私の婚約者でも無いのに、婚約破棄とか何事ですか？

結末

「それじゃあ、ローズはマロンが浮気したと疑わせたくて変身液ブレイタなんて飲んで男になっていたってことか？言っとくけど、俺にはブレイタなんて効かないからすぐバレるぞ？それに、俺はそんなことでマロンが浮気したと疑わない。」
「そもそも、ローズってやっぱり阿保じゃない？だって、私に向かって婚約破棄したとか言ってるんだよ？……平民が婚約なんかする訳ないでしょそもそも。」
「ううぅ……だって……」
 
 ブレイタを飲んで男性に変身していたローズは、アレンとマロンに事情を聞くために家に招かれていた。最初は黙って何も喋らなかったローズだが、アレンに何度もお願いされている内に、気付けば口を動かしていた。ローズから話を聞いている二人は、抱き締め合いながら面白そうに話を聞いていた。

「言っとくけど、俺なんかにつきまとわないで、ローズは可愛いんだから他のもっといい男を見つければよくねーか？」
「か、可愛い!？」
「ちょっとアレン、浮気しないでよ？ローズのこと誘ってるの？アレンには私が居るじゃん。」
「そういう訳じゃないから安心しろ。そもそも、マロンから見てもローズは可愛いだろ？」
「まぁ……確かにそうだけど。」
「可愛い？私のこと可愛い？もう一度可愛いって言ってくれない？」
「あぁ、言ってやるよ。かわい─────」
「駄目だから。アレン、言っちゃ駄目ー!!」
 
 キスをすることで無理矢理アレンの口を塞ぐマロン。キスをした側も、キスをされた側も、どちらも久しぶりのキスということで、ローズの髪のように頬が真っ赤になっている。いくら冒険で離れていても、愛は変わらない二人。そんな二人を見て、ローズは悟ったような表情をした。

「ていうか、俺と結婚するのは無理だけど、そんなに俺と結ばれたいなら、俺とマロンの子供と結婚すれば良くないか？確か、ローズって長命種だったよな？」
「こ、子供!？アレン、ようやく私との子供作る気になったの!？」
「俺も冒険で子供が養える程のお金は稼いだしな。そろそろ冒険を一時中断して、子供を作る時期かなと思って。」
「今日は、赤飯がいい？アレンと私の子供……楽しみだな。」
「言っとくけど、子供って一日で出来ないからな？」
「し、知ってるよ!？そ、そんなこと………」
「分かってないだろその顔。まぁ、久しぶりに帰ってきたんだしのんびりといこうぜ。」
「アレンとの子供と結婚……確かにありかもしれないわ!!」

 数か月後。
 二人の間に産まれた子供と、ローズは婚約することになった。
 その子供と、次第にローズは恋仲になり……