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今日はピクニックという事でニコラウスと2人、王都から少し離れた街までやって来ている。
また屋敷に尋ねるとニコラウスは言っていたものの、一応前向きに検討している縁談が来ている手前、やめておいた。
まだニコラウスにはルークさんとの件については話していない。
まだ正式に婚約は受けていないため、世間に大々的に知らさている訳では無い。きっとまだニコラウスは知らないでいるだろう。
…………うん、違うわ私。今日はそんな後ろ向きなことは考えちゃダメよ。精一杯今日を楽しむんだから。
もしかしたらこれが最後になるかも知れない………
そう考えるとやはりまだ胸の奥底が痛む。
「レティシア……?具合でも悪い?」
しばらくぼーっと考え込んでいたレティシアに、ニコラウスが心配そうな声音で問いかけた。
「いいえ、全く!ほらこの通り元気!」
そう言ってレティシアは腕を折り曲げ、力こぶを見せるようなポーズをとった。
「筋肉なんて全く無いでしょ。」
そんな他愛もない会話をしばらく続けていると目的の場所に到着した。
「うわぁ……………!とっても綺麗!」
「本当に噂通りだね。」
2人が見た先には、1面のラベンダーが広がっていた。
暖かな日差しに2人は目を細めた。
「ねぇ、あちらのベンチでお茶にしませんか?」
「勿論、いいですとも。」
そう言うと、ニコラウスはレティシアの前に手を差し出した。
今までとは何か違うフワフワとした感覚に、酔ってしまいそうになる。
静かに温もりを感じながら、その手を取った。
♢♢♢
「これはレティシアが?」
「えぇ、そうなの。お口に合いました?」
「勿論。すごく美味しいよ。」
「ふふふ、それは良かったわ。」
2人はベンチに腰掛け、先程出店で買ってきたハーブティーと共にバスケットに詰めてきたクッキーを頬張っている。
「ねぇレティシア、このクッキーが1番美味しいよ。ほら、」
そう言うとニコラウスはクッキーを1枚、丁度レティシアの口元の高さへと差し出してきた。
これってつまり、『あーん』ってこと………?
今日のニコラウス糖度高すぎないかしら???
レティシアは、恥ずかしさに打ち震えながらも口を小さく開き、ぱくりと差し出されたクッキーを頬張った。
「お、美味しい……です?」
それを皮切りにニコラウスは味を占めたのだろうか、「これもどう?」と次々にクッキー口へ放りこんでくる。
とっくに脳の処理が追いついていないレティシアは顔を赤く染め、なすがままにそのクッキーを受け入れている。
まさに鯉の餌やり状態だ。
しばらくが経つと、レティシアのお腹も流石に限界を迎えたようでニコラウスによるクッキー攻撃は打ち止めとなった。
「に、ニコラウス!違うの!今日はお話したいことが沢山あって………先日お貸しした小説のお話でしょ…それに家のメイド長のお話!それから………」
「うん、いくらでも付き合うよ。」
うぅ………、キラキラ笑顔が眩しいです………………
レティシアは、一旦事態を整理する意味合いも込めて、ハーブティーをこくりと流し込んだ。
「これからみっちりお話付き合ってもらいますからね!」
「俺も話したいことは山ほどあるんだ。」
2人は目を見合わせると、どちらからともなく肩を揺らして笑い始めた。
あぁ、こんな時間が永遠に続けば良いのにと、心の内で密かに願った。
また屋敷に尋ねるとニコラウスは言っていたものの、一応前向きに検討している縁談が来ている手前、やめておいた。
まだニコラウスにはルークさんとの件については話していない。
まだ正式に婚約は受けていないため、世間に大々的に知らさている訳では無い。きっとまだニコラウスは知らないでいるだろう。
…………うん、違うわ私。今日はそんな後ろ向きなことは考えちゃダメよ。精一杯今日を楽しむんだから。
もしかしたらこれが最後になるかも知れない………
そう考えるとやはりまだ胸の奥底が痛む。
「レティシア……?具合でも悪い?」
しばらくぼーっと考え込んでいたレティシアに、ニコラウスが心配そうな声音で問いかけた。
「いいえ、全く!ほらこの通り元気!」
そう言ってレティシアは腕を折り曲げ、力こぶを見せるようなポーズをとった。
「筋肉なんて全く無いでしょ。」
そんな他愛もない会話をしばらく続けていると目的の場所に到着した。
「うわぁ……………!とっても綺麗!」
「本当に噂通りだね。」
2人が見た先には、1面のラベンダーが広がっていた。
暖かな日差しに2人は目を細めた。
「ねぇ、あちらのベンチでお茶にしませんか?」
「勿論、いいですとも。」
そう言うと、ニコラウスはレティシアの前に手を差し出した。
今までとは何か違うフワフワとした感覚に、酔ってしまいそうになる。
静かに温もりを感じながら、その手を取った。
♢♢♢
「これはレティシアが?」
「えぇ、そうなの。お口に合いました?」
「勿論。すごく美味しいよ。」
「ふふふ、それは良かったわ。」
2人はベンチに腰掛け、先程出店で買ってきたハーブティーと共にバスケットに詰めてきたクッキーを頬張っている。
「ねぇレティシア、このクッキーが1番美味しいよ。ほら、」
そう言うとニコラウスはクッキーを1枚、丁度レティシアの口元の高さへと差し出してきた。
これってつまり、『あーん』ってこと………?
今日のニコラウス糖度高すぎないかしら???
レティシアは、恥ずかしさに打ち震えながらも口を小さく開き、ぱくりと差し出されたクッキーを頬張った。
「お、美味しい……です?」
それを皮切りにニコラウスは味を占めたのだろうか、「これもどう?」と次々にクッキー口へ放りこんでくる。
とっくに脳の処理が追いついていないレティシアは顔を赤く染め、なすがままにそのクッキーを受け入れている。
まさに鯉の餌やり状態だ。
しばらくが経つと、レティシアのお腹も流石に限界を迎えたようでニコラウスによるクッキー攻撃は打ち止めとなった。
「に、ニコラウス!違うの!今日はお話したいことが沢山あって………先日お貸しした小説のお話でしょ…それに家のメイド長のお話!それから………」
「うん、いくらでも付き合うよ。」
うぅ………、キラキラ笑顔が眩しいです………………
レティシアは、一旦事態を整理する意味合いも込めて、ハーブティーをこくりと流し込んだ。
「これからみっちりお話付き合ってもらいますからね!」
「俺も話したいことは山ほどあるんだ。」
2人は目を見合わせると、どちらからともなく肩を揺らして笑い始めた。
あぁ、こんな時間が永遠に続けば良いのにと、心の内で密かに願った。
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