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第2話 勇者召喚
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突如として教室を覆った光が消えたと思ったら、僕達は見た事もない場所に立っていた。
目の前には金髪の美しい女性が立っており、周りには中世の騎士のような恰好をした人達が大勢立っている。さらにその奥には一際目出つ豪華な椅子があり、冠をかぶった初老の男性が腰を掛けて僕達の方を見つめていた。
「ど、何処よここ!私達学校に居たんじゃないの!?」
「おいおい!何がどうなってんだよ一体!!」
僕を含むクラスメイト達が理解不能の出来事に困惑していると、金髪の女性がその場でひざまずき、信じられない言葉を僕らに告げた。
「異世界より導かれし勇者様方!!どうか魔王の侵略から我らをお救いくださいませ!」
女性の口から出た言葉を理解出来ずにいると、その背後から杖を突いた老人が俺達に向かって歩いてきた。
「突然の事に困惑させてしまい申し訳ございません。私はこのアルデンド王国の宰相を務めております、ライデン・オーリッヒという者です。皆様は創造神『ファフニデル』様のお導きにより、異世界『二ホン』から我らの世界に転移してこられたのです」
老人の言葉に僕の周りは騒めき始めた。日本から別の世界に転移だなんて、そんな突拍子もない話、信じられるはずが無い。アニメや漫画の世界の話じゃないか。
皆が動揺した様子を見せる中、光輝が僕らの先頭に立ってライデンに質問を投げかけた。
「僕は五十嵐光輝という者です。このクラス……いや、ここに集められた者達の代表をしています。それで、何故僕らはこの世界に導かれたんですか?」
クラス委員長の林君を押しのけて、代表に繰り上がった光輝の問いかけに対し、ライデンは一度深く頷いた後、彼らの国が置かれている状況を語り始めた。
「この世界には魔族を率いた『魔王』と呼ばれる存在がおり、日々我々の生活を脅かしているのです。我等人間達も必死に抵抗してはおりますが、奴らは強くこのままでは世界は魔王の手によって支配されてしまうでしょう。そこで、魔王に打ち勝つために我等よりも秀でた能力を持つ皆様をファフニデル様がお呼びしてくださったのです」
つまり、僕らはその魔王と呼ばれる存在を倒せばいいということなのか?なんだか胡散臭い気がするぞ。僕が人を信じられない性格だからかもしれないが、全く知らない第三者同士の喧嘩に、片方の意見しか聞かずに割って入るようなモノじゃないか。
そんな心配をよそに、光輝は続けざまにライデンへ疑問を投げかける。
「なるほど……状況は理解しました。その魔王に抵抗するために僕達はこの世界に呼ばれたという訳ですね?ですが、僕達にはそんな能力はないと思うのですが?」
「問題ありません。どうぞ皆様、『ステータスオープン』と口に出してください。皆様の隠された能力を確認することが出来るはずです」
ライデンに言われた通り、『ステータスオープン』と口にし始めるクラスメイト達。それと同時に続々と歓声が沸き上がり始めた。
「おいおい!おれ魔術師だってよ!炎魔法が使えるらしいぜ!」
「俺なんて聖騎士だぞ!ヤバくねぇか!!」
どうやら、アニメのような能力を皆が持っていたようだ。少し怪しかったが、僕も自分の能力が気になり『ステータスオープン』と口にする。すると、目の前に透明な窓が出現し、そこに自分の能力値が刻まれ始めた。
----------------------------------------------------
名前:近藤裕介
性別:男
年齢:17歳
職業:精霊術士
Lv : 1
体力:1000/1000
魔力:1000/1000
攻撃力:100
防御力:100
敏捷力:100
知力:100
運:100
【魔法】
精霊魔法
会話
鑑定
収納
【呪い】
対人好感度補正(極大減少)(消去不可)
----------------------------------------------------
精霊術士?精霊を操る職業ってことか?
