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2巻
2-2
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マルベリー公爵家の馬車は豪華な作りで、中がものすごく広かった。今までの貸切馬車は二人並んで座るのが精一杯だったのに、今度は大人が四人並んでも座れてしまう。
馬車の中を見回す。内装の材料に使われている木には重厚感がある。一方、座席はふわふわに作られていた。貸切馬車と比べると、座り心地が全然違う。
すごすぎる。高いんだろうな、この馬車。
もしかしてスノウレット様、俺たちの馬車の座り心地がよくなかったから、この馬車に特別に乗せてくれたのかな。
この馬車なら、サーシャが疲れずに旅行ができると思うのでありがたい。
スノウレット様は、心の優しい方なんだな。
そう思ってスノウレット様を見ていると、また目が合ってしまった。
どうしようと思ったら、スノウレット様からにっこりと微笑みかけられる。
よかった。嫌な顔はされなかった。
というか、じっと見られている気がするのですが……どういうことでしょうか?
スノウレット様から目を逸らしてお母様の顔を見ると、にこやかな眼差しを向けてくる。温かく見守っていますよと言われているような気がする。
しばらくするとサーシャが、スノウレット様の膝の上に乗ってお話しを始めた。
サーシャ、そんなことしちゃダメだから。公爵家のお姫様だから。
そう思ったんだけど、サーシャもスノウレット様も楽しそうにしているので何も言えなかった。
それにしても、サーシャのことも気にかけてくれるなんて、スノウレット様は優しい方なんだなと改めて思ったのだった。
旅は六日目になった。今日は、昨日着いたイオの町を出発し、いよいよ明日には王都メダリオンに着く予定だ。
今日も俺たち家族は、公爵家の馬車に乗っている。
だけど……なんだろう。すごく違和感がある。
原因を探っていると、俺の向かい側に座る人たちの位置が、昨日と違っているのに気付いた。
俺は入り口側に座っているんだけど、スノウレット様も入り口側に座っている。つまり、俺の真正面にいるのだ。
だけど、こういうのって入り口から遠い方が上座とかじゃないのかな。入り口に近いところに公爵令嬢が座るなんて、普通ありえないのではないか?
「今日はいい天気ですね」
スノウレット様がいきなり話しかけてきた。
「アルフレッド様に助けていただいたのに、きちんとお礼も伝えられていませんでしたわ。改めて、ありがとうございます」
「いえいえ、とんでもない。こんなに豪華な馬車に乗せていただけて、僕も家族も嬉しいです。こちらこそありがとうございます」
「まあ、礼儀正しくて、あんなにお強いのに自慢もなさらないのですね」
「いえいえ。僕はどこにでもいる普通の六歳児ですから」
「まあ、おもしろい。実は私……アルフレッド様の魔法と剣、それに癒しの魔法を拝見して、心を奪われましたの」
え? 今、スノウレット様がサラッとすごいことを言った気がする。
「アルフレッド様は、紫の髪の女性はお好き?」
ええ、それはつまり、スノウレット様のことですよね……
うそー。スノウレット様、ド直球ですね。
「…………」
「あら? アルフレッド様ったら、あまりお話しされないのですね」
いやいや、どうしたらいいの、この状況。お母様? お父様?
二人の方を見ると、目を逸らされた。
そ、そんな……お父様もお母様も、助けてはくれないのですね!?
「ねえ、サーシャちゃん。お姉ちゃんができると、嬉しい?」
俺が黙っているせいか、スノウレット様が今度はサーシャに話しかける。
「うん、嬉しい」
昨日スノウレット様に遊んでもらっていたサーシャは素直に答えている。
「うふふ、まあ、サーシャちゃんたら、お姉ちゃんも嬉しいな。サーシャちゃんが妹になってくれたら」
スノウレット様が満面の笑みを浮かべて言う。
「え……あの、ええと、僕はまだ六歳で、あの、ええと……」
俺はあまりに突然のことに、しどろもどろになってしまった。
そのあとは、俺の趣味は何か、どんな食べ物が好きか、などなど……スノウレット様の質問責めが続いた。
俺があたふたしているうちに、馬車が王都に到着した。永遠に続くと思われた質問責めの時間が、ようやく終わる。
「それでは、アルフレッド様、またお会いしましょう。ごきげんよう」
スノウレット様はそう言うと、マルベリー公爵家の馬車とともに去っていったのだった。
魔法師学校で彼女と再会したら、一体どうなっちゃうんだろう?
