男女比の狂った世界は、今以上にモテるようです。

狼狼3

文字の大きさ
上 下
16 / 28

お母さんとのデート1

しおりを挟む

「お母さん行ってらっしゃい。十時位に家に迎えに来てね。」
「ぴったり十時に迎えに来てチャイムを押すから大丈夫よ。」
「うん。それじゃあ、十時にお願いね。」
「ふへへっ………うん。任せて頂戴。死んでも十時に戻ってくるから。」

 これからのデートを妄想しているのか、物凄い蕩けた顔でいやらしく笑うはな。二人の娘と息子を育てる大黒柱だが、今だ年は三十代で美貌は衰えていない。むしろ、大人らしい色気を二十代に比べ増幅させていて、色気が凄いことになっている。そんな母が蕩けそうな顔は、正直画面には映せない程色気のある物となっている。十八歳未満は退場というやつだ。そんな華を見て、一狼が母とはいえ一瞬エロさからピクついてしまったのは仕方がないだろう。無論、一狼は母にバレないように必死に抑えたが。

 そんな母親である母を、一狼は手を振って家から見送る。現在の時刻は八時過ぎ。今日は土曜日で一狼と華はデートの予定だが、華の提案で別々で合流するのはどうかとなったのだ。華としては、優しくて格好いい一狼とデートが出来るのは夢にも思って無いことだが、流石に同じ家からデート開始というのは雰囲気的に良くない。デートに合わせてオシャレをしてきた相手を、お互いに頬を赤らめながら褒め合う。そして、頬を赤らめながら互いに手を少しずつ重ね合う。そんな漫画に出てくるようなイチャイチャを華は味わいたかったのだ。……といっても、流石に駅前で別々の駅から集合というのは出来ない。そんなことしたら、集合する前に一狼が女共に拐われて、デートどころでは無くなるだろう。だから、家を集合場所にしたのだ。警察を手配して、駅前を少しの間だけ手配しようとするのも華はほんの少し考えたが、一狼に物凄い勢いで止められたのでやむ無く家になった。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 現時刻10:00。
 時計の針が丁度0の位置に差し掛かかるタイミングで、まるで待ち構えてたかのように玄関からチャイムがなる。玄関からのチャイムと共に、一狼は初めてのデートということもあり、少し緊張しながら扉をそっと開く。そこには、顔をほんのりと紅く染めた、水色のワンピースを着た女性がバックを肩にぶら下げながら立っていた。

「……ワンピース凄く似合ってるよはな。とても可愛い。」
「──っ!!?」

 扉から現れたのは、物語に出てくるような王子様だった。
 黒色のタキシードに、ワックスをしたのか太陽の光を反射する黒髪は、王子様といっても過言ではない。そして、その黒髪とタキシードを着こなすのは、男女比一対一の世界での超イケメンの男。男女比一対一でも超イケメンというのに、男女比一対二千でやったらどうなるかなんて分かるだろう。もうこれは人間と表していいのか?神様じゃないのか?写真に何万枚と残しておきたいと思う息子の姿を見て、どんどん胸の鼓動と顔の辺りが熱くなっていく。
 気を確かに。まだ、デートは初まって無いんだぞ私──────

 ここで倒れてはデートが終わってしまう。
 そんなことを危惧した華は、全力で物凄い勢いで加速する心臓を抑え込もうとする。
 しかし、息子から出会った瞬間飛んできた私への賛辞と、お母さんではなく本当の恋人と思ってしまいそうなはな呼びに、私はいとも簡単に意識を落としてしまった。

 
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます

neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。 松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。 ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。 PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

転生したら男女逆転世界

美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。 ※カクヨム様にも掲載しております

シン・三毛猫現象 〜自然出産される男が3万人に1人の割合になった世界に帰還した僕はとんでもなくモテモテになったようです〜

ミコガミヒデカズ
ファンタジー
 気軽に読めるあべこべ、男女比モノです。  以前、私がカクヨム様で書いていた小説をリメイクしたものです。  とあるきっかけで異世界エニックスウェアに転移した主人公、佐久間修。彼はもう一人の転移者と共に魔王との決戦に挑むが、 「儂の味方になれば世界の半分をやろう」  そんな魔王の提案に共に転移したもう一人の勇者が応じてしまう。そんな事はさせないと修は魔王を倒そうとするが、事もあろうに味方だったもう一人の勇者が魔王と手を組み攻撃してきた。  瞬間移動の術でなんとか難を逃れた修だったが、たどり着いたのは男のほとんどが姿を消した異世界転移15年後の地球だった…。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!

やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり 目覚めると20歳無職だった主人公。 転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。 ”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。 これではまともな生活ができない。 ――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう! こうして彼の転生生活が幕を開けた。

処理中です...