それと【魔法】の欄にあるのは精霊魔法に会話に鑑定、収納の四つか。会話を除けばなんとなく凄そうな魔法な気もするが、問題はその下だ。
「【呪い】対人好感度補正(極大減少)って……しかも消去不可なのか。この世界でもコミュ障は治らないんだな。そんな僕に会話の魔法とか、相性悪すぎやしないか?」
まぁどうせ僕なんて大勢呼ばれた中の一人だし。魔法で誰かの役にでもなれたら良いと思うくらいの気持ちでいよう。
「さて皆様。ご自分の能力をご覧になられたと思われますが、皆様全員『鑑定』と『収納』の魔法が使用出来るはずです。『鑑定』魔法は、あらゆるものを対象に発動することが出来、その対象の能力や効果を知ることが出来ます。『収納』魔法は、制限のない鞄のようなモノだと思ってください。その二つの魔法はファフニデル様がお渡しくださった恩恵でございます」
なんだそうだったのか。てっきり僕だけの魔法だと思っていたんだけどな。そうなると、使える魔法は『精霊魔法』だけになってしまうけど、まぁきっと役に立てるだろう。
「それでは皆様の職業に合わせて、装備品等を支給させて頂きます。こちらの『鑑定玉』に手をかざしていただければ、我々にも皆様の能力が見えますので、こちらに並んでいただけますでしょうか」
ライデンがそう言うと、生徒達がぞろぞろと並び始めた。魔王と戦うために呼ばれたことなど、頭の中から消え去ってしまったようで、皆はしゃいでいるのが分かる。
「『剣士』の尚季様ですね。あちらから剣と鎧の装備をお受け取り下さい。『僧侶
』の優香様ですね。あちらから杖とローブをお受け取り下さい。お次の方──」
続々と呼ばれていくなか、光輝の番がやってきた。光輝が右手を『鑑定玉』にかざすとライデンが声を張り上げて光輝の職業を口にした。
「なんと『勇者』ではありませんか!!光輝様!貴方は我々の新しい希望の光です!どうか我等をお導きください!」
ライデンの声と共に、歓声が沸き上がる。光輝は右手を天に突き上げてそれに応えていた。それに続くように、大和が「剣聖」、香織が「魔導士」、春奈が「光魔士」という希少な職業であることが発覚し、同じような歓声を受けていた。
そして最後、漸く僕の番がやってきた。皆の視線に晒される中、ゆっくりと『鑑定玉』に手をかざす。うっすらと玉が光を発したと同時に、ライデンが小さく呟いた。
「『精霊術士』?いや待て……呪い持ち……」
「え?」
「いえ、何でもありませんよ。『精霊術士』の裕介様ですね。あちらから杖とローブをお受け取り下さい」
何か言われたような気がしたが、上手く聞き取れなかった。僕は何を言われたのか気になりながらも、ライデンに指示された通り杖とローブを受け取って、皆の元へ戻っていった。
「それでは勇者の皆様。ささやかではございますが、歓迎の会をご準備しております。ともに魔王を滅ぼすために、親交を深める機会と致しましょう。どうぞ案内人の指示に従ってくさい」
ライデンが話し終えると、僕達がここへ来た時に膝をついていた金髪の女性がライデンの隣にやってきた。
「これより先、皆様の案内及び戦闘の指導を担当します、アルデンド騎士団、五番隊隊長ロレーナ・フローレンスと申します。以後お見知りおきを」
彼女の美しい挨拶に男子だけでは無く女子ですら目を奪われてしまう。彼女が頭をあげ、ニコリと微笑んだ瞬間、男子生徒の大半が惚れたはずだ。僕も普段であれば間違いなく顔を赤くしていたはずだが、なぜかこの時は冷や汗を掻いて彼女から視線を逸らしてしまった。もしかしたら、これも『呪い』のせいかもしれない。
「それでは皆様、私について来てください!」
彼女が歩き始めると、いの一番に男子達が飛び出していった。その様子を見て僕は内心ホッとした。
大和達も新しい刺激に出会えて、僕のことをすっかり忘れているようだ。この世界に居る間、僕は静かに暮らすことが出来るだろう。そんな事を考えていた。