2 謁見と魔法の披露
王都には、七日目の十五時頃に到着することができた。お父様によると、王様から呼び出された場合は、到着したことを王城に報告しに行く必要があるそうだ。
お父様もお母様も王都には慣れているみたいで、途中で道に迷ったりはしない。
王城に着くと、警備の人に王様からの手紙を見せ、王城の事務方の執務室を訪ねた。
そこで家族の氏名と今日の宿泊先を紙に記入し、事務方の職員さんに提出する。これが王城に呼び出された時の慣例らしい。
職員さんによると、通常であれば数日後に、謁見の日時の連絡が宿に届くそうだ。
手続きを終えて帰ろうとしたところを、職員さんに「少々、お待ちください」と呼び止められた。紙を受け取った職員さんは、少しピリピリしている様子だ。
何かあったんだろうか?
そのまま三十分近く待たされたあとで、職員さんが言う。
「今日みなさまが泊まる宿はこちらでキャンセルしておくので、王城に泊まってください」
どうやら俺たちがやって来たら、王城に泊まらせるように、という通達があったみたいだ。
突然のことに、お父様とお母様から、緊張が伝わってくる。
「お父様? お母様?」
そう呼びかけると、お父様が言う。
「大丈夫だ。アル、今までこんなことは聞いたことがないが、きっと心配はいらん」
お父様、緊張で震えているじゃないですか。そう言われてもまったく安心できませんよ。
「大丈夫よ。アル、お母さんも初めてのことだけれど、陛下はお優しい方だから心配はいりません」
そう言うお母様は、もともと公爵令嬢だけあって堂々とした様子だった。お母様にそう言ってもらえると、少し安心しました。
そのあと、家族そろって今日泊まる部屋に案内された。かなり豪華な部屋で、お母様は国賓をお泊めする部屋だろうと言っていた。
この部屋にやって来るまでは、窓に鉄格子が嵌った部屋に案内されて、軟禁されるんじゃないかと心配していた。でもそんなことはなく、かなり丁重にもてなしてもらえているみたいだ。
普通はこんなことありえないと、お父様もお母様も言っていた。
しばらくすると、王城の使用人が夕食の準備ができたと伝えに来て、食事をする部屋に案内してくれた。
部屋に入ると、そこには今まで見たことがないような長くて大きいテーブルがあった。前世の映画で見た、王族が食事するやつみたいに豪華だ。
そこに料理が並べられている。カスレ、ラタトゥイユ、ガレット、オムレツ、そしてエスカルゴ……ちなみに、料理名はテレビでフランスの旅番組を見て覚えたものなので、実際の名前とは違っているかもしれない。
お父様とお母様は豪華すぎるテーブルを見て、完全にフリーズしている。
よくよく見たら、食器は銀でできている。
家族みんなで驚いていると――
「待たせたな。わしがこの国の王、メダリオン三世じゃ」
やって来たのは、王様だった。お妃様とお姫様らしき人も一緒だ。
頭を下げていると、王様が続ける。
「遠路はるばる、よく来てくれたのう。今晩の夕食は、わし個人からのお前たちへの礼じゃ。自由に食べてくれ」
「ありがとうございます。ですが、私たちのために夕食をご準備いただいたなんて、恐れ多すぎて喉を通らないです」
お礼を言いつつもどこか困った様子のお父様に、王様が言う。
「気にするな、そんなことよりわしはお主らの到着が待ち遠しくてのう。アルフレッドというのはお前か?」
王様が俺を見たので、慌てて挨拶する。
「はい、僕がアルフレッド・ハイルーンです。ご機嫌麗しゅう……」
「アルフレッドよ、わしに堅苦しい挨拶は不要じゃ。わしを呼ぶ時は『王よ』とでも言えばいいのじゃ。いや、それでもまだ堅苦しいのう、そうじゃ、『メダちゃん』とでも呼ぶがよい」
王様が意味不明なことを言ってくる。
「そうじゃ、まだ紹介していなかったのう、わしの末娘のアルテミシアじゃ」
王様がそう言って、一緒にやって来た姫様を紹介してくれた。金髪で金色の目をした、ほんわかした雰囲気の女の子だ。
王様は末娘と言っていたので、ほかにも王太子や姫がいるんだろうな。
そして、会食が始まった。
会話が弾み、途中で王様がお母様の癒しの魔法に話題を移した。
「のう、ソフィアーナよ。そなたは王都にいた頃、癒しの聖女と呼ばれていたのう。今も癒しの魔法は健在か?」
ちなみに、ソフィアーナというのは、お母様の本名である。
王都にいた時、お父様はジェイミー・ハイランド、お母様はソフィアーナ・フォン・ガルトレイクと名乗っていた。ロプト村に逃げてきた際に、世間から姿を隠すため、お父様はジェイ・ハイルーン、お母様はソフィア・ハイルーンと名前を変えたのだ。
お母様が、王様に答える。
「はい、陛下、あの頃と変わりはないです。でも、もしかしたら今は、私よりもアルフレッドの方がすごいかもしれません」
「何!? アルフレッドは、癒しの魔法も使えるのか?」
こういう流れになりそうだったから、この話題は嫌だったんだよな。
そういえば、俺の魔法のことは王都に報告されているはずなのに、癒しの魔法を使えるということは伝わっていなかったのかな?
