異世界に転生したけどトラブル体質なので心配です

小鳥遊 ソラ(著者名:小鳥遊渉)

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5巻

5-2

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「いいですよ。落とすと壊れるので注意してくださいね。ガラスを叩くのも割れるからダメですよ」
「もちろんです!」

 マシューさんは羅針盤を手に持つと傾けたり回したりしている。その後、少し持ち上げて羅針盤を下から見ていたが、大切そうに両手で抱え直した。
 両手で抱えたまま、店の中をあっちに行ったりこっちに行ったりと動きまわる。
 小さくジャンプしたりかがんだりしている。
 きっとマシューさんは一隻の船になりきって、荒れ狂う海を航海しているつもりなんじゃないだろうか。
 なんて楽しそうなんだろう、まるで子供がおもちゃで遊んでいるようだ。
 おっと、マシューさんと目が合ってしまった。照れくさそうにしている。

「これは本当にすごいものですよ。アルフレッド様が説明された通り、針が同じ方向を指し示していました。船に取りつけると航海が格段に楽になりますな」

 マシューさんは羅針盤を慎重に猫車に戻すと、駆け足で店の奥に入り、すぐに契約書とペンを持って戻ってきた。この契約書はいつもの、マシュー商会で独占販売をする契約を結ぶためのものっぽいな。

「アルフレッド様。いつものように、こことここにサインをお願いします」

 マシューさんの息が上がっている。
 羅針盤は結構重いからな、あれだけ動きまわれば息も上がるのも分かる。
 自分でやらなくても店員さんにやらせればよかったのに、まあ、マシューさんが楽しそうだからいいか。
 そんなことを考えながら契約書二枚にサインを済ませた。

「書きました。さっきはマシューさんが嵐にった一隻の船のように見えましたよ」

 俺は契約書を手渡しながら言った。

「いやー、お恥ずかしい。アルフレッド様が言われる通り、嵐に遭遇した船になったつもりで動きまわってみたんです。私の演技も捨てたものではないですな。何せ、生き物ではなく船になれるのですから」

 恥ずかしいのかマシューさんの顔がパアッと赤みを帯びる。

「それに、この道具は売れますよ! また儲かってしまいますな!」

 マシューさんから熱気が伝わってくるようだ。過労で倒れなければいいけど。サーシャも退屈しているから早めに引き上げよう。

「サーシャがいい子にしていてくれたから、好きなものを買ってあげるよ。でも高いものはダメだからね」
「わーい! クッキーと、新しい絵本が欲しいの!」

 サーシャがチビを抱いたまま、ベスの背中で体を上下に大きく揺さぶる。ベスがサーシャを見上げており、やめてほしがっているのが手に取るように分かる。
 店員から新しい絵本はないと言われ、サーシャがしゅんとなってしまった。

「サーシャ様! 絵本はなかなか新しいものは作られないのですよ! 次の絵本が発売されるといいのですが、こればかりはなんともなりませんから。私も楽しみにしているのですよ。ここはアルフレッド様にお頼みするしかありませんな!」

 マシューさんが無茶ぶりしてきたぞ。
 絵本は伝説を元に作られることが多いらしいけど、俺は勇者のように龍を倒してエリクサーを手に入れたりしないから、絵本は作られたりしないよ。