目の前には金髪の美しい女性が立っており、周りには中世の騎士のような恰好をした人達が大勢立っている。さらにその奥には一際目出つ豪華な椅子があり、冠をかぶった初老の男性が腰を掛けて僕達の方を見つめていた。
「ど、何処よここ!私達学校に居たんじゃないの!?」
「おいおい!何がどうなってんだよ一体!!」
僕を含むクラスメイト達が理解不能の出来事に困惑していると、金髪の女性がその場でひざまずき、信じられない言葉を僕らに告げた。
「異世界より導かれし勇者様方!!どうか魔王の侵略から我らをお救いくださいませ!」
女性の口から出た言葉を理解出来ずにいると、その背後から杖を突いた老人が俺達に向かって歩いてきた。
「突然の事に困惑させてしまい申し訳ございません。私はこのアルデンド王国の宰相を務めております、ライデン・オーリッヒという者です。皆様は創造神『ファフニデル』様のお導きにより、異世界『二ホン』から我らの世界に転移してこられたのです」
老人の言葉に僕の周りは騒めき始めた。日本から別の世界に転移だなんて、そんな突拍子もない話、信じられるはずが無い。アニメや漫画の世界の話じゃないか。
皆が動揺した様子を見せる中、光輝が僕らの先頭に立ってライデンに質問を投げかけた。
「僕は五十嵐光輝という者です。このクラス……いや、ここに集められた者達の代表をしています。それで、何故僕らはこの世界に導かれたんですか?」
クラス委員長の林君を押しのけて、代表に繰り上がった光輝の問いかけに対し、ライデンは一度深く頷いた後、彼らの国が置かれている状況を語り始めた。
「この世界には魔族を率いた『魔王』と呼ばれる存在がおり、日々我々の生活を脅かしているのです。我等人間達も必死に抵抗してはおりますが、奴らは強くこのままでは世界は魔王の手によって支配されてしまうでしょう。そこで、魔王に打ち勝つために我等よりも秀でた能力を持つ皆様をファフニデル様がお呼びしてくださったのです」
つまり、僕らはその魔王と呼ばれる存在を倒せばいいということなのか?なんだか胡散臭い気がするぞ。僕が人を信じられない性格だからかもしれないが、全く知らない第三者同士の喧嘩に、片方の意見しか聞かずに割って入るようなモノじゃないか。
そんな心配をよそに、光輝は続けざまにライデンへ疑問を投げかける。
「なるほど……状況は理解しました。その魔王に抵抗するために僕達はこの世界に呼ばれたという訳ですね?ですが、僕達にはそんな能力はないと思うのですが?」
「問題ありません。どうぞ皆様、『ステータスオープン』と口に出してください。皆様の隠された能力を確認することが出来るはずです」
ライデンに言われた通り、『ステータスオープン』と口にし始めるクラスメイト達。それと同時に続々と歓声が沸き上がり始めた。
「おいおい!おれ魔術師だってよ!炎魔法が使えるらしいぜ!」
「俺なんて聖騎士だぞ!ヤバくねぇか!!」
どうやら、アニメのような能力を皆が持っていたようだ。少し怪しかったが、僕も自分の能力が気になり『ステータスオープン』と口にする。すると、目の前に透明な窓が出現し、そこに自分の能力値が刻まれ始めた。
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名前:近藤裕介
性別:男
年齢:17歳
職業:精霊術士
Lv : 1
体力:1000/1000
魔力:1000/1000
攻撃力:100
防御力:100
敏捷力:100
知力:100
運:100
【魔法】
精霊魔法
会話
鑑定
収納
【呪い】
対人好感度補正(極大減少)(消去不可)
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精霊術士?精霊を操る職業ってことか?
それと【魔法】の欄にあるのは精霊魔法に会話に鑑定、収納の四つか。会話を除けばなんとなく凄そうな魔法な気もするが、問題はその下だ。
「【呪い】対人好感度補正(極大減少)って……しかも消去不可なのか。この世界でもコミュ障は治らないんだな。そんな僕に会話の魔法とか、相性悪すぎやしないか?」
まぁどうせ僕なんて大勢呼ばれた中の一人だし。魔法で誰かの役にでもなれたら良いと思うくらいの気持ちでいよう。
「さて皆様。ご自分の能力をご覧になられたと思われますが、皆様全員『鑑定』と『収納』の魔法が使用出来るはずです。『鑑定』魔法は、あらゆるものを対象に発動することが出来、その対象の能力や効果を知ることが出来ます。『収納』魔法は、制限のない鞄のようなモノだと思ってください。その二つの魔法はファフニデル様がお渡しくださった恩恵でございます」
なんだそうだったのか。てっきり僕だけの魔法だと思っていたんだけどな。そうなると、使える魔法は『精霊魔法』だけになってしまうけど、まぁきっと役に立てるだろう。
「それでは皆様の職業に合わせて、装備品等を支給させて頂きます。こちらの『鑑定玉』に手をかざしていただければ、我々にも皆様の能力が見えますので、こちらに並んでいただけますでしょうか」
ライデンがそう言うと、生徒達がぞろぞろと並び始めた。魔王と戦うために呼ばれたことなど、頭の中から消え去ってしまったようで、皆はしゃいでいるのが分かる。
「『剣士』の尚季様ですね。あちらから剣と鎧の装備をお受け取り下さい。『僧侶
』の優香様ですね。あちらから杖とローブをお受け取り下さい。お次の方──」
続々と呼ばれていくなか、光輝の番がやってきた。光輝が右手を『鑑定玉』にかざすとライデンが声を張り上げて光輝の職業を口にした。
「なんと『勇者』ではありませんか!!光輝様!貴方は我々の新しい希望の光です!どうか我等をお導きください!」
ライデンの声と共に、歓声が沸き上がる。光輝は右手を天に突き上げてそれに応えていた。それに続くように、大和が「剣聖」、香織が「魔導士」、春奈が「光魔士」という希少な職業であることが発覚し、同じような歓声を受けていた。
そして最後、漸く僕の番がやってきた。皆の視線に晒される中、ゆっくりと『鑑定玉』に手をかざす。うっすらと玉が光を発したと同時に、ライデンが小さく呟いた。
「『精霊術士』?いや待て……呪い持ち……」
「え?」
「いえ、何でもありませんよ。『精霊術士』の裕介様ですね。あちらから杖とローブをお受け取り下さい」
何か言われたような気がしたが、上手く聞き取れなかった。僕は何を言われたのか気になりながらも、ライデンに指示された通り杖とローブを受け取って、皆の元へ戻っていった。
「それでは勇者の皆様。ささやかではございますが、歓迎の会をご準備しております。ともに魔王を滅ぼすために、親交を深める機会と致しましょう。どうぞ案内人の指示に従ってくさい」
ライデンが話し終えると、僕達がここへ来た時に膝をついていた金髪の女性がライデンの隣にやってきた。
「これより先、皆様の案内及び戦闘の指導を担当します、アルデンド騎士団、五番隊隊長ロレーナ・フローレンスと申します。以後お見知りおきを」
彼女の美しい挨拶に男子だけでは無く女子ですら目を奪われてしまう。彼女が頭をあげ、ニコリと微笑んだ瞬間、男子生徒の大半が惚れたはずだ。僕も普段であれば間違いなく顔を赤くしていたはずだが、なぜかこの時は冷や汗を掻いて彼女から視線を逸らしてしまった。もしかしたら、これも『呪い』のせいかもしれない。
「それでは皆様、私について来てください!」
彼女が歩き始めると、いの一番に男子達が飛び出していった。その様子を見て僕は内心ホッとした。
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