まあ、ともかく王様にバレてしまったみたいだ。
お母様が王様に答える。
「ええ、アルの癒しの魔法は怪我に特化していて、傷を治すならアルの方が上手なんです」
「なんと、癒しの聖女にそこまで言わしめるとは。魔法と剣だけでなく、癒しの魔法も使いこなすのじゃな……」
王様の目がキラッと光ったような気がする。
な、なんか嫌な予感がするな。
けれど王様はすぐに俺から目を逸らし、お母様とサーシャの顔を交互に見ながら言った。
「して、ソフィアーナ。そなたに瓜二つの、そのかわいい姫君はなんと言うのじゃ」
「サーシャです。こんにちは」
「おお、かわいいのう。よく挨拶できたのう。そちは魔法が好きか?」
「はい」
サーシャがニコッと笑うと、王様はサーシャのかわいさにメロメロになってしまった様子だ。
ダメですよ、王様。いくらサーシャがかわいくても、あげませんよ。
「今日は、ほんに楽しいのう」
「陛下、明日もございますので、この辺でお開きにされましては」
「そうじゃのう、明日もあるしのう」
執事に忠告された王様はそう言って、チラッと俺を見てくる。
「アルフレッド、お主はロプト村をゴブリンの襲撃から守るために大活躍したそうじゃのう。城の演習場を押さえてあるから、明日そこで魔法を披露し、実力のほどを見せてくれ。がははははは」
王様はご機嫌な様子で、高笑いしながら退席していき、会食は終わった。
突然すぎてポカンとしてしまったけれど、こんなにおもてなししてもらったのだし、少しくらい王様にお付き合いした方がいいのだろう。
俺は普段は見たこともない豪華な料理の数々に、目も心も奪われ、胃袋も掴まれてしまった。
食材はみんな新鮮で、さすがは王城の料理人だなと思った。
部屋に戻ると、お母様から、俺が癒しの魔法を使えると言ってしまったことを謝られた。
俺の癒しの魔法のことは、既に王様に報告されていると思ったのだそうだ。
いずれバレてしまうことなので、気にしなくて大丈夫ですと伝えておいた。
□ □ □
翌日になり、俺たち家族は王城にある魔法師団の演習場に案内された。
もう少しで十時になり、王様の御前で魔法を披露する予定なのだが、見学者の顔ぶれがすごい。
俺、お父様、お母様、サーシャ。ここまでは問題なし。
だけど王様を始めとして、お妃様、お姫様、それから宰相さん、第一騎士団長さん、第二騎士団長さん、第三騎士団長のマキシム・フォン・ガルトレイクさん、近衛騎士団長さん、魔法師団長さん、魔法師学校の学長さんがいた。
なんでこんなに集まったのか不思議だったけど、俺がロプト村でゴブリンを討伐したことは王城中に知れ渡っていて、みんな好奇心でやって来たらしい。
「見学者が多すぎるが、これでもかなり揉めて、最終的に陛下の力で押さえ込んだのだ」
マキシムさんが、そう教えてくれた。
ちなみにマキシムさんは、お母様の伯父さんである。
お母様は身分を隠していたので、俺は最近まで面識がなかったのだが、マキシムさんがロプト村のゴブリン襲撃を調査しにやって来たことで仲良くなったのだ。
あと、この演習は非公式のもので、記録には残らないらしい。それを聞いてちょっとは気が楽になったかな。
時間になると、三十代後半に見える文官さんが言う。
「それでは、早速だが……アルフレッド・ハイルーンよ、前に出よ」
「はい」と返事をして、俺は少し前に歩み出た。
王様、マキシムさん、俺の魔法の実力を確かめにロプト村まで調査に来た魔法師団長さんは、笑いかけてくれた。
だけど、ほかの人たちからはこんな子供が本当にゴブリンの襲撃から村を守ったのか? という疑念が感じ取れる。なんか場違い感があるよ。
王様が言う。
「アルフレッドよ、出し惜しみはせずにお前の全力を見せてくれ。そうじゃな、まずは魔法から頼む」
「分かりました。王様。ではやらせていただきます」
目の前に、藁でできた的がいくつか設置されている。どれも距離は百メートルくらいだ。
この近さなら、外すなんて考えられない。まずは、ウインドスラッシュで狙ってみるか。
俺はウインドスラッシュを三発ほど発動した。
ザシュ、ザシュ、ザシュと音がして、藁束が切れて倒れる。
あれ、周りの反応が予想と違うな。誰も拍手とかしてくれないんだ。ちょっと寂しい。
次はどうしようかな。地味だけど、土魔法かな。
俺はアースニードルで、トゲトゲを地面に生やしてみた。
時間がかかりすぎたし、やっぱり地味すぎたかな? 本当に誰も反応してくれない。
あ、もしかしてこれ、放置プレイってやつ?
