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第035話:部位の違いを思い知れ!
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俺はいま、加護「アルティメット・キッチン」を展開し、異空間の中にいる。レイラとメリッサも一緒だ。メリッサは先ほどから、女神ヘスティアと会話をしている。神界について質問しているようだ。ちなみにレイラは素振りをしている。
「うーん」
そして俺は、解体されたエビル・バッファローの各部位を見ながら考え事をしていた。
「ユーヤよ。汝は先ほどから、何を悩んでおるのじゃ?」
ようやくメリッサの相手を終えたヘスティアが話しかけてきた。
「エビル・バッファローの肉なんだがな。たしかに地球の牛と同じような構造だ。だが、それだけに惜しいと思ってな」
「ほう、どういうことじゃ?」
「雑なんだよ。肉の分け方が。タンや内臓を食べられないと考えていたのは、知識がなかったということから仕方がないんだが、牛はそれ以外にも多様な部位がある。だがこの世界の肉屋は、ただぶった切っただけだ。サーロインとリブロースとヒレを同じ扱いにしている。腹肉というだけで、ウチバラ、ソトバラ、カイノミも一括りだ。ネック、肩ロース、ウデもそうだな。それに熟成の知識もないようだ。なまじ肉が簡単に手に入るから、少しでも美味く食おうと考えなかったんだろうな」
「そうかの。たしかに素人の肉屋もいるようじゃが、少しでも美味い肉をと考える者もおるぞ? 魔導技術によって生まれた冷温機などを使う肉屋もある」
「確かに、王都の肉屋にはそういう店もあったな。だが肉は部位ごとに扱いが変わる。十把一重に同じ冷蔵庫にぶち込めばいいというものじゃない。これは料理人の責任でもあるな。きちんと肉を調理する料理人がもっと増えれば、ユーザーのニーズから、肉屋の意識も変わっていくだろう」
牛タンの仕込みをする。タンブロックを水の中で何度も揉み洗いし、重曹水に漬けることで完全な血抜きと臭み抜きをする。さすがにこの世界に食用重曹は売っていないので、孤児院では揉み洗いと一晩の「乾燥」だけを教えているが、重曹水につけることで、より牛タンの旨味が出る。
「牛タン一つでも、中央卸売市場などでは揉み洗い工程を必ず行っている。ブリ剥き作業もだ。スジ肉がついたまま売る肉屋なんて、少なくとも日本にはないな」
ブロック肉を解体する。サーロインからヒレを取り外し、脂身やスジを掃除する。肉質は悪くない。オーストラリア産のグラスフェッドに近いだろうが、適度なサシも入っている。ダンジョンで生まれた魔物だからだろうか。
「あら、肉なんてどれも同じじゃないの? そんなにバラバラにしても意味ないと思うけど?」
メリッサが俺の作業を覗き見て、呆れた表情を浮かべる。コイツ…… 肉なんてどの部位も同じだと?