「マシューおじちゃんも絵本が好きなの!?」

 サーシャが仲間を見つけ、元気を取り戻している。

「それはもう! 大好きです。大魔導士様が魔法大国アスラダで岩風竜を倒す絵本が一番のお気に入りです」

 ちなみに岩風竜っていうのは、恐竜みたいな竜のこと。

「サーシャも大魔導士様の絵本は好きなの!」

 二人の年は離れているのに意気投合している。なんか変な方向に話が進んだら困るから、早く退散した方がよさそうだ。

「サーシャ、マシューさんは忙しいからこれ以上邪魔しちゃだめだよ。プリンを作ってあげるから帰ろう」
「わーい、サーシャ、プリン大好きなの!」

 サーシャがそう言って喜ぶ。

《プリンダォ》
《プリンなノ》
《プリン、あれは美味おいしいですね》

 チビ、ベビだけでなく、ベスからも嬉しい気持ち入りの念話が届いた。
 俺たちは、クッキーと砂糖、大量の卵を購入するとマシュー商会を後にした。


 自宅に帰るとお父様とお母様の執務室に向かった。
 国王陛下から教えてもらった、邪神教の狂信者が聖者の一人を暗殺し、未だに犯人が捕まっていないという事件を報告した。
 ちなみに邪神教っていうのは、邪神をあがめてこの世に混乱をもたらそうとしているテロ組織だ。
 お母様の叔父さんであるマキシム・ガルトレイク第三騎士団長が捜査しているが、十分に注意するようにと言われたことも伝えておいた。
 グラン帝国との貿易が活発に行われるようになっており、この村を出入りする人数が増え、一目で怪しい人を見分けることは難しくなった。
 何かしらの対策を講じる必要があるが、まずは、見まわりの回数を増やすなどできることから始めるしかない。
 お母様は何度も命を狙われたことがあるそうで、お父様に助けられたのだとのろけられた。
 それでお母様がお父様を好きになったんだな。お父様もお母様の身を守るためとはいえ、騎士団を辞め、駆け落ち同然でこの村に移住するなんて、二人とも行動力が半端ない。
 この屋敷は高い壁でぐるりと囲われており、正面の出入口には門番もいる。
 なので邪神教が攻撃してきても大丈夫だろうとお父様は言っているが、邪神教の狂信者が相手となるとどうなんだろうか?
 以前の屋敷とは比べるまでもないほど安全にはなったけど、絶対なんてありえないよね。
 だから、「邪神教の狂信者は何をするか分からないから十分に気を付けてください」とだけ、言っておいたんだ。
 さて、邪神教の話は伝えたので、ポートの港町に魚をもらいに行ってこよう。
 陛下やお爺様たちだけじゃなくて、家族にも新鮮な海の魚を食べてもらいたいんだ。