もう少し派手なのなら拍手してもらえるかな?
これならどうだろう、爆裂魔法。
魔法で水素と酸素を大量に作り、藁束の前まで飛ばして着火する。
藁の束が数個、ドーンという大きな爆発音とともに吹き飛んだ。
だけど、これを見せてもシーンとしていて、拍手さえしてもらえなかった。
げっ、やばい! 今気付いたけど、演習場の壁に亀裂が走って、小さな穴が開いている。
ここに来る前に、魔法に強い耐魔性の壁だから思いっきり魔法を撃つようにって説明を受けたのに、全然ダメじゃないか。
後ろを振り返ると、見ている人たちは全員口を開けて固まっていた。
あれ、お父様とお母様もフリーズしておられますね。
だけどサーシャだけは、両手を胸の辺りに組んで、嬉しそうな顔で俺を見つめている。
「あの、こんなものでよろしいでしょうか? 壁が壊れてしまいましたので……」
俺は頭をかいて困った顔をし、かわいい六歳児ですよとアピールしてみた。
これで壁を壊しちゃったこと、ごまかせないかな。
「あの、王様? よろしいでしょうか?」
「……なんて魔法じゃ。耐魔性の壁じゃぞ。確かに全力でやれと言ったが、あれを壊すとは」
王様が小声で言っている。
王様、心の声がダダ漏れです。聞こえてますから。
俺は呆然としたままの王様に再度問う。
「あの……王様、よろしいでしょうか?」
「すまん、アルフレッドよ。ちと、考え事をしておった。そうじゃな、壊れておるな……これでは止めるしかなかろう。以上で魔法の披露は終了じゃ。それにしても、耐魔性の壁を壊すとは、なんという威力の魔法を使うのじゃ」
王様が、またブツブツと独り言を言っている。
これ、独り言でいいんですよね。それとも何か返事をした方がいいんだろうか?
「次は剣術の演習にするかのう。誰か、アルフレッドと手合わせしてみたいやつはおるか?」
王様が言うと、第一騎士団長さんが手を挙げる。
「では、僭越ながら私が」
第一騎士団長さんはすごい筋肉で、背がお父様よりも高いかなりの大男だった。
会場に控えていた騎士さんが、二本の木剣を持ってきた。
第一騎士団長さんはそれを受け取ると、ブンブンと音をさせて振る。
「体格差がありすぎますが、私は手加減が苦手です。怪我をさせてしまうかもしれませんが、それでもよろしいのでしょうか?」
「いいわけないじゃろう。手加減くらいしてやれ。相手は六歳じゃぞ」
「アルフレッドよ、君はどう思う。怪我しないよう、手加減が必要か?」
王様と話していた第一騎士団長さんが、今度は俺に尋ねる。
「そうですね。身体強化魔法を使ってもよければ、僕は怪我はしないかと思います」
「ほう、その年で身体強化魔法も使えるのか。すごいな。先ほどの魔法の威力といい、いつでも実戦で戦えるレベルだ」
「お褒めいただき、ありがとうございます」
「よかろう。では、互いに身体強化魔法ありで手合わせしよう。ところで、大人用の大きい木剣しかないが、問題はないのか?」
第一騎士団長さんはそう言って、もう一本の木剣を手渡してきた。
それを受け取りながら、返事をする。
「はい、問題ないと思います。身体強化魔法を使う時は、いつも大人の剣を使っていますから」
「いつもなのか? その小さな体で大人の剣を? それは、期待できるな。おい、誰か審判を頼む」
「では、私、第二騎士団長が務めさせていただきます」
第二騎士団長さんがそう言ったところで、俺は身体強化魔法を全開で発動させた。
身体強化魔法で聴覚が敏感になり、マキシムさんと王様の話し声が聞こえてくる。
「陛下、本当に大丈夫でしょうか? 身体強化魔法ありでやるのはどうかと思うのですが」
「なんじゃ、第三騎士団長。大丈夫じゃて。さすがに第一騎士団長も手加減はするはずじゃ。子供に怪我まではさせまいよ」
「いえ、逆でございます」
……おっと、いけない。目の前の第一騎士団長さんに意識を集中しなければ。
こんな筋肉の塊のような人とまともに打ち合ってはいけないな。体格差がありすぎる。どうしようかな?
