2 / 16
別れは突然に
しおりを挟む
彼に…彼と恋に落ちたのは突然だったの。
年に1度の村のお祭りに久しぶりに里帰りした私は、隣のおばさんに流されるままに、屋台の手伝いをさせられてたの。
まあ、小さい頃よくお世話になったから1日位いいか。と思ってね?
串焼きの売上は村で一二を争うほど良かったわ。お礼って程でもないけど、お祭りの終盤には売り切れてたから、ちょっと早めのパーティーをしようって事になって
簡易テーブルを作ってパーティーをしてたんだけど、おばさんやおじさんのテンションが段々高くなっていって、傍を通る人も巻き込んで中々大きなパーティーになっちゃったんだ
流石に2人ともお酒が回ってきたのが分かったから、そろそろお開きにして送ろうと思ったんだけど、なにせ酔っ払った大人2人を運ぶのには無理があって
2人を支えて立ち上がった瞬間、バランスをくずしちゃったの
「倒れる!!」
思わず目を思いっきり瞑っちゃったんだけど…
しばらく経っても地面に叩きつけられなかった
「大丈夫?」
村では嗅いだことのない、ミントの香りが私を支えてくれてたの
彼は素早く2人を私から移動させて、何度言ってもかたくなに家まで送ってくれたの
いままでそんな事を男性にしてもらった事なんて無かったから、申し訳なさと驚きで、お礼をするって言ったんだ。
そしたら彼、何て言ったと思う?
「じゃあ、君の時間を少しくれない?……あ…と、本当は、お礼の食事目当てで助けたんだ。ごめんね、一目惚れ…かも。」
耳や通った鼻筋まで真っ赤にしてはにかんだ彼を見た瞬間、私は堕ちたんだと思う。
初めは、週に2、3回デートをしてたんだけど、付き合って1年経ったある日、
「カノンと1年一緒に居るけど、どんどん好きになっていくよ。狡いね。俺にももっと君に好きになってもらえる機会をくれない?」
「あ、ありがとう/////……でも、お互いの仕事もあるし、もっと会うのは難しいね…」
「そうじゃなくて……一緒に暮らさない?」
「え…?」
「ご、ごめん!まだ早かったかな?でも、カノンは魅力的だから、俺が不安って言うのが本音なんだけど。自分勝手だったね、忘れて!」
悲しそうな顔で去ろうとした彼の腕を、思わず両手で掴んじゃった
「違うの!すごく、嬉しい!えと……お願い、します。」
顔に熱が集まるのが分かった。だけど、それよりも嬉しくて心臓が破裂しそうだった
でも、彼のへにゃりと笑った顔をみたら、そんなのどうでもよくなってた
(あ……また耳と鼻筋が真っ赤。ふふふ)
この事を知ってるのは私だけの秘密
そう言って、カノンは幸せそうに笑ってサンドイッチを頬張っている
私の半年後に来たカノンは、初めから人懐っこく、よく賄いを食べる仲だ。
しかし、良い子だけど、秘密を出会って半年の私に喋って良いのだろうか。まあ、喋る相手もいないし、私は一向に構わないのだが。
そう考えつつ、相槌をうってサンドイッチを頬張る。トマトの果汁と辛子マヨネーズが相まってパンが吸い込み、ベチャベチャになった物を無理矢理飲み込んだ
「で、その彼とはもう付き合ってどれくらいなの?」
飲み物で洗い流そうと思ったが、私が唯一苦手な炭酸飲料だった。いつもはレモンウォーターなので油断した。どうやら、今日は運が良くないようだ。
「あ、今日ラッキー♪コーラじゃん!えーとね。5年かな?」
「じゃあ、4年同棲してるんだ。結婚もうすぐじゃないの?ここ来たばっかだよね?」
「なんかねー。最近彼の仕事が忙しいみたいで、話も全然出来ないんだよね…もちろんあっちもご無沙汰。」
「ごふっ!?いきなりぶっ込んで来ないでよ。あー、もう熟年夫婦みたいな?」
「そうなのかなー?でもさ、まだ結婚してないし、ドキドキしたいんだよね~。でさ、今執事のマーロン君と話すとキュンキュンしちゃうの!彼可愛くない?」
「何それ浮気?可愛い…かな?」
「違うの!俳優にキュンキュンする感じ?あの無意識に距離近かったり私にだけ気安かったりする感じが!きゃーーー!」