「見てみろ。脂の入り方が違うだろう? 肩ロース、サーロイン、そして最も希少部位のシャトーブリアン……」
「でも味は同じでしょ? 塩を振れば、みんな塩味じゃない」
カチーン! この見た目JC魔女は、性格までJCか。そこまで言うなら、肉に目覚めさせてやる。今日の飯は「鉄板焼」だ。鉄板焼用カウンターキッチンを顕現させる。
「お前たちに教えてやる。肉の可能性をな!」
ステーキを焼くうえで重要なのは、道具と火加減だ。フライパンで焼く場合は、鉄のフライパンをお勧めする。テフロンのフライパンより遥かに美味くなる。そして火加減は強火、弱火、余熱を使い分ける。これにより、中心温度52度のミディアムレアに仕上げる。
「ステーキを焼く時の大前提、肉は必ず常温に戻す。冷蔵庫から取り出してそのまま焼くようなことは、絶対にしてはならない。次に下ごしらえだ。スジには包丁を入れ、焼く直前に塩を振ること。〈今日はステーキよ〉とか言って、アメリカ産肩ロースをスーパーで買ってきて冷蔵庫にぶち込み、テフロンのフライパンにサラダ油を垂らして焼くような主婦がいるが、ハッキリ言ってカネの無駄だ。鉄のフライパンと牛脂を使わずに、ステーキを焼こうとするな」
「お、おう……」
いつの間にか、カウンターにレイラが座っている。まぁいい。焼き始めるとするか。まずは牛肩ロースのステーキだ。肉と脂の境に包丁を入れて筋切りをする。鉄板に牛脂を馴染ませ、強火にする。煙が少し立ち始めたら、塩を振った肩ロース肉を置く。今回は、肉を教えるために胡椒は使っていない。
ジュウゥゥゥ……
「おぉっ、良き匂いじゃっ」
ヘスティアが鉄板に顔を近づけてクンクンしている。鉄板焼のメリットは、料理をプレゼンできることだ。「音」と「匂い」によって客の食欲はさらに増幅させる。
「一度置いた肉は動かさない。焼き加減は肌に伝わる熱から、感覚で掴むしかない」
肉の端にツヤが出てくる。これがひっくり返すタイミングだ。起金を使って手早くひっくり返す。焼けた表面に、ミルで岩塩を挽く。裏面にはそれほど時間を掛けない。余熱用の鉄板に肉を移動させ、蓋をする。
「この工程で、余熱で肉に火を入れていく。目指す焼き上がりはミディアムレアだ。個人的には、肉の旨味が最も出る焼き加減だと思う」
およそ3分間、余熱での火入れを行う。家庭で焼く場合はアルミホイルを使うと良いだろう。余熱を入れる間に皿を用意する。当然、皿にもこだわる。冷たい皿の上にステーキを載せるなど論外だ。50度に温めておく。この程度の手間すら惜しむ奴は、外でステーキを食べればいい。
「よし、牛肩ロースのステーキだ」
皿に置いてカットして出す。ソースは掛けない。岩塩だけで味わってもらう。フォークを手にしたヘスティアが、口を大きく開けて一気に齧り付いた。
「ふぉぉっ! 美味いのぉ!」
「うん、美味しいわね。まさにお肉って感じかしら」
「中心が赤いのに、温くないぞ。噛むたびに肉汁が口の中に溢れて、美味い!」
三人とも満足しているようだ。俺も一切れ食べてみる。うん、肩ロースステーキだ。赤身が多く、焼き加減を間違えるとガチガチに固くなってしまう。ミディアムレアで焼いたため、肉汁と岩塩が合わさって、肉の旨味をダイレクトに味わうことができる。
「やはり、オーストラリア産のグラスフェッドに近いな。牛肉本来の味がするが、同時に臭みもある。店で出すのなら、ローズマリーは必須だな」
続いてサーロイン、シャトーブリアンと焼きますか!
