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「本当に美味しかった!お店を紹介してくれてありがとう。」
「礼には及ばないよ。」
そう言ってニコラウスは、微笑を零した。
いやぁ、この『プディング』がものすごく美味しくってね………はい、私の右手をご覧下さい。お察しの通り、お土産用に沢山買ってきちゃいました!
だって港町なんて滅多に来ること無いし、このくらい贅沢しても誰も怒らないわよ。うん、絶対そう!
レティシアはそう結論づけ、再びニコラウスの方に視線を向けた。
「ねぇニコラウス、せっかく遠出したんだから色んな店を回らない?」
「もちろんだよ。じゃあ、とりあえず広場の方に行こうか。」
そう言うと、ニコラウスはレティシアが右手に提げていた袋をサッと取り、前を歩きだした。
サラッとこういう気づかいができちゃうのね……。流石モテ男(?)ね。今までも何となく感じてたけどニコラウスって相当………
うーーん、としばらく考え込んでいると、先方から「レティシア、どうかした?」と声をかけられたので、一旦脳内会議を中断し、ニコラウスの背を追いかけることにした。
♢♢♢
「ねぇあそこのお店なんてどう?すごく面白そうじゃない?」
「魔法具の店か、俺も見に行きたいな。じゃああそこに寄っていこうか?」
そう言って2人は向かいにあった魔法具店へと向かい歩きだそうとした。
するとその瞬間、先程来た道から小さな男の子が緑色の風船を手に持ち、こちらに向かって思い切り駆けてきた。
そして、運悪く道のレンガが欠けた場所を踏み切ってしまい、思い切りその場に倒れ込んでしまった。
そしてお察しの通り右手に大事そうに持っていた風船は、空へ旅立ってしまった。
「…………っ、いきます!!!!」
何を思ったかレティシアは謎の宣言をし、思い切り床を踏み切りると、風船へと手を伸ばした。
「やった…………ぁああ!」
今日のレティシアには運が着いていなかったようで、着地点には、広場のど真ん中に構えた噴水。
バシャン____。
着地は体操選手さながらの見事なものであったが、靴とワンピースの裾は見事に濡れてしまった。
今彼女が立っている場所は、町の中央部にある広場なので、もちろんのこと人通りは多い。そして、その人々の視線と言う視線が全て、レティシアの元に突き刺さっている。
レティシアはそんなこと我関せず、と言わんばかりに、「よいしょ。」と噴水の縁を乗り越え、転倒してしまった男の子の元に歩み寄り、目の前でしゃがみ込んだ。
「ほら、男の子は強くなくっちゃね!はい、これ持って。ほらあっち、お母さんが待ってるんでしょ?行っておいで。」
そう言ってレティシアは風船を手渡すと、その男の子は立ち上がり「お姉ちゃんありがとう!」と言い、ぺこりと頭を下げた。
すると1人2人と、その場にいた人々が手を叩き始めた。次第にその音は大きくなり、その場は拍手喝采に包まれた。
「姉ちゃんやるね~!」
「かっこよかったよ!」
しばらくの間、呆気に取られていたレティシアだが、自分に注目の目が集まっていることに気が付き、次第に顔がかぁっと真っ赤に染まっていった。
その時は、完全に反射的に体が動いていたため、完全に周囲の視線を気にも止めていなかったらしい。
今はそういう訳にも行かず、周囲の視線が嫌という程突き刺さっている。
「ま、ま、まって、に、ニコラウスあっちいこ!」
レティシアは完全に頭が真っ白になり、ぺこぺこと頭を下げニコラウスの手を取ると、人の間をかき分け、できる限りその場から遠くへ遠くへと走り去って行った。
「礼には及ばないよ。」
そう言ってニコラウスは、微笑を零した。
いやぁ、この『プディング』がものすごく美味しくってね………はい、私の右手をご覧下さい。お察しの通り、お土産用に沢山買ってきちゃいました!
だって港町なんて滅多に来ること無いし、このくらい贅沢しても誰も怒らないわよ。うん、絶対そう!
レティシアはそう結論づけ、再びニコラウスの方に視線を向けた。
「ねぇニコラウス、せっかく遠出したんだから色んな店を回らない?」
「もちろんだよ。じゃあ、とりあえず広場の方に行こうか。」
そう言うと、ニコラウスはレティシアが右手に提げていた袋をサッと取り、前を歩きだした。
サラッとこういう気づかいができちゃうのね……。流石モテ男(?)ね。今までも何となく感じてたけどニコラウスって相当………
うーーん、としばらく考え込んでいると、先方から「レティシア、どうかした?」と声をかけられたので、一旦脳内会議を中断し、ニコラウスの背を追いかけることにした。
♢♢♢
「ねぇあそこのお店なんてどう?すごく面白そうじゃない?」
「魔法具の店か、俺も見に行きたいな。じゃああそこに寄っていこうか?」
そう言って2人は向かいにあった魔法具店へと向かい歩きだそうとした。
するとその瞬間、先程来た道から小さな男の子が緑色の風船を手に持ち、こちらに向かって思い切り駆けてきた。
そして、運悪く道のレンガが欠けた場所を踏み切ってしまい、思い切りその場に倒れ込んでしまった。
そしてお察しの通り右手に大事そうに持っていた風船は、空へ旅立ってしまった。
「…………っ、いきます!!!!」
何を思ったかレティシアは謎の宣言をし、思い切り床を踏み切りると、風船へと手を伸ばした。
「やった…………ぁああ!」
今日のレティシアには運が着いていなかったようで、着地点には、広場のど真ん中に構えた噴水。
バシャン____。
着地は体操選手さながらの見事なものであったが、靴とワンピースの裾は見事に濡れてしまった。
今彼女が立っている場所は、町の中央部にある広場なので、もちろんのこと人通りは多い。そして、その人々の視線と言う視線が全て、レティシアの元に突き刺さっている。
レティシアはそんなこと我関せず、と言わんばかりに、「よいしょ。」と噴水の縁を乗り越え、転倒してしまった男の子の元に歩み寄り、目の前でしゃがみ込んだ。
「ほら、男の子は強くなくっちゃね!はい、これ持って。ほらあっち、お母さんが待ってるんでしょ?行っておいで。」
そう言ってレティシアは風船を手渡すと、その男の子は立ち上がり「お姉ちゃんありがとう!」と言い、ぺこりと頭を下げた。
すると1人2人と、その場にいた人々が手を叩き始めた。次第にその音は大きくなり、その場は拍手喝采に包まれた。
「姉ちゃんやるね~!」
「かっこよかったよ!」
しばらくの間、呆気に取られていたレティシアだが、自分に注目の目が集まっていることに気が付き、次第に顔がかぁっと真っ赤に染まっていった。
その時は、完全に反射的に体が動いていたため、完全に周囲の視線を気にも止めていなかったらしい。
今はそういう訳にも行かず、周囲の視線が嫌という程突き刺さっている。
「ま、ま、まって、に、ニコラウスあっちいこ!」
レティシアは完全に頭が真っ白になり、ぺこぺこと頭を下げニコラウスの手を取ると、人の間をかき分け、できる限りその場から遠くへ遠くへと走り去って行った。
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