 ということで、ウイングスーツを着て飛び、港町ポートに移動。
 仕事斡旋ギルドに頼んでおいた魚十キロを受け取りに行く。
 着いたら、お金はもらえないと言うから、マシュー商会で売ってるハイルーン印のスイーツを渡したら、「王都のスイーツがポートで食べれるなんて」と、メチャクチャ喜んでくれたんだ。買ってきてよかったよ。
 物々交換になるけど、これなら喜んで受け取ってくれるからね。
 あんなに屈強な海の男たちが、甘いものには目がないんだよね。嬉しそうにスイーツを頬張る顔を見ると、なんかほっこりとしたな。
 十キロの魚を頼んでいたんだけど、海竜を退治してくれたお礼だと言って、いっぱい魚を入れてくれた。どんな魚を入れてくれたのかは、帰って袋を開けてからのお楽しみだ。
 どんな魚料理にしようかな。といっても、油で揚げるか焼くかしかできないんだけどね。
 ワサビはあるから刺身もいいんだけど、醤油しょうゆがないんだよね。
 それにアニサキスが怖いから、今回は刺身はやめておこうかな。他国を探せば、醤油や味噌みそはあるかもしれない。
 でも大豆だいずは確保しているから、ラノベのテンプレである醤油と味噌は、俺の手で作りたいね。
 突然だけど、アルフレッドの三時間クッキングの時間となりました。某料理番組のように三分で調理できればいいんだけど、そんな便利な魔法はないんだよね。
 本日はなかなか手に入らない新鮮な海の魚を使った料理です。先ほど、空輸されたばかりのとれたてピチピチのお魚だよ。
 見た目がたいのような魚が入っていたので、一品目の料理は塩釜しおがま焼きに決めた。
 魔法で水を作り、鯛みたいな魚を洗い、軽くうろこを取って内臓もきれいに取り除いた。
 卵白と塩を混ぜて、映えを狙って魚の形に固めるよ。
 後は石窯いしがまオーブンに入れて焼くだけ、上手に焼ければいいんだけど。
 卵白とか作り方が違っている可能性もあるけど、大きな失敗はしないんじゃないかな。
 塩は高いから、塩釜焼きはけっこう贅沢ぜいたくな一品になるんだよね。
 前世の貧乏性が染みついていて、塩釜焼きに使った塩は捨てれそうにない。
 でも、魚のエキスが染み込んだ塩になっていそうだよね。料理に使えるだろうか?
 二品目はヒラメ? カレイ? みたいな平べったい魚だ。
 塩コショウして片栗粉と小麦粉をつけ、オリーブオイルで焼くよ。
 舌ビラメのムニエルが有名だけど、フライパンに入りきらないから半分に切って焼いた。
 大きなヒラメ? のムニエルが完成した。
 刺身なら間違いなく美味しいはずなんだけど……ギブミー醤油!
 三品目は天ぷらにしよう。キスみたいな小魚が入っていればよかったんだけど、どれも大きな魚ばかりなんだよね。
 その中にカツオっぽい魚が入っていた。あぶってたたきにしてみよう。
 ポン酢醤油が欲しいな。レイモンならあるからポン酢醤油に似た調味料を作ってみるか?
 カツオはいたむのが早いから、火で炙る『カツオのたたき』が考えられたとテレビの旅番組か何かで漁師さんがしゃべっているのを聞いたことがある。
 麦わらに火をつけて炙ったら、カツオっぽい魚のたたき、四品目の完成だ。
 ショウガとワサビとお酢とレイモンはあるからこの料理に合う調味料を作るぞ!
 そう思っていろいろな割合を試してみたが……なんか違う。やっぱり醤油が恋しいな!
 そうこうしてるうちに、そろそろ塩釜焼きも完成している頃だ。
 マシューさんや騎士や文官のみんなも招待するつもりだから、デザートのプリンも作っておいたからね。
 みんなには普通の大きさのプリンだけど、サーシャとチビ、ベビ、ベスのプリンは特別に大きな容器で作ったんだ。きっと、喜んでくれるんじゃないかな。
 そろそろ、みんなを呼びに行こうかな、『魚づくし料理』を喜んでくれるといいんだけど。


 マシューさんを招待しようとお店に行ったら、以前マシューさんの護衛をしていた、ダニエルさんたちがいたんだよ。
 会うのはいつぶりだろうか?

「ダニエルさん、久しぶりですね? みなさん元気そうでよかったです!」
「アルフレッド、久しぶりだな。マシューの旦那だんなが王都に行くって連絡があったから護衛のために来たんだ」
「時間があるなら『魚づくし料理』を一緒に食べませんか? いっぱい作ったので招待しますよ」
「大勢で突然の参加とか気が引けるんだが」

 ダニエルさんがメンバーの顔を見ながら言った。
 遠慮をするなんて予想外だな。即答で参加すると言うと思っていたんだけど、気配りのできる人たちだったんだな。

「『魚づくし料理』は今朝、ポート港で水揚げされたばかりの新鮮な魚を使っているんですけど、本当に食べなくていいんですか?」
「今朝ポート港で取れた海の魚だって‼ ぜひ参加させてくれ!」

 ダニエルさんだけでなくメンバー全員が駆け寄ってきて、ダニエルさんからは、がっしりと両手を掴まれてしまった。
 さっきまでの反応はなんだったんだ? きっと、海から離れているから燻製くんせいか塩漬けだと決めつけていたんだろうな。
 護衛をやっていると乾燥肉が定番だから新鮮な魚なんて滅多に口にできない。
 海の新鮮な魚なんて、ダニエルさんのホームタウンである王都でも食べれないから、飛びついてくるのも分かる気がする。