カノンは机に突っ伏しているが、正直そこまで良い部類には入らないと思う。
目は二重だが、小さめで離れているし、顔は四角い。あと一歩感が否めない。
そんな彼が、手紙を持ってこっちに近づいて来た
「カノン、ライアさん、お疲れ様です。カノンに手紙、ほれ。」
「へ?ありがとう~。そっか。私の衣装棚移動するからそっちに届けられないのか。あ!彼からだ!!」
「そういう事。いつも手紙なんて来ないよな?見てみたら?」
その言葉を聞いてか聞く前にか、手紙を開いて読み始めたカノン
いつもに増して筋肉緩みっぱなしだった彼女だが、直ぐに真顔になり、次第に血の気が引いているのが分かるほど真っ白になっていった
「…どうしたの?」
思わず聞いた私の顔を見たカノンの目には、光が無くなっていた
無言で手紙を私達に向けて置いた。
そこに書かれていた内容は、簡単に一言
「別れよう」
年に1度の村のお祭りに久しぶりに里帰りした私は、隣のおばさんに流されるままに、屋台の手伝いをさせられてたの。
まあ、小さい頃よくお世話になったから1日位いいか。と思ってね?
串焼きの売上は村で一二を争うほど良かったわ。お礼って程でもないけど、お祭りの終盤には売り切れてたから、ちょっと早めのパーティーをしようって事になって
簡易テーブルを作ってパーティーをしてたんだけど、おばさんやおじさんのテンションが段々高くなっていって、傍を通る人も巻き込んで中々大きなパーティーになっちゃったんだ
流石に2人ともお酒が回ってきたのが分かったから、そろそろお開きにして送ろうと思ったんだけど、なにせ酔っ払った大人2人を運ぶのには無理があって
2人を支えて立ち上がった瞬間、バランスをくずしちゃったの
「倒れる!!」
思わず目を思いっきり瞑っちゃったんだけど…
しばらく経っても地面に叩きつけられなかった
「大丈夫?」
村では嗅いだことのない、ミントの香りが私を支えてくれてたの
彼は素早く2人を私から移動させて、何度言ってもかたくなに家まで送ってくれたの
いままでそんな事を男性にしてもらった事なんて無かったから、申し訳なさと驚きで、お礼をするって言ったんだ。
そしたら彼、何て言ったと思う?
「じゃあ、君の時間を少しくれない?……あ…と、本当は、お礼の食事目当てで助けたんだ。ごめんね、一目惚れ…かも。」
耳や通った鼻筋まで真っ赤にしてはにかんだ彼を見た瞬間、私は堕ちたんだと思う。
初めは、週に2、3回デートをしてたんだけど、付き合って1年経ったある日、
「カノンと1年一緒に居るけど、どんどん好きになっていくよ。狡いね。俺にももっと君に好きになってもらえる機会をくれない?」
「あ、ありがとう/////……でも、お互いの仕事もあるし、もっと会うのは難しいね…」
「そうじゃなくて……一緒に暮らさない?」
「え…?」
「ご、ごめん!まだ早かったかな?でも、カノンは魅力的だから、俺が不安って言うのが本音なんだけど。自分勝手だったね、忘れて!」
悲しそうな顔で去ろうとした彼の腕を、思わず両手で掴んじゃった
「違うの!すごく、嬉しい!えと……お願い、します。」
顔に熱が集まるのが分かった。だけど、それよりも嬉しくて心臓が破裂しそうだった
でも、彼のへにゃりと笑った顔をみたら、そんなのどうでもよくなってた
(あ……また耳と鼻筋が真っ赤。ふふふ)
この事を知ってるのは私だけの秘密
そう言って、カノンは幸せそうに笑ってサンドイッチを頬張っている
私の半年後に来たカノンは、初めから人懐っこく、よく賄いを食べる仲だ。
しかし、良い子だけど、秘密を出会って半年の私に喋って良いのだろうか。まあ、喋る相手もいないし、私は一向に構わないのだが。
そう考えつつ、相槌をうってサンドイッチを頬張る。トマトの果汁と辛子マヨネーズが相まってパンが吸い込み、ベチャベチャになった物を無理矢理飲み込んだ
「で、その彼とはもう付き合ってどれくらいなの?」