ただ焼いただけの肉であっても、ユーヤの手にかかると魔法のように美味くなる。だがユーヤが特別だというわけではない。魔法や加護の力ではなく、確固とした理があり、それを抑えれば誰でも同等の料理ができるそうだ。いま目の前に出されているステーキは、正にその証明であろう。
「シャトーブリアン? 初めて聞く名前だが、部位が違うだけでそこまで差が出るのか? いや、先ほどのサーロイン・ステーキは実に美味であったが……」
それはそうと、鉄板焼という調理方法は実に素晴らしい。客の目の前で、熱い鉄板の上に肉を置いて調理する。部位それぞれで厚さや焼き方が異なり、それが肉の旨味を十分に引き出している。最初に食べたロースという部位は、いかにも「肉」という味であったが、次に食べたサーロインはロースよりもずっと柔らかく、肉の脂と岩塩によって唾液が止まらなかった。これを「ジューシー」というのだろうか。
「シャトーブリアンは肉の中でも特に希少で、それだけに焼き方に注意しなければならない。2センチの厚さにカットしたシャトーブリアンは、まずは表面を焼き、次に裏面、側面と焼く。続いて金属製の網台に乗せて、鉄板から一センチ離したところでじっくりと内部に火を入れていく……」
見事な焼き色のついた肉を目の前にすると、思わず唾を飲みこんでしまった。隣を見ると、ヘスティア様やメリッサも食い入るように肉を見つめている。だがユーヤは、銅製と思われる半円の蓋で、その肉を隠してしまった。こうすることで熱を滞留させ、より早く火が入るとともに肉のパサつきを防ぐそうだ。
白い皿に置かれた肉に、スッとナイフが通される。中心は美しいルビー色で、外側にいくほどに色が淡くなる。湯気と共に、透明な脂がジュワッと切り口から溢れ出る。
「ふぉぉぉっ!」
口にした瞬間、私は感嘆の声を漏らしてしまった。柔らかいなどというものではない。舌の上で、肉が溶けたのである。噛むとキュッと肉が弾力を返し、すぐに噛み切れる。そして肉汁が溢れ出る。ロースやサーロインとは、明らかに違う。これが「部位の差」というものなのか!
「どうだ? たかが肉一つでも、全然違うだろ?」
私たち三人は言葉も出ず、ただコクコクと頷くしかなかった。胡椒すら使わず、岩塩だけの味でこれほどの差が出るのだ。これで、ユーヤ特製のステーキソースなどを使ったら、それこそ神々の美食をも超えるだろう。
「……ここまでくると、もはや芸術ね」
メリッサの言葉がすべてを語っている。そうだ。これはもう食事ではない。名工が生涯を賭して生み出した畢生の一振り、宮廷画家が身命を削って描き切った一枚に匹敵する「芸術作品」を鑑賞しているかのようだ。
「部位の差を理解してもらったところで、今度はソースで食べようか。野葡萄、赤ワイン、葡萄酢、玉ねぎ、ハチミツ、塩、胡椒で作ったステーキソースだ。醤油は使っていない。すべて市場で手に入る食材で作ってみた」
酸味と甘みが薫ってくるソースが用意される。ダメだ、耐えきれない! 私はフォークを握りしめた。
「うーん」
そして俺は、解体されたエビル・バッファローの各部位を見ながら考え事をしていた。
「ユーヤよ。汝は先ほどから、何を悩んでおるのじゃ?」
ようやくメリッサの相手を終えたヘスティアが話しかけてきた。
「エビル・バッファローの肉なんだがな。たしかに地球の牛と同じような構造だ。だが、それだけに惜しいと思ってな」
「ほう、どういうことじゃ?」
「雑なんだよ。肉の分け方が。タンや内臓を食べられないと考えていたのは、知識がなかったということから仕方がないんだが、牛はそれ以外にも多様な部位がある。だがこの世界の肉屋は、ただぶった切っただけだ。サーロインとリブロースとヒレを同じ扱いにしている。腹肉というだけで、ウチバラ、ソトバラ、カイノミも一括りだ。ネック、肩ロース、ウデもそうだな。それに熟成の知識もないようだ。なまじ肉が簡単に手に入るから、少しでも美味く食おうと考えなかったんだろうな」
「そうかの。たしかに素人の肉屋もいるようじゃが、少しでも美味い肉をと考える者もおるぞ? 魔導技術によって生まれた冷温機などを使う肉屋もある」
「確かに、王都の肉屋にはそういう店もあったな。だが肉は部位ごとに扱いが変わる。十把一重に同じ冷蔵庫にぶち込めばいいというものじゃない。これは料理人の責任でもあるな。きちんと肉を調理する料理人がもっと増えれば、ユーザーのニーズから、肉屋の意識も変わっていくだろう」
牛タンの仕込みをする。タンブロックを水の中で何度も揉み洗いし、重曹水に漬けることで完全な血抜きと臭み抜きをする。さすがにこの世界に食用重曹は売っていないので、孤児院では揉み洗いと一晩の「乾燥」だけを教えているが、重曹水につけることで、より牛タンの旨味が出る。
「牛タン一つでも、中央卸売市場などでは揉み洗い工程を必ず行っている。ブリ剥き作業もだ。スジ肉がついたまま売る肉屋なんて、少なくとも日本にはないな」
ブロック肉を解体する。サーロインからヒレを取り外し、脂身やスジを掃除する。肉質は悪くない。オーストラリア産のグラスフェッドに近いだろうが、適度なサシも入っている。ダンジョンで生まれた魔物だからだろうか。
「あら、肉なんてどれも同じじゃないの? そんなにバラバラにしても意味ないと思うけど?」
メリッサが俺の作業を覗き見て、呆れた表情を浮かべる。コイツ…… 肉なんてどの部位も同じだと?