 そんなわけでしばらくして、ダニエルさんがマシューさんと一緒に食べに来てくれた。
 当初の計画よりも人数が増えたので、裏の訓練場で食べることにしよう。
 地下のシェルターも考えたんだけど、せっかくのいい天気なんだから日光浴しながら食べたいよね。
 だから、今回は庭で立食形式にした。
 各テーブルから少しずつ、魚料理を取りながら次のテーブルに移動してもらうことにしたんだ。学食とかでよくあるセルフバイキングみたいな感じだね。
 最初に注意事項として、大量に取らないように言っておいたんだよ。兵士はみんなよく食べるから、言っておかないと均等に渡らない可能性もあるからね。
 みんな立って食べている。料理をワンプレートに取り分けれるお皿を作ったんだけど、思っていた以上に好評なようだ。
 ハイルーン村のまとめ役である十人組のみんなはいつも手伝ってくれるんだけど、今日は騎士や文官まで料理を運ぶ手伝いをしてくれている。みんな気遣いできるから助かるんだよな。
 でもまあ、領主である俺が率先して働いていたら、みんなやるしかないか。
 騎士はお父様を入れて五人、文官が三人、十人組を含めて兵士は三十人くらい、それに料理人や侍女たちにも参加してもらっている。後は、マシューさんとダニエルさんたちが五人だな。
 うちはお父様お母様と、サーシャとベスにチビとベビが参加している。かなり人数が増えたな。
 でも、魚は全員に行き渡ったみたい。
 大きなヒラメみたいな魚のムニエルは、白身がプリプリで味もしっかりしていて美味しいと高評価だ。
 そろそろ、塩釜焼きの塩を割ろうかな。
 塩で魚の形にしたんだけど、ちゃんと映えているだろうか?
 木槌きづちで塩を砕くところが受けると思っていたんだけど、予想と違うぞ。
「あの石は食べれるんだろうか?」とか「あの石を食べるのか?」と聞こえてくる。
 みんな魚の塩釜焼きは見たことないみたいだな。
 みんな塩のかたまりが石に見えているようで興味津々なので、早速、木槌で塩を砕くことにする。
 俺が木槌を持つと「石を割って食べさせるつもりだろうか?」とか「本当に料理なのか?」とか、口々に言っているのが聞こえてくる。
 そう言いながら、みんなは周りに集まってきた。
 普通は魚料理で使わない木槌を持っているのが不思議なんだろうな。
 ボコボコ、バンバン、ドカドカ。
 思った以上に頑丈だ。土魔法で固めたのがよくなかったかもしれないな。中の魚が無事か心配になってきたぞ。
 あ、やっとヒビが入った。
 中の魚は大丈夫だろうか? 圧縮されて潰れていないことを祈ろう。
 木槌で砕こうとすると時間がかかりすぎるな。木槌で叩いて割っているように見せて、土魔法で砕くことにしよう。無詠唱で魔法が使えてよかったよ。
 というか、火の通りが少し怪しいかも。ガチガチに固めすぎて熱の通りがよくなかったのかもしれない。
 刺身で食べれそうなほど新鮮だから大丈夫だとは思うけど、魔法で加熱しておこう。お腹壊すと大変だからね。
 しばらくして、いい感じに鯛みたいな魚が焼けた。取り分けよう。
 ちゃんと塩味はついているかな? 味見してみよう。
 乳白色の身がプリップリで塩味もいい感じで美味しいじゃないか。
 これは美味うまい。白いご飯が欲しくなるな。それとやっぱりお醤油が欲しい。
 前世で食べた鯛の塩焼きと変わらないレベルにある美味しさだ。
 しかし、感想が聞こえてこないな。こんなに美味しいのに、俺の味覚と違うのかな?
 調味料セットとか他の料理は好評だったから、そんなことはないか。

「アルフレッド様? これはなんという料理なのでしょうか?」

 マシューさんが話しかけてきた。

「知らない魚の塩釜焼きですね」
「こんな魚料理は初めて見ました。失礼なことを言いますが、石を食べさせられるのかと不安だったんです。石ではなくて塩だったんですね。見るのも食べたのも初めてでございます」