俺は身長差などを考慮し、懐に飛び込んで鳩尾を突くのがベストだという答えを導き出した。それには瞬発力が大切なので、試合開始と同時に全力で臨むことにする。
馬車の中を見回す。内装の材料に使われている木には重厚感がある。一方、座席はふわふわに作られていた。貸切馬車と比べると、座り心地が全然違う。
すごすぎる。高いんだろうな、この馬車。
もしかしてスノウレット様、俺たちの馬車の座り心地がよくなかったから、この馬車に特別に乗せてくれたのかな。
この馬車なら、サーシャが疲れずに旅行ができると思うのでありがたい。
スノウレット様は、心の優しい方なんだな。
そう思ってスノウレット様を見ていると、また目が合ってしまった。
どうしようと思ったら、スノウレット様からにっこりと微笑みかけられる。
よかった。嫌な顔はされなかった。
というか、じっと見られている気がするのですが……どういうことでしょうか?
スノウレット様から目を逸らしてお母様の顔を見ると、にこやかな眼差しを向けてくる。温かく見守っていますよと言われているような気がする。
しばらくするとサーシャが、スノウレット様の膝の上に乗ってお話しを始めた。
サーシャ、そんなことしちゃダメだから。公爵家のお姫様だから。
そう思ったんだけど、サーシャもスノウレット様も楽しそうにしているので何も言えなかった。
それにしても、サーシャのことも気にかけてくれるなんて、スノウレット様は優しい方なんだなと改めて思ったのだった。
旅は六日目になった。今日は、昨日着いたイオの町を出発し、いよいよ明日には王都メダリオンに着く予定だ。
今日も俺たち家族は、公爵家の馬車に乗っている。
だけど……なんだろう。すごく違和感がある。
原因を探っていると、俺の向かい側に座る人たちの位置が、昨日と違っているのに気付いた。
俺は入り口側に座っているんだけど、スノウレット様も入り口側に座っている。つまり、俺の真正面にいるのだ。
だけど、こういうのって入り口から遠い方が上座とかじゃないのかな。入り口に近いところに公爵令嬢が座るなんて、普通ありえないのではないか?
「今日はいい天気ですね」
スノウレット様がいきなり話しかけてきた。
「アルフレッド様に助けていただいたのに、きちんとお礼も伝えられていませんでしたわ。改めて、ありがとうございます」
「いえいえ、とんでもない。こんなに豪華な馬車に乗せていただけて、僕も家族も嬉しいです。こちらこそありがとうございます」
「まあ、礼儀正しくて、あんなにお強いのに自慢もなさらないのですね」
「いえいえ。僕はどこにでもいる普通の六歳児ですから」
「まあ、おもしろい。実は私……アルフレッド様の魔法と剣、それに癒しの魔法を拝見して、心を奪われましたの」
え? 今、スノウレット様がサラッとすごいことを言った気がする。
「アルフレッド様は、紫の髪の女性はお好き?」
ええ、それはつまり、スノウレット様のことですよね……
うそー。スノウレット様、ド直球ですね。
「…………」
「あら? アルフレッド様ったら、あまりお話しされないのですね」
いやいや、どうしたらいいの、この状況。お母様? お父様?
二人の方を見ると、目を逸らされた。
そ、そんな……お父様もお母様も、助けてはくれないのですね!?
「ねえ、サーシャちゃん。お姉ちゃんができると、嬉しい?」
俺が黙っているせいか、スノウレット様が今度はサーシャに話しかける。
「うん、嬉しい」
昨日スノウレット様に遊んでもらっていたサーシャは素直に答えている。
「うふふ、まあ、サーシャちゃんたら、お姉ちゃんも嬉しいな。サーシャちゃんが妹になってくれたら」
スノウレット様が満面の笑みを浮かべて言う。
「え……あの、ええと、僕はまだ六歳で、あの、ええと……」
俺はあまりに突然のことに、しどろもどろになってしまった。
そのあとは、俺の趣味は何か、どんな食べ物が好きか、などなど……スノウレット様の質問責めが続いた。
俺があたふたしているうちに、馬車が王都に到着した。永遠に続くと思われた質問責めの時間が、ようやく終わる。
「それでは、アルフレッド様、またお会いしましょう。ごきげんよう」
スノウレット様はそう言うと、マルベリー公爵家の馬車とともに去っていったのだった。
魔法師学校で彼女と再会したら、一体どうなっちゃうんだろう?