「見てみろ。脂の入り方が違うだろう? 肩ロース、サーロイン、そして最も希少部位のシャトーブリアン……」
「でも味は同じでしょ? 塩を振れば、みんな塩味じゃない」
カチーン! この見た目JC魔女は、性格までJCか。そこまで言うなら、肉に目覚めさせてやる。今日の飯は「鉄板焼」だ。鉄板焼用カウンターキッチンを顕現させる。
「お前たちに教えてやる。肉の可能性をな!」
ステーキを焼くうえで重要なのは、道具と火加減だ。フライパンで焼く場合は、鉄のフライパンをお勧めする。テフロンのフライパンより遥かに美味くなる。そして火加減は強火、弱火、余熱を使い分ける。これにより、中心温度52度のミディアムレアに仕上げる。
「ステーキを焼く時の大前提、肉は必ず常温に戻す。冷蔵庫から取り出してそのまま焼くようなことは、絶対にしてはならない。次に下ごしらえだ。スジには包丁を入れ、焼く直前に塩を振ること。〈今日はステーキよ〉とか言って、アメリカ産肩ロースをスーパーで買ってきて冷蔵庫にぶち込み、テフロンのフライパンにサラダ油を垂らして焼くような主婦がいるが、ハッキリ言ってカネの無駄だ。鉄のフライパンと牛脂を使わずに、ステーキを焼こうとするな」
「お、おう……」
いつの間にか、カウンターにレイラが座っている。まぁいい。焼き始めるとするか。まずは牛肩ロースのステーキだ。肉と脂の境に包丁を入れて筋切りをする。鉄板に牛脂を馴染ませ、強火にする。煙が少し立ち始めたら、塩を振った肩ロース肉を置く。今回は、肉を教えるために胡椒は使っていない。
ジュウゥゥゥ……
「おぉっ、良き匂いじゃっ」
ヘスティアが鉄板に顔を近づけてクンクンしている。鉄板焼のメリットは、料理をプレゼンできることだ。「音」と「匂い」によって客の食欲はさらに増幅させる。
「一度置いた肉は動かさない。焼き加減は肌に伝わる熱から、感覚で掴むしかない」
肉の端にツヤが出てくる。これがひっくり返すタイミングだ。起金を使って手早くひっくり返す。焼けた表面に、ミルで岩塩を挽く。裏面にはそれほど時間を掛けない。余熱用の鉄板に肉を移動させ、蓋をする。
「この工程で、余熱で肉に火を入れていく。目指す焼き上がりはミディアムレアだ。個人的には、肉の旨味が最も出る焼き加減だと思う」
およそ3分間、余熱での火入れを行う。家庭で焼く場合はアルミホイルを使うと良いだろう。余熱を入れる間に皿を用意する。当然、皿にもこだわる。冷たい皿の上にステーキを載せるなど論外だ。50度に温めておく。この程度の手間すら惜しむ奴は、外でステーキを食べればいい。
「よし、牛肩ロースのステーキだ」
皿に置いてカットして出す。ソースは掛けない。岩塩だけで味わってもらう。フォークを手にしたヘスティアが、口を大きく開けて一気に齧り付いた。
「ふぉぉっ! 美味いのぉ!」
「うん、美味しいわね。まさにお肉って感じかしら」
「中心が赤いのに、温くないぞ。噛むたびに肉汁が口の中に溢れて、美味い!」
三人とも満足しているようだ。俺も一切れ食べてみる。うん、肩ロースステーキだ。赤身が多く、焼き加減を間違えるとガチガチに固くなってしまう。ミディアムレアで焼いたため、肉汁と岩塩が合わさって、肉の旨味をダイレクトに味わうことができる。
「やはり、オーストラリア産のグラスフェッドに近いな。牛肉本来の味がするが、同時に臭みもある。店で出すのなら、ローズマリーは必須だな」
続いてサーロイン、シャトーブリアンと焼きますか!
