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第1章 邂逅

2話 遭遇

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 20XX年〇月◎日 午前9時

 外に出るとまず体感したのが、朝日だった。
 太陽は眩しく私を照らし、少しばかり気持ちのいい光だった。奴らが放つ光とは大違いだ。

「あの工場からは離れたけれど、これからどうしよう」

 工場から脱出した私は、その場所からできる限り離れようと羽を広げ浮遊して、全速力でその場を後にした。
 あの警報音がなんだったのかは分からないけど、もし仮に私が消えたことと関係するのなら、すぐにでも逃げたほうが良いと考えたからだ。
 
 そして浮遊して数分逃げてきた私は今、浮遊しながら周囲を確認していた。
 工場から遠くにきたけれど、やはりと言っていいほど人間の姿は確認できない。普段ならその辺の道路を呑気に歩いていたり、車とかいう乗り物に乗っていたりするのだけれど、今この場所に人の気配はないのた。

「不気味ね……」

 人間との交流はないにしても、ここまで人間の姿がなければかえって不自然なくらいだ。それも奴らの影響なら仕方のないことだけれど。

 そしてそれとは別に、問題なのがこれからの事だ。
 工場からは脱出したものの、今この場所がどこなのかすら分からない状況である。万が一妖精の群れとはぐれたら、ある場所に来るようにとは伝えられているが、それも今の自分が何処にいるか分からないのなら無意味な情報である。

「こんなことなら、地図でも探しておくべきだったわね」

 そんな愚痴を発言しながらも、私は周囲に何があるのか確認した。
 
 浮遊しながらだけれど、下に見えるのは人間によって造られた道路。と無人の車が二台残っている。何やらマンションや一軒家が存在しているが、その住処からは人の気配が全くない。そしてその家の近くには小さな公園があるが、何日も掃除されていないようで落ち葉が地面に散乱していた。人間がいないのなら汚くなるのは当然だろう。
 私は周囲を確認して、何もないのを理解すると今度は私の視界に映る遠くのものを確認した。人間のいう望遠鏡というものではないにせよ、私の『作り変える』能力で自分の目を遠くまで見えるようにしたのだ。その結果私は、驚くことになる。

「……あれは、一体なんなの?」

 遠くまで見えるようになった目を凝らして、私の目に映ってきたのは人間が作った高速道路という道。その道は車が遠くまで行き来する通路のようなものだが、その高速道路には奴らがいたのだ。それも私たちや人間を蹂躙したであろう手足が長い長身の奴らである。
 数は視界に映る範囲で数百……いや数千ぐらいいると思っていい。高速道路の道が黒一色に染まっているのだ。

「全く……馬鹿げてるわね」
 
 焦りを露にしながら、私は一度目を瞑り、能力を解いた。
 さっき観た光景は、いくらなんでもやばい。つまり奴らは高速道路を使って、この日本を行き来する軍団になっているということだ。なんのためにそんなことをしているのか分からないけれど、移動するのならこの世界に来る為に使用した乗り物があるはずだ。
 けど乗り物を使用せずに、態々人間が作った高速道路を使用しているのは、残った地上の生き物を全て蹂躙するつもりなのかそれとも、また違う理由か……。

 兎に角、高速道路付近には近付かないほうがいいのは確かだろう。また長身の奴らに捕まりたくはない。
 遠目でみた限りでは、近くに住宅街らしき建物があった。人間はもう居ない空き家になっている筈なので、その住宅街へ向かってどこかの家へと入ろう。そこで何かしらの情報は手に入れることができるしなにより、今の私はお腹がすいている。
 これから行動するにしても、お腹がすいていたらいざという時に行動もできない。そんな馬鹿なことは回避すべき事態である。

「お菓子か果物か……いいえ、この際贅沢なことを言ってられないわね」

 まだ奴らが侵略してきていない平和な世の中で、妖精たちはよく果物を食べていた。人間のようにグルメではないが、木々が育てる果物や野菜など自然の物を摂り、生活していたのだ。
 なかには危険を犯して人間の家に侵入し、人間が作ったお菓子などを盗ってくる妖精もいたけど、その時のお菓子は格別に美味しかった記憶がある。その結果として、妖精の長に叱られていたけれど……。
 人間の作るお菓子や料理などは美味しいという噂が広まったのもこの時で、隙を見つけては盗る行為をする妖精が急増した時期でもある。