 マシューさんが嬉しそうにしている。

「ちょっと魔法で塩を固めすぎて、砕くのが大変だったんですよ」

 マシューさんが先ほどの塩釜焼きで割った欠片かけらを手に持ち、口に運んだ。しょっぱそうに顔を少ししかめる。
 その大きさの塩を食べればそんな顔になるのも分かる。

「塩を魔法で固められたんですね、石というか岩にしか見えませんでしたから。木槌で割るというパフォーマンスが面白い。これは絶対に受けますよ」
「魚は美味しかったですか?」
「美味しいの一言です。味つけは塩だけなのですよね? 信じられないほど身がプリプリしていて、なんといっても塩味が抜群にいい。魚の旨味が閉じ込められている。それに岩を木槌で砕く斬新な演出も面白い。国王様にもお見せになったのでしょうか?」

 マシューさんがべた褒めだ。

「今日初めて作ったので、ここにいるみんなが初めて食べた人になりますね」
「なんと! 私たちが初めてですか? これは自慢してしまいそうです。でも国王様に話すとねられそうだから、ポロッと言わないように気を付けないといけませんね」
「マシューさん! 国王陛下に会われても絶対に黙っておいてくださいよ」
「そうしましょう。お互いのために黙っておくのがいいですね」

 俺とマシューさんはがっしりと握手を交わした。
 天ぷらは塩釜焼きで使った塩の塊を砕いて、塩をつけて食べてもらう。塩は高価だから捨てるのはもったいないからね。
 苦手な人はお好みで調味料セットを使ってもらうように説明したが、みんな、塩で食べている。口に合ったようで安心した。
 兵士やダニエルさんたちが何やら怪しい行動をし始めた。
 あれ? バラバラになった塩の塊を布に包んでふところに収めているじゃないか。
 塩は貴重だし、魚の味がついているから携行用の調味料にちょうどいいんだろうな。
 天ぷらも美味しい。骨はちゃんと取り除いており、魚スティックみたいな形状にしている。
 自画自賛だけど火加減も絶妙で美味しい。この微妙な焦げ具合もいいアクセントになっている。
 レイモンをしぼってみるか。ナイフでレイモンをカットしてギュッと!
 痛! 目に飛んできた。なかなかこのレイモンは活きがいいやつだ。
 これも美味しいぞ! 塩窯焼きの鯛みたいなやつにも、搾ってみればいいんじゃないかな。
 天ぷらでお腹が膨れてきた。俺的には今回の魚料理は満足の行く出来栄えになっている。
 でも、なんといっても魚が新鮮だったからだけどね。きっと誰が料理しても美味しかったんじゃないかな。

「魚の天ぷら、早い者勝ちだよ!」

 待っていましたと言わんばかりに、兵士とダニエルさんたちが走ってきて、すぐに売り切れになってしまった。
 サーシャがプリンを見つけたようで、みんなにデザートはプリンがあると言ってまわったみたいだ。
 みんな、プリンを食べる気満々な様子で、『プリン』『プリン』と話し声が聞こえてくる。
 今になってダニエルさんたち分のプリンが二つ足りないことに気が付いた。もっと余分に作っておくんだったな。
 二人だけ食べれないとか揉めごとになりそうだからな。サーシャたちのジャンボプリンから二人分を捻出するか……
 念話でチビとベビとベスにジャンボプリンから取っていいか聞いたら、あからさまに不機嫌な気持ちが伝わってきた。
 誰も分けてくれそうにないな。サーシャは一番のプリン好きだし。
 もし、分けてくれたとしても機嫌を損ねそうだ。
 これはジャンボプリンから取るなんて選択肢は存在していない。俺のプリンを渡すとして、あと一個どうするかな? お母様に明日二つ渡すからという提案をして頼んでみよう。

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