ただ焼いただけの肉であっても、ユーヤの手にかかると魔法のように美味くなる。だがユーヤが特別だというわけではない。魔法や加護の力ではなく、確固とした理があり、それを抑えれば誰でも同等の料理ができるそうだ。いま目の前に出されているステーキは、正にその証明であろう。
「シャトーブリアン? 初めて聞く名前だが、部位が違うだけでそこまで差が出るのか? いや、先ほどのサーロイン・ステーキは実に美味であったが……」
それはそうと、鉄板焼という調理方法は実に素晴らしい。客の目の前で、熱い鉄板の上に肉を置いて調理する。部位それぞれで厚さや焼き方が異なり、それが肉の旨味を十分に引き出している。最初に食べたロースという部位は、いかにも「肉」という味であったが、次に食べたサーロインはロースよりもずっと柔らかく、肉の脂と岩塩によって唾液が止まらなかった。これを「ジューシー」というのだろうか。
「シャトーブリアンは肉の中でも特に希少で、それだけに焼き方に注意しなければならない。2センチの厚さにカットしたシャトーブリアンは、まずは表面を焼き、次に裏面、側面と焼く。続いて金属製の網台に乗せて、鉄板から一センチ離したところでじっくりと内部に火を入れていく……」
見事な焼き色のついた肉を目の前にすると、思わず唾を飲みこんでしまった。隣を見ると、ヘスティア様やメリッサも食い入るように肉を見つめている。だがユーヤは、銅製と思われる半円の蓋で、その肉を隠してしまった。こうすることで熱を滞留させ、より早く火が入るとともに肉のパサつきを防ぐそうだ。
白い皿に置かれた肉に、スッとナイフが通される。中心は美しいルビー色で、外側にいくほどに色が淡くなる。湯気と共に、透明な脂がジュワッと切り口から溢れ出る。
「ふぉぉぉっ!」
口にした瞬間、私は感嘆の声を漏らしてしまった。柔らかいなどというものではない。舌の上で、肉が溶けたのである。噛むとキュッと肉が弾力を返し、すぐに噛み切れる。そして肉汁が溢れ出る。ロースやサーロインとは、明らかに違う。これが「部位の差」というものなのか!
「どうだ? たかが肉一つでも、全然違うだろ?」
私たち三人は言葉も出ず、ただコクコクと頷くしかなかった。胡椒すら使わず、岩塩だけの味でこれほどの差が出るのだ。これで、ユーヤ特製のステーキソースなどを使ったら、それこそ神々の美食をも超えるだろう。
「……ここまでくると、もはや芸術ね」
メリッサの言葉がすべてを語っている。そうだ。これはもう食事ではない。名工が生涯を賭して生み出した畢生の一振り、宮廷画家が身命を削って描き切った一枚に匹敵する「芸術作品」を鑑賞しているかのようだ。
「部位の差を理解してもらったところで、今度はソースで食べようか。野葡萄、赤ワイン、葡萄酢、玉ねぎ、ハチミツ、塩、胡椒で作ったステーキソースだ。醤油は使っていない。すべて市場で手に入る食材で作ってみた」
酸味と甘みが薫ってくるソースが用意される。ダメだ、耐えきれない! 私はフォークを握りしめた。
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