「人間に見つかる可能性が一番高くなったけれど、食の誘惑には抗えないのよね」

 かくいう私も美味しいものには目がない。
 お菓子をとってきてくれた友人から、頂戴とお願いするほど人間の作ったものは美味しいのだ。私たち妖精も材料を揃えて作ることは出来るし、私自身も簡単なものなら調理ぐらいはできる。けれど所詮は人間の真似事。実際に作って食べても上手くはいかなかった。それほど人間の技術というのは凄いものなのだ。
 事実、奴らと人間が戦う際もミサイルやらという兵器を用いていた。私たちでは到底作ることが出来ない知恵や技術力を、彼らは有しているのだ。

 ただそれが、今回は奴らに効かなかっただけの話である。戦いでは過程より結果を重視すると、妖精の仲間が言っていた。つまりそれは今の人間で考えると、彼らは奴らに敵わないということを意味する。ミサイルなどといった兵器を使っても、奴らを倒すことが出来なかったのだから当然といえば当然だろう。

「まぁ私たち妖精も、似たようなものね」

 姿形、ましてや種族も違うけれど奴らに敵わなかった事実としては一緒である。そしてその事実はこの世界において、誰も奴らを倒すことが出来ない意味を含んでいる。なんともみっともなく情けない話だけれど、そんな話は私にはどうでもいい話だ。

 この世界において、人間や私たち妖精が奴らに敵わないのならそれはそれでいい。私はこの世界を奴らから追い出そうとか、奴らにやられた皆の仇をとるだとか、そんな大層なことは考えないし必要もないのだから。
 もし今、私に必要なのがあるとすれば、それは奴らから上手く逃げてこれから先もずっと生き残ることだけだ。

「わざわざ死にに行くようなこと、したくないもの」

 一分一秒でも長く、生き残りたい。変わり果てたこの世界で私が思うことは、そんなことしかなかった。
 しかしその考えは、今の状況において一匹の私にとっては重要な考えであるのは確かだ。なぜならその考えのおかげで、私はあの工場から脱出出来たからだ。仲間の妖精がいたもしれない、友達の妖精がいたかもしれないという余計な考えを切り捨てて、私自身が生き残ることを考えた。非道な行動をとったかもしれないけれどそれでも、生き残ることが間違っているなんて思いもしないし、考えたくもなかった。
 他の妖精たちからすれば、私は同族を見殺しにした妖精と言われるのかもしれない。けど私からしたらそれがどうした?と言い返すだろう。奴らと戦って私たちの能力は通じなかった。その事実は明らかなのに、また奴らに挑むのはどうかしている。奴らを倒すことができない私たちができることといえば、もう逃げることしか残ってないのだから……。
 だから私はどんな状況になったとしても必ず、逃げ延びてやる。一分一秒でも長く、この世界で生き残ってる者の誰よりも長く。

 そう心の中で決意し、住宅街へと行動していた。そしてついに、人間が作った住宅街が私の視界へと入ってきた。羽で浮遊している為、何キロとまではよくわからないけれど時間で考えるとあと五分程度で住宅街へと到着しそうだ。そう考えた私は少し、張り詰めていた緊張を緩めた。
 もうすぐ目的の場所に到着すると考えると自然に、力は緩んでくる。誰も届きはしない高さで浮遊していたが、それも次第に降下していった。今では人間が乗っていた普通車という乗り物と同じ高さにまで下がっていた。一時の心の余裕。それを今まさに私は味わっていた。だがそれは仕方のないことだ。
 奴らに捕まり、工場へと運ばれ、奴らの隙を見つけるために静かに耐え、行動を起こし、神経をすり減らしながら工場から脱出した。脱出するために能力も使用し、浮遊も今現在では連続で使用している。それで疲れていないといえば、嘘になることは間違いないだろう。私が妖精だとしても疲れを知らないわけじゃない。だから私は力を緩めた。住宅街へ到着するまでに少し、休憩したいが為に。




 しかし、その気の緩みがいけなかった。
 私を狙っていた奴らに、攻撃する隙を与えてしまったのだ。

「グルルアアァッーーーー!!」
「!? こいつ、いつの間にッ!!」

 浮遊している私に飛び掛かってきたのは、黒い奴らの一体。姿形は今まで見たことがなく、その姿はどこかこの世界でいう犬に該当する存在だ。大型犬……いや、この体型からすると中型犬程度の大きさである。全体底には黒色だが両目は赤く、四足歩行をすると思われる四肢を持ち、その四肢には鋭い爪。そして奴らには珍しい口があった。その口には鋭い牙もちゃんと生えており、私のような小さな妖精は簡単に噛みちぎられそうだった。