飲み物で洗い流そうと思ったが、私が唯一苦手な炭酸飲料だった。いつもはレモンウォーターなので油断した。どうやら、今日は運が良くないようだ。
「あ、今日ラッキー♪コーラじゃん!えーとね。5年かな?」
「じゃあ、4年同棲してるんだ。結婚もうすぐじゃないの?ここ来たばっかだよね?」
「なんかねー。最近彼の仕事が忙しいみたいで、話も全然出来ないんだよね…もちろんあっちもご無沙汰。」
「ごふっ!?いきなりぶっ込んで来ないでよ。あー、もう熟年夫婦みたいな?」
「そうなのかなー?でもさ、まだ結婚してないし、ドキドキしたいんだよね~。でさ、今執事のマーロン君と話すとキュンキュンしちゃうの!彼可愛くない?」
「何それ浮気?可愛い…かな?」
「違うの!俳優にキュンキュンする感じ?あの無意識に距離近かったり私にだけ気安かったりする感じが!きゃーーー!」
カノンは机に突っ伏しているが、正直そこまで良い部類には入らないと思う。
目は二重だが、小さめで離れているし、顔は四角い。あと一歩感が否めない。
そんな彼が、手紙を持ってこっちに近づいて来た
「カノン、ライアさん、お疲れ様です。カノンに手紙、ほれ。」
「へ?ありがとう~。そっか。私の衣装棚移動するからそっちに届けられないのか。あ!彼からだ!!」
「そういう事。いつも手紙なんて来ないよな?見てみたら?」
その言葉を聞いてか聞く前にか、手紙を開いて読み始めたカノン
いつもに増して筋肉緩みっぱなしだった彼女だが、直ぐに真顔になり、次第に血の気が引いているのが分かるほど真っ白になっていった
「…どうしたの?」
思わず聞いた私の顔を見たカノンの目には、光が無くなっていた
無言で手紙を私達に向けて置いた。
そこに書かれていた内容は、簡単に一言
「別れよう」
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
【R18】貧しいメイドは、身も心も天才教授に支配される
さんかく ひかる
恋愛
王立大学のメイド、レナは、毎晩、天才教授、アーキス・トレボーの教授室に、コーヒーを届ける。
そして毎晩、教授からレッスンを受けるのであった……誰にも知られてはいけないレッスンを。
神の教えに背く、禁断のレッスンを。
R18です。長編『僕は彼女としたいだけ』のヒロインが書いた異世界恋愛小説を抜き出しました。
独立しているので、この話だけでも楽しめます。
【R18】隣のデスクの歳下後輩君にオカズに使われているらしいので、望み通りにシてあげました。
雪村 里帆
恋愛
お陰様でHOT女性向け33位、人気ランキング146位達成※隣のデスクに座る陰キャの歳下後輩君から、ある日私の卑猥なアイコラ画像を誤送信されてしまい!?彼にオカズに使われていると知り満更でもない私は彼を部屋に招き入れてお望み通りの行為をする事に…。強気な先輩ちゃん×弱気な後輩くん。でもエッチな下着を身に付けて恥ずかしくなった私は、彼に攻められてすっかり形成逆転されてしまう。
——全話ほぼ濡れ場で小難しいストーリーの設定などが無いのでストレス無く集中できます(はしがき・あとがきは含まない)
※完結直後のものです。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ミユはお兄ちゃん専用のオナホール
屑星とあ
恋愛
高校2年生のミユは、母親が再婚した父親の息子で、義理の兄であるアツシに恋心を抱いている。
ある日、眠れないと言ったミユに睡眠薬をくれたアツシ。だが、その夜…。
【R18 大人女性向け】会社の飲み会帰りに年下イケメンにお持ち帰りされちゃいました
utsugi
恋愛
職場のイケメン後輩に飲み会帰りにお持ち帰りされちゃうお話です。
がっつりR18です。18歳未満の方は閲覧をご遠慮ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる