。
お金でも無くなったのかしら。この間の4人の飲み会私だけ断っちゃったからなぁ。私も旅行資金貯めなくちゃなのに…
クリスのオススメカフェはお食事パンケーキもデザートも見た目と味が抜群だった。しっかり割り勘だったため、安心して食後のコーヒーをゆったり飲んでいる。
「ライアちゃーん!今日珍しい甘い人参が入ったよー!」
「本当?!後でお嬢様と私用に買いに行くわね!ありがとうー!」
いつもお世話になっている八百屋のジョンのお父さんが元気に声をかけてくれる。
こういう暖かい感じって好きだなぁ
心がぽかぽかする感じは嫌いじゃない。コーヒーの苦味が現実に引き戻した。
「で、ライアを呼んだ理由なんだけど…」
「この間の飲み会でお金無くなっちゃったの?」
先手必勝と聞いてみたが
「いや、飲み会の事は合ってるんだけど、お金じゃなくて……マーロンとカノンって付き合ってるの?
あ、野次馬根性じゃなくて、そうだったらこれから色々考えなくちゃだし、この前も俺邪魔だったし…」
「いや、聞いてないけど…どうして?」
「だってさ!この間の飲み会の2人の空気が…こう…砂糖に媚薬溶かしたようなとろーんとした感じだったんだよ!1人しんどくて帰って来た!」
「カノン残して帰ってきたの?!嘘でしょ!あの子失恋したばっかだから、押されたらそのまま倒れるに決まってるじゃない!」
「だよなぁ。」
これはカノンに聞いてみなくてはいけない。あの子は恋愛の事になると仕事が途端に疎かになるから…
加えて同じ職場に恋人ができたらと考えると、寒気がしてくる。
「ライアさんにクリスさん、珍しい組み合わせですね!カノンさんは今日は一緒じゃないんですか?」
振り向くと、厨房のメイくんが手を振ってこっちにやってきた。
飲み終わったコーヒーを置くと、丁度クリスもコーヒーを飲み終わった様子。
そのまま3人でお屋敷に戻る道すがら、メイにカノンが別れた事だけ伝えた。
「あ、だから最近なんだか沈んでるんですね。でも、今日はなんだか嬉しそうでしたが、いい事あったんでしょうかね?」
……忘れてた。それを聞かなくちゃいけないんだった……なんとなく気が重い。
コーヒーの後味がエグ味に変わった気がした。
お屋敷に着くと、カノンが一足先に仕事に戻っていた。急いでエプロンを替えて調理場に人参を託し、掃除に掃除に取り掛かった。
カノンは確かに昨日とは打って変わって重い空気が無くなってはいるが、少し焦っている…?他の人が気が付かない程度にチラチラと私と目が合うのは何故だろうか。
「カノン、どうしたの?今日はなんだかいつもと違う気がするんだけど…」
衣装部屋の掃除は2人での掃除に加えて、ドレスの布が防音となって声が漏れない。
秘密話にはうってつけだ。…掃除をするメイド同士場合だが。
「ライアちゃん…どうしよう…」
私をちゃん呼びするカノンに嫌な予感しかない。
「マーロンと、ヤっちゃった」
勘弁して。ぶっ飛びすぎよ、カノンちゃん。
ーーーーーーーーーーーーーーー
その頃男性陣
明日のお屋敷でのパーティーの為に、殆どの執事たちが珍しく厨房の手伝いに入っていた。
「ぶっちゃけ、2人はどっち派ですか?」
無駄にワクワクきらきらした目を向けて問いかけるメイに、クリスとマーロンの心が奇跡的に一致した。
『『今それを聞かないでくれ!』』
「俺は~…カノンさん派かなぁ。ライアさんは美人だけど、俺と話が合わなくて鼻で笑われそう~。」
「分からなくも無いかなぁ。まあ、仕事仲間って思うとそこまでで終わりかなぁ。」
マーロンがじゃがいもの芽を取りながら答えると、皮むきをしているクリスも同意した。
「あー、分かるかも。しかも、ライアさんは男に興味なさそう。まあ分かる気がするけど。」
「「確かに!ライアさん興味なさそう!!」」
傍からみると、のんびり普通の男子の会話をほのぼのしている3人であったが、聞いていた厨房の面々は別の事に引っかかっていた。
「「「「クリス坊分かるってどっち?恋愛に興味無いのか?女性に?え?え?どっちか聞いてくれ!」」」」
厨房の面々の後ろを守るか否かをこっそり真剣に聞いていたことは通りかかった侍女長だけは分かったとか分からなかったとか……
「あ、そっか!でもマーロンさん彼女さんと仲良いですもんね!」
「え?」
クリスがバッとマーロンを見て固まった。
「「「「マー坊狙いだったのか…?」」」」
------------------------------------
桜梅花 空木です。すみません!次が少し空いて9/29更新予定です(・_・、)
今後ともよろしくお願い致しますm(_ _)m
「あらクリス、おはよう。どうしたの?」
「お昼一緒に食べられる?」
「いいけど…」
今までご飯になんぞ誘われた事のないクリスからの誘いに、若干の不信感を抱きながら頷いた。
お金でも無くなったのかしら。この間の4人の飲み会私だけ断っちゃったからなぁ。私も旅行資金貯めなくちゃなのに…
クリスのオススメカフェはお食事パンケーキもデザートも見た目と味が抜群だった。しっかり割り勘だったため、安心して食後のコーヒーをゆったり飲んでいる。
「ライアちゃーん!今日珍しい甘い人参が入ったよー!」
「本当?!後でお嬢様と私用に買いに行くわね!ありがとうー!」
いつもお世話になっている八百屋のジョンのお父さんが元気に声をかけてくれる。
こういう暖かい感じって好きだなぁ
心がぽかぽかする感じは嫌いじゃない。コーヒーの苦味が現実に引き戻した。
「で、ライアを呼んだ理由なんだけど…」
「この間の飲み会でお金無くなっちゃったの?」
先手必勝と聞いてみたが
「いや、飲み会の事は合ってるんだけど、お金じゃなくて……マーロンとカノンって付き合ってるの?
あ、野次馬根性じゃなくて、そうだったらこれから色々考えなくちゃだし、この前も俺邪魔だったし…」
「いや、聞いてないけど…どうして?」
「だってさ!この間の飲み会の2人の空気が…こう…砂糖に媚薬溶かしたようなとろーんとした感じだったんだよ!1人しんどくて帰って来た!」
「カノン残して帰ってきたの?!嘘でしょ!あの子失恋したばっかだから、押されたらそのまま倒れるに決まってるじゃない!」
「だよなぁ。」
これはカノンに聞いてみなくてはいけない。あの子は恋愛の事になると仕事が途端に疎かになるから…
加えて同じ職場に恋人ができたらと考えると、寒気がしてくる。
「ライアさんにクリスさん、珍しい組み合わせですね!カノンさんは今日は一緒じゃないんですか?」
振り向くと、厨房のメイくんが手を振ってこっちにやってきた。
飲み終わったコーヒーを置くと、丁度クリスもコーヒーを飲み終わった様子。
そのまま3人でお屋敷に戻る道すがら、メイにカノンが別れた事だけ伝えた。
「あ、だから最近なんだか沈んでるんですね。でも、今日はなんだか嬉しそうでしたが、いい事あったんでしょうかね?」
……忘れてた。それを聞かなくちゃいけないんだった……なんとなく気が重い。
コーヒーの後味がエグ味に変わった気がした。
お屋敷に着くと、カノンが一足先に仕事に戻っていた。急いでエプロンを替えて調理場に人参を託し、掃除に掃除に取り掛かった。
カノンは確かに昨日とは打って変わって重い空気が無くなってはいるが、少し焦っている…?他の人が気が付かない程度にチラチラと私と目が合うのは何故だろうか。
「カノン、どうしたの?今日はなんだかいつもと違う気がするんだけど…」
衣装部屋の掃除は2人での掃除に加えて、ドレスの布が防音となって声が漏れない。
秘密話にはうってつけだ。…掃除をするメイド同士場合だが。
「ライアちゃん…どうしよう…」
私をちゃん呼びするカノンに嫌な予感しかない。
「マーロンと、ヤっちゃった」
勘弁して。ぶっ飛びすぎよ、カノンちゃん。
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その頃男性陣
明日のお屋敷でのパーティーの為に、殆どの執事たちが珍しく厨房の手伝いに入っていた。
「ぶっちゃけ、2人はどっち派ですか?」
無駄にワクワクきらきらした目を向けて問いかけるメイに、クリスとマーロンの心が奇跡的に一致した。
『『今それを聞かないでくれ!』』
「俺は~…カノンさん派かなぁ。ライアさんは美人だけど、俺と話が合わなくて鼻で笑われそう~。」
「分からなくも無いかなぁ。まあ、仕事仲間って思うとそこまでで終わりかなぁ。」
マーロンがじゃがいもの芽を取りながら答えると、皮むきをしているクリスも同意した。
「あー、分かるかも。しかも、ライアさんは男に興味なさそう。まあ分かる気がするけど。」
「「確かに!ライアさん興味なさそう!!」」
傍からみると、のんびり普通の男子の会話をほのぼのしている3人であったが、聞いていた厨房の面々は別の事に引っかかっていた。
「「「「クリス坊分かるってどっち?恋愛に興味無いのか?女性に?え?え?どっちか聞いてくれ!」」」」
厨房の面々の後ろを守るか否かをこっそり真剣に聞いていたことは通りかかった侍女長だけは分かったとか分からなかったとか……
「あ、そっか!でもマーロンさん彼女さんと仲良いですもんね!」
「え?」
クリスがバッとマーロンを見て固まった。
「「「「マー坊狙いだったのか…?」」」」
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桜梅花 空木です。すみません!次が少し空いて9/29更新予定です(・_・、)
今後ともよろしくお願い致しますm(_ _)m
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