 そんな奴らが私に飛び掛かってきたのだ。
 奴らの出現に驚いた私は、やられまいと必死に力を入れて奴らの届かない高さまで上昇することを試みた。だが奴らの思わぬ奇襲と、脅威的な跳躍力によって逃げることは叶わず、私は傷を負った。



 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



「迂闊だったわ……。まさかこんな奴がいたなんてね」

 片腕から流れる流血部位を、空いている方の手で強く握りしめて止血する。布切れみたいなものはない。工場を脱出する時に捨ててきたのだから。尤もあんな薄汚れたもので止血すれば、なにかしらの病気にはなっていたかもしれないけれどね。
 そんなことよりも困ったことになった。なんせ奴らに見つかってしまったのだから、慌てるのも仕方ない。その所為で傷を負い、今こうして浮遊をやめて地面に着地してしまった。
 一瞬の気の緩みだ。私が少し気を抜いたとこを狙ってかは知らないけれど、奴らは攻撃してきた。工場を出て奴らの姿がなかったことも気の緩みの原因だろうけど、それでも奴らは確かに、私を明確に攻撃してきたのだ。

「……少しは、休ませなさいよね」

 私の言葉が聞こえるのかどうかも分からない奴らに、愚痴をこぼした。
 だがそれと同時に、私は気をしっかり持ち冷静に一呼吸する。自分の頭をフルで働かせて、この場から逃げて生き残る為に。
 まず今の状況だが、私は傷を負って血が流れているものの切り傷は擦り傷に近い。この程度の傷なら自然治癒でなんとか塞がるだろう。けれどそれを許さないのが奴らの存在だ。人間がいうところの中型犬っぽい奴ら……いや、数を言えば一体だ。他に視線を向けても別の奴らはいない。まだどこかに隠れているのかそれともどこかへ行っているのか。どちらにせよ私の近くにいる奴は一体だ。状況から考えてこの一体をどうにかすれば、私は生きられる可能性はあるだろう。だが問題なのは奴をどうするかである。

 前にも話した通り、奴らには私たちの攻撃が効かない。
 能力を行使した攻撃も奴らの前では無力に等しかったのは分かりきっている。それに私の目の前にいる奴は見たこともない新種。犬のような姿形はしているが奴の跳躍力、そして鋭い爪は私に傷を負わすのには十分な攻撃だった。そして今現在の私もダメージを受けている。どう考えても不利な状況なのは変わらないだろう。
 けれどそんな状況でも、反撃はできる。奴を倒すなんて芸当は不可能だろうけど、この場から逃れる方法はある。効果があるかは分からないけれど、この状況を打開できるのなら試してみる価値はある。


「グルルルルルウゥ……」
「……上等よ。私を食えるものなら、食ってみなさいッ!!」

 唸りながら、口から唾液を垂らして今すぐにでも食らおうとする奴。そんな相手に対して私は挑発するかのようにそう発言した。
 その言葉を聞いてかは知らない。けれど私の言葉と同時に奴は跳び掛かってきた。距離にして約数メートル。立ち向かう覚悟もなく、ただひたすらに怯えている者なら跳び掛かってきた時点で、そいつの生命は奴に食われて終わるだろう。
 しかし残念ながら奴の相手はこの私だ。自分が生き残る為に何かを犠牲にしてきた私が、今更奴ら相手に怯えるか?……否、怯えることはない。

 距離にして約数メートル。
 奴からしてみればあと少しで、その大きな口を開けて私を食べようとした瞬間だった。

 私は奴が口を開ける前に流血部位を抑えていた手を横薙ぎに振るって、血液を飛ばした。丁度いいタイミングで奴に狙って飛ばしたそれは見事、奴の目に直撃した。そして、

「ギャンッ!?」

 奴は高い鳴き声をあげながら、その場に停止したのだった。

「どうやら、上手くいったみたいね」

 私は奴に血液を飛ばした。その血液は私の能力で強酸に作り変えたものだ。だからといって奴にその攻撃が効くのかは分からなかった。なんせ私たちの能力による攻撃は、奴らの体表に命中してもダメージがないからだ。例え私が血液を強酸に作り変えて命中させても、それは何のダメージも生じないだろう。
 けれどもし、奴の体表ではなく内側の臓器に命中したらどうなるか。それこそ奴の頑丈な体表じゃなく、人間や私たち妖精でいう柔らかい部分の眼球に命中したらどうなるのかという疑問があったのだ。
 この世界にはさまざまな生命体がいる。それは私たち妖精や人間とはまた別の存在。虫や鳥、魚、犬や猫などといった生物。それら全てに共通することといえば、外皮ではない部分……口や目は柔らかいということだ。

 つまり奴の赤い目は丈夫なのかという疑問があったのだ。だから私は自分の血液を強酸に作り変えて、その血液を奴の目に命中させた。そして案の定、奴は目を閉じて悲鳴をあげている。

「どんなに体表が硬くても、流石に中身は硬くないみたいね」

 これは良い情報を得たが、それでも私の能力で奴を倒すことは今の現状では難しい。とすれば次に私が取る行動は決まってる。この場所から逃げることだ。
 強酸を眼球に受けて死にはしないだろうけどそれでも、奴の動きを封じるのには十分すぎるほどの効果があったのだ。だからこのまま、奴の視界を奪ってる状態なら逃げ切れる。そう考えた私は足を動かして奴から距離を取ろうとする。ある程度離れてから羽を広げて浮遊するために。奴から攻撃は受けたものの、浮遊できる力はまだ残っている。浮遊さえすれば、奴からも逃げ切れるし歩くよりも早くこの場所から遠ざかれる。そう私は確信していた。しかし、

「ウウウゥウゥゥ……グルアアアァアァッーーー!!」
「なッ!? ……嘘、でしょ?」

 瞬間、奴はその大きな前足を振り回した。そして振り回された前足は私が振り向いた最中、目の前に迫り、そして命中した。
 奴の思いがけない反撃を受けた私は吹き飛ばされ、宙を舞い、そして硬いコンクリートの上に激突し、転がった。体は傷だらけでもう立ち上がる力も、浮遊できる力もない。体はボロボロで全身にギスギスとした痛みを感じる。私は痛いという声を上げることもできず、ただその場で呼吸していた。
 
 今私の気持ちは後悔でいっぱいだった。
 最後の最後に逃げるチャンスを逃し、やらかしてしまった後悔。一瞬でも奴を侮ってしまった後悔。工場で道具を捨ててきてしまった後悔。色々とある。
 全く……仲間を犠牲にして私一人だけが生きようとした罰なのかは分からないけれど、なんとも情けない最後になったな……。こんなことになるのなら、最初からあの工場で仲間と一緒に逃げる作戦でも考えておけば、よかったのかもね。

 身体は動かせず、横たわってる私のボヤける視界には徐々に私の方へと近付いてくる奴の姿が映っていた。多分、視界がやられたとしても、奴の嗅覚で私の匂いを感じて近付いてきているのだろう。さすが犬っぽい姿形をしているだけのことはある。
 最後に私を倒した奴を褒めるなんて、どうかしている。けれどもう、いい。私は疲れた。
 体も動かすことができず、言葉を発することもできない私はそう思い、静かにゆっくりとその目を閉じた。できれば最後は痛みも感じることなく、死ねるようにと考え、目から少しの涙を流したのだっ






















「ギャウッーーー!?」

 唐突に聞こえた奴の声。
 それ以外にも聞こえてきたのは、殴られるような鈍い音や電気が流れるようなバチバチ音。私の耳が拾ったのはそんな雑音が混じった音だった。
 そんな雑音のせいで私は薄れゆく意識の最中、目をゆっくりと開けた。 

 そこに映ってきたのは真っ黒に染まった奴の姿ではなく、奴よりも大きい存在。だが奴らの仲間でもない種族。大きさは私たちとはまるで違うけれど、二足歩行なのは変わらずその姿は堂々とした佇まいであった。

「……に……ん、げん……」

 その姿を確認した瞬間、私の意識はそこで途切れた。
 多分、この時の私は奴らに食われるよりかはまだマシかと思って力が抜けたんだろう。
 



 20XX年○月◎日  午前11時頃

 この日、妖精である私は未確認生物である奴らの新種と遭遇し、重傷を負った。
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