2 謁見と魔法の披露
王都には、七日目の十五時頃に到着することができた。お父様によると、王様から呼び出された場合は、到着したことを王城に報告しに行く必要があるそうだ。
お父様もお母様も王都には慣れているみたいで、途中で道に迷ったりはしない。
王城に着くと、警備の人に王様からの手紙を見せ、王城の事務方の執務室を訪ねた。
そこで家族の氏名と今日の宿泊先を紙に記入し、事務方の職員さんに提出する。これが王城に呼び出された時の慣例らしい。
職員さんによると、通常であれば数日後に、謁見の日時の連絡が宿に届くそうだ。
手続きを終えて帰ろうとしたところを、職員さんに「少々、お待ちください」と呼び止められた。紙を受け取った職員さんは、少しピリピリしている様子だ。
何かあったんだろうか?
そのまま三十分近く待たされたあとで、職員さんが言う。
「今日みなさまが泊まる宿はこちらでキャンセルしておくので、王城に泊まってください」
どうやら俺たちがやって来たら、王城に泊まらせるように、という通達があったみたいだ。
突然のことに、お父様とお母様から、緊張が伝わってくる。
「お父様? お母様?」
そう呼びかけると、お父様が言う。
「大丈夫だ。アル、今までこんなことは聞いたことがないが、きっと心配はいらん」
お父様、緊張で震えているじゃないですか。そう言われてもまったく安心できませんよ。
「大丈夫よ。アル、お母さんも初めてのことだけれど、陛下はお優しい方だから心配はいりません」
そう言うお母様は、もともと公爵令嬢だけあって堂々とした様子だった。お母様にそう言ってもらえると、少し安心しました。
そのあと、家族そろって今日泊まる部屋に案内された。かなり豪華な部屋で、お母様は国賓をお泊めする部屋だろうと言っていた。
この部屋にやって来るまでは、窓に鉄格子が嵌った部屋に案内されて、軟禁されるんじゃないかと心配していた。でもそんなことはなく、かなり丁重にもてなしてもらえているみたいだ。
普通はこんなことありえないと、お父様もお母様も言っていた。
しばらくすると、王城の使用人が夕食の準備ができたと伝えに来て、食事をする部屋に案内してくれた。
部屋に入ると、そこには今まで見たことがないような長くて大きいテーブルがあった。前世の映画で見た、王族が食事するやつみたいに豪華だ。
そこに料理が並べられている。カスレ、ラタトゥイユ、ガレット、オムレツ、そしてエスカルゴ……ちなみに、料理名はテレビでフランスの旅番組を見て覚えたものなので、実際の名前とは違っているかもしれない。
お父様とお母様は豪華すぎるテーブルを見て、完全にフリーズしている。
よくよく見たら、食器は銀でできている。
家族みんなで驚いていると――
「待たせたな。わしがこの国の王、メダリオン三世じゃ」
やって来たのは、王様だった。お妃様とお姫様らしき人も一緒だ。
頭を下げていると、王様が続ける。
「遠路はるばる、よく来てくれたのう。今晩の夕食は、わし個人からのお前たちへの礼じゃ。自由に食べてくれ」
「ありがとうございます。ですが、私たちのために夕食をご準備いただいたなんて、恐れ多すぎて喉を通らないです」
お礼を言いつつもどこか困った様子のお父様に、王様が言う。
「気にするな、そんなことよりわしはお主らの到着が待ち遠しくてのう。アルフレッドというのはお前か?」
王様が俺を見たので、慌てて挨拶する。
「はい、僕がアルフレッド・ハイルーンです。ご機嫌麗しゅう……」
「アルフレッドよ、わしに堅苦しい挨拶は不要じゃ。わしを呼ぶ時は『王よ』とでも言えばいいのじゃ。いや、それでもまだ堅苦しいのう、そうじゃ、『メダちゃん』とでも呼ぶがよい」
王様が意味不明なことを言ってくる。
「そうじゃ、まだ紹介していなかったのう、わしの末娘のアルテミシアじゃ」
王様がそう言って、一緒にやって来た姫様を紹介してくれた。金髪で金色の目をした、ほんわかした雰囲気の女の子だ。
王様は末娘と言っていたので、ほかにも王太子や姫がいるんだろうな。
そして、会食が始まった。
会話が弾み、途中で王様がお母様の癒しの魔法に話題を移した。
「のう、ソフィアーナよ。そなたは王都にいた頃、癒しの聖女と呼ばれていたのう。今も癒しの魔法は健在か?」
ちなみに、ソフィアーナというのは、お母様の本名である。
王都にいた時、お父様はジェイミー・ハイランド、お母様はソフィアーナ・フォン・ガルトレイクと名乗っていた。ロプト村に逃げてきた際に、世間から姿を隠すため、お父様はジェイ・ハイルーン、お母様はソフィア・ハイルーンと名前を変えたのだ。
お母様が、王様に答える。
「はい、陛下、あの頃と変わりはないです。でも、もしかしたら今は、私よりもアルフレッドの方がすごいかもしれません」
「何!? アルフレッドは、癒しの魔法も使えるのか?」
こういう流れになりそうだったから、この話題は嫌だったんだよな。
そういえば、俺の魔法のことは王都に報告されているはずなのに、癒しの魔法を使えるということは伝わっていなかったのかな?
まあ、ともかく王様にバレてしまったみたいだ。
お母様が王様に答える。
「ええ、アルの癒しの魔法は怪我に特化していて、傷を治すならアルの方が上手なんです」
「なんと、癒しの聖女にそこまで言わしめるとは。魔法と剣だけでなく、癒しの魔法も使いこなすのじゃな……」
王様の目がキラッと光ったような気がする。
な、なんか嫌な予感がするな。
けれど王様はすぐに俺から目を逸らし、お母様とサーシャの顔を交互に見ながら言った。
「して、ソフィアーナ。そなたに瓜二つの、そのかわいい姫君はなんと言うのじゃ」
「サーシャです。こんにちは」
「おお、かわいいのう。よく挨拶できたのう。そちは魔法が好きか?」
「はい」
サーシャがニコッと笑うと、王様はサーシャのかわいさにメロメロになってしまった様子だ。
ダメですよ、王様。いくらサーシャがかわいくても、あげませんよ。
「今日は、ほんに楽しいのう」
「陛下、明日もございますので、この辺でお開きにされましては」
「そうじゃのう、明日もあるしのう」
執事に忠告された王様はそう言って、チラッと俺を見てくる。
「アルフレッド、お主はロプト村をゴブリンの襲撃から守るために大活躍したそうじゃのう。城の演習場を押さえてあるから、明日そこで魔法を披露し、実力のほどを見せてくれ。がははははは」
王様はご機嫌な様子で、高笑いしながら退席していき、会食は終わった。
突然すぎてポカンとしてしまったけれど、こんなにおもてなししてもらったのだし、少しくらい王様にお付き合いした方がいいのだろう。
俺は普段は見たこともない豪華な料理の数々に、目も心も奪われ、胃袋も掴まれてしまった。
食材はみんな新鮮で、さすがは王城の料理人だなと思った。
部屋に戻ると、お母様から、俺が癒しの魔法を使えると言ってしまったことを謝られた。
俺の癒しの魔法のことは、既に王様に報告されていると思ったのだそうだ。
いずれバレてしまうことなので、気にしなくて大丈夫ですと伝えておいた。
□ □ □
翌日になり、俺たち家族は王城にある魔法師団の演習場に案内された。
もう少しで十時になり、王様の御前で魔法を披露する予定なのだが、見学者の顔ぶれがすごい。
俺、お父様、お母様、サーシャ。ここまでは問題なし。
だけど王様を始めとして、お妃様、お姫様、それから宰相さん、第一騎士団長さん、第二騎士団長さん、第三騎士団長のマキシム・フォン・ガルトレイクさん、近衛騎士団長さん、魔法師団長さん、魔法師学校の学長さんがいた。
なんでこんなに集まったのか不思議だったけど、俺がロプト村でゴブリンを討伐したことは王城中に知れ渡っていて、みんな好奇心でやって来たらしい。
「見学者が多すぎるが、これでもかなり揉めて、最終的に陛下の力で押さえ込んだのだ」
マキシムさんが、そう教えてくれた。
ちなみにマキシムさんは、お母様の伯父さんである。
お母様は身分を隠していたので、俺は最近まで面識がなかったのだが、マキシムさんがロプト村のゴブリン襲撃を調査しにやって来たことで仲良くなったのだ。
あと、この演習は非公式のもので、記録には残らないらしい。それを聞いてちょっとは気が楽になったかな。
時間になると、三十代後半に見える文官さんが言う。
「それでは、早速だが……アルフレッド・ハイルーンよ、前に出よ」
「はい」と返事をして、俺は少し前に歩み出た。
王様、マキシムさん、俺の魔法の実力を確かめにロプト村まで調査に来た魔法師団長さんは、笑いかけてくれた。
だけど、ほかの人たちからはこんな子供が本当にゴブリンの襲撃から村を守ったのか? という疑念が感じ取れる。なんか場違い感があるよ。
王様が言う。
「アルフレッドよ、出し惜しみはせずにお前の全力を見せてくれ。そうじゃな、まずは魔法から頼む」
「分かりました。王様。ではやらせていただきます」
目の前に、藁でできた的がいくつか設置されている。どれも距離は百メートルくらいだ。
この近さなら、外すなんて考えられない。まずは、ウインドスラッシュで狙ってみるか。
俺はウインドスラッシュを三発ほど発動した。
ザシュ、ザシュ、ザシュと音がして、藁束が切れて倒れる。
あれ、周りの反応が予想と違うな。誰も拍手とかしてくれないんだ。ちょっと寂しい。
次はどうしようかな。地味だけど、土魔法かな。
俺はアースニードルで、トゲトゲを地面に生やしてみた。
時間がかかりすぎたし、やっぱり地味すぎたかな? 本当に誰も反応してくれない。
あ、もしかしてこれ、放置プレイってやつ?
もう少し派手なのなら拍手してもらえるかな?
これならどうだろう、爆裂魔法。
魔法で水素と酸素を大量に作り、藁束の前まで飛ばして着火する。
藁の束が数個、ドーンという大きな爆発音とともに吹き飛んだ。
だけど、これを見せてもシーンとしていて、拍手さえしてもらえなかった。
げっ、やばい! 今気付いたけど、演習場の壁に亀裂が走って、小さな穴が開いている。
ここに来る前に、魔法に強い耐魔性の壁だから思いっきり魔法を撃つようにって説明を受けたのに、全然ダメじゃないか。
後ろを振り返ると、見ている人たちは全員口を開けて固まっていた。
あれ、お父様とお母様もフリーズしておられますね。
だけどサーシャだけは、両手を胸の辺りに組んで、嬉しそうな顔で俺を見つめている。
「あの、こんなものでよろしいでしょうか? 壁が壊れてしまいましたので……」
俺は頭をかいて困った顔をし、かわいい六歳児ですよとアピールしてみた。
これで壁を壊しちゃったこと、ごまかせないかな。
「あの、王様? よろしいでしょうか?」
「……なんて魔法じゃ。耐魔性の壁じゃぞ。確かに全力でやれと言ったが、あれを壊すとは」
王様が小声で言っている。
王様、心の声がダダ漏れです。聞こえてますから。
俺は呆然としたままの王様に再度問う。
「あの……王様、よろしいでしょうか?」
「すまん、アルフレッドよ。ちと、考え事をしておった。そうじゃな、壊れておるな……これでは止めるしかなかろう。以上で魔法の披露は終了じゃ。それにしても、耐魔性の壁を壊すとは、なんという威力の魔法を使うのじゃ」
王様が、またブツブツと独り言を言っている。
これ、独り言でいいんですよね。それとも何か返事をした方がいいんだろうか?
「次は剣術の演習にするかのう。誰か、アルフレッドと手合わせしてみたいやつはおるか?」
王様が言うと、第一騎士団長さんが手を挙げる。
「では、僭越ながら私が」
第一騎士団長さんはすごい筋肉で、背がお父様よりも高いかなりの大男だった。
会場に控えていた騎士さんが、二本の木剣を持ってきた。
第一騎士団長さんはそれを受け取ると、ブンブンと音をさせて振る。
「体格差がありすぎますが、私は手加減が苦手です。怪我をさせてしまうかもしれませんが、それでもよろしいのでしょうか?」
「いいわけないじゃろう。手加減くらいしてやれ。相手は六歳じゃぞ」
「アルフレッドよ、君はどう思う。怪我しないよう、手加減が必要か?」
王様と話していた第一騎士団長さんが、今度は俺に尋ねる。
「そうですね。身体強化魔法を使ってもよければ、僕は怪我はしないかと思います」
「ほう、その年で身体強化魔法も使えるのか。すごいな。先ほどの魔法の威力といい、いつでも実戦で戦えるレベルだ」
「お褒めいただき、ありがとうございます」
「よかろう。では、互いに身体強化魔法ありで手合わせしよう。ところで、大人用の大きい木剣しかないが、問題はないのか?」
第一騎士団長さんはそう言って、もう一本の木剣を手渡してきた。
それを受け取りながら、返事をする。
「はい、問題ないと思います。身体強化魔法を使う時は、いつも大人の剣を使っていますから」
「いつもなのか? その小さな体で大人の剣を? それは、期待できるな。おい、誰か審判を頼む」
「では、私、第二騎士団長が務めさせていただきます」
第二騎士団長さんがそう言ったところで、俺は身体強化魔法を全開で発動させた。
身体強化魔法で聴覚が敏感になり、マキシムさんと王様の話し声が聞こえてくる。
「陛下、本当に大丈夫でしょうか? 身体強化魔法ありでやるのはどうかと思うのですが」
「なんじゃ、第三騎士団長。大丈夫じゃて。さすがに第一騎士団長も手加減はするはずじゃ。子供に怪我まではさせまいよ」
「いえ、逆でございます」
……おっと、いけない。目の前の第一騎士団長さんに意識を集中しなければ。
こんな筋肉の塊のような人とまともに打ち合ってはいけないな。体格差がありすぎる。どうしようかな?
俺は身長差などを考慮し、懐に飛び込んで鳩尾を突くのがベストだという答えを導き出した。それには瞬発力が大切なので、試合開始と同時に全力で臨